小説文読解「心情」問題の攻略!~実際の入試問題に挑戦~

小説文読解「心情」問題の攻略~実際の入試問題に挑戦~国語

こんにちは、ゆーきゃんです!

前回の記事で小説文の心情問題では、「原因→心情→行動」の3つを捉えることが大切と述べました。

今回の記事では、それを実際の問題でどのように利用すればよいかについて解説していきます。

早速、解説に入っていきましょう!

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「原因」と「行動」を探すときにおさえておくべきこと

心情問題でのアプローチは、まず「原因」と「行動」を発見することから始まります。

このとき、次のことを知っておくとよいでしょう。

  • 傍線部は「原因」または「行動」に該当する
  • 原因をおさえるときは、出来事やセリフ・登場人物の特徴そしてリード文がヒントになる

特に、リード文に関して見落とす場合が非常に多いです。

そもそも、なぜリード文が文章の冒頭についているのかといえば、

その情報がその文章を読解をしてゆく上で必要だからです。

ですので原因を探し出してゆくときは、必要に応じてリード文からも情報を読み取るようにしましょう。

2021年度・千葉県・大問5

今回は、2021年度の千葉県の大問5を考えていきたいと思います。

問題はこちらから参照できます。

(1)の解説

早速、心情問題が来ましたね。

まずは原則に則って、「原因」と「行動」を探していきます。

傍線部は原因または行動に該当しますから、今回の傍線部Aはどちらに該当するでしょうか。

これは明らかに「行動」ですね。

では、「原因」は何でしょうか?

傍線部Aの前では、

彩子がダイアナに気分が前向きになれる本を探してもらっており、

そのとき、ダイアナは彩子に「アンの愛情」を差し出したのですね。

彩子はこれを受けて、「怪訝そうに首をひね」ったと書かれています。

よって「怪訝そうに首をひね」ったことも「行動」に該当し、

「原因」として、

ダイアナが彩子におすすめの本として『アンの愛情』を差し出したこと

が考えられます。

しかし、なぜ彩子はダイアナの行動に疑問を覚えたのでしょうか。

傍線部Aの直後に、「恋愛や結婚がメインになって面白くないって」と書いてあります。

それを踏まえれば、「原因」は

ダイアナが面白くないと考えていた『アンの愛情』をおすすめの本として、
彩子に差し出したこと

と考えることができますね。

まとめると、

  • 原因…「ダイアナが面白くないと考えていた『アンの愛情』をおすすめの本として、
    彩子に差し出したこと」
  • 行動…「怪訝そうに首をひねる」および傍線部A

となります。

これらをもとに心情を推測すると、

酷評していた本をおすすめの本として紹介されて、納得できない

ということになります。

これに合致するのは、アしかありませんね。

ですから、アが答えとなります。

(2)①の解説

まず問題文中の空欄Ⅰの前に注目すると、

空欄Ⅰには「傍線部Bより後ろで疎遠だった彩子とダイアナの10年の空白が埋まっていったことを

直喩で表現している1文」を入れればよいことが分かります。

直喩とは「~のような」で喩える表現技法ですから、

該当する箇所は「幼い頃~。」の1文となることが分かります。

(2)②の解説

空欄Ⅱの直前に「ダイアナの心の動きを追うと、」とあるので、

この問題ではダイアナの心の動きつまり心情に注目することが不可欠になります。

よって、「原因」と「行動」を探していきましょう。

明らかに傍線部Bは「行動」ですね。

では、「原因」は何でしょう。

それは「10年のブランクが本の話題を通して瞬く間に埋まっていったこと」とすぐ分かるかと思います。

ではなぜ2人に「10年のブランク」があったのでしょう?

ここでリード文に注目してみると、

「2人が中学時代に仲たがいをして音信不通であった」ことが書かれています。

ですので、「原因」

中学時代に仲たがいして音信不通であった2人が、本の話題を通じてそのブランクが埋まっていった

となりますね。

まとめると、次のようになります。

  • 原因…中学時代に仲たがいして音信不通であった2人が、本の話題を通じてそのブランクが埋まっていったこと
  • 行動…傍線部B

そうすると、ダイアナの心情は

疎遠になっていた友人と、本の話題を通じて、その仲が修復されてゆくことが不思議に感じる

となります。

これに合致するのは、イしかありませんね。

ですので、答えはイとなります。

(2)③の解説

空欄Ⅲには、「本を通して何を贈るのか」が入ります。

7ページの「『アンの愛情』に夢中になっている」の段落の直前の文に、

「いつか必ず、たくさんの祝福と希望をお客さんに与えられるようなお店を作りたい。」

とあります。

これは彩子の考えですが、逆に考えれば、いまのシチュエーションでは

ダイアナが彩子に対して「たくさんの祝福と希望」を与えているといえるため、

答えは「たくさんの祝福と希望」となります。

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(3)の解説

この問題も心情の問題ですから、いつも通り「原因」と「行動」を探しましょう。

傍線部Cは明らかに「行動」だと分かります。

次に「原因」を探しましょう。

「原因」の1つには直前のセリフ「ねぇ、ダイアナ。あのさ、今日、仕事何時に終わるの?」が考えられます。

また、これまでの文章の展開を考えると、

「疎遠であった2人が本を通じて、空白の10年間が埋まりつつある」ことが読み取れます。

ですので、「原因」

疎遠であった2人が本を通じて、空白の10年間が埋まりつつあり
彩子がダイアナに仕事の終了がいつになるかを尋ねたこと」

とまとめられます。

これらから2人の心情を推測すると、

疎遠だった2人が、互いに歩み寄ってもとの親しかった関係に戻れるのではないかという期待を抱いている

といえるでしょう。

よって、答えはエとなります。

(4)の解説

(3)が分かれば、(4)は即答できます。

結局のところ、傍線部Dは(3)の心情を描写した表現であるため、答えはウと決まります。

ほかの選択肢を検討すると、

ア…「本への純粋な愛情がよみがえった」が述べられていないので、不適です。
イ…「大人になって気づいた相手の長所を新鮮な気持ちで受け止める」が述べられていないので、不適です。
エ…選択肢としてキズがあるわけではありませんが、ウとエを比べたときに「2人の友情が再び芽生え始める」というニュアンスがエにはないため不適となります。

このように選択肢にキズがないとしても、「最も適切なものを選ぶ」のが選択問題の基本なので、

不適になるケースも多々あります。
(そのようにして、作問者はひっかけの選択肢を用意してきます)

(5)の解説

空欄Ⅰは「優れた少女小説は」から始まる段落に注目すると解けます。

この段落では、「自分の成長に伴って、考え方や感じ方が変化する」ことで、

新しい発見ができるようになることが述べられているので、

答えはこの段落では、「自分の成長に伴って、考え方や感じ方が変化する」となります。

空欄Ⅱについては、これまでの設問の解説から「友情」が入ることが分かります。

ちなみに「友情」という語は「優れた少女小説は」から始まる段落の

「幼い頃」から始まる1文に書かれています。

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正しい読み方・解き方での問題演習

正しい読み方や問題の解き方が身についたら、問題演習を行っていきましょう。

徐々にレベルが上がるようにして問題集をこなしてゆくのがポイントです。

まずは基礎レベルとして、以下の3冊に取り組んでみましょう。

身につけた読み方・問題の解き方を実践する基礎問題集として上記3冊がおすすめです。

自分の学年に合わせて、中1・中2・中3国語から1冊選んで取り組んでみるとよいかと思います。

続いて、その次のレベルとして以下の書籍がおすすめです。

まずは易しい問題から始めて、徐々にステップアップしてゆきたいという方にはおすすめです。

ここで基礎・標準レベルを固めた上で、問題演習を行ってゆくときに以下の書籍がおすすめです。

まずは偏差値60から始め、そこから偏差値65へとステップアップしてゆくことが理想です。

難関校を目指すなら偏差値65まではやった方がよいかと思いますが、

そうでないのなら偏差値60までで打ち止めても問題ないかと思います。

これらすべてをこなし、難関私立校を目指す方には以下の書籍にもトライしてみるとよいでしょう。

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まとめ:小説文読解「心情」問題の攻略!~実践編~

いかがでしたか。

今回の記事では、実際の入試問題を用いて前回教授した解法を実践してみました。

その解法で心情問題が解けることを実感していただけたでしょうか。

入試問題に限らず、小説の読解問題を解くときは「原因→心情→行動」の解法フレームは常に意識しましょう。

本記事もご一読いただきありがとうございました。

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