みなさんこんにちは、ゆーきゃんです!
前回の記事では、国語の文章読解の心構えや勉強法について解説しました。
今回の記事では、「論説文の読み方」について説明していきます。
論説文というと難しいイメージがありますが、読み方をつかめれば問題も解きやすくなります。
さて、早速解説していきましょう!
論説文では、主張とそれを支える論理をおさえる
そもそも論説文とはどのようなものなのか?
そもそも、論説文とはどのようなものなのでしょうか。
論説文とはズバリ「筆者の考え(主張)」を伝える文章です。
読解問題ではちゃんと筆者の主張が読み取れているかを聞いてきます。
ですので、筆者の主張が何であるかをしっかりと読解問題では読み取らなければなりません。
よく塾の先生もこの手のことをいうと思います。
しかし、主張だけを読み取ることが大切なのでしょうか。
論説文では実は主張以外にも読み取らなければならないことがあります。
それは一体何でしょうか?
主張とそれを支える論理を読み取ることが大切
例えば、「私はいちごが好きである」を主張したい状況を考えてみます。
読者からすれば、急にいちごが好きだといわれても正直納得感がありません。
そもそもなんで、この人はいちごが好きなんだろう?
そのような疑問が出てきてもおかしくないはずです。
もし、この主張に次のような文言がついていたらどうですか?
「いちごは甘さと酸味を両立した美味しい果物であるから、私はいちごが好きである」
どうですか?
さっきよりはなんでいちごが好きかは伝わってきましたね。
しかし、理由は分かったけれど、他の果物でもいいんじゃないのか?と疑問に思いませんか。
では、次のような文言だとどうでしょう?
「グレープフルーツは甘さをあまり感じず、ただただ酸味が強いだけである。
一方で、いちごは甘みも酸味も感じることのできる果物である。
だから、私はいちごが好きである。」
グレープフルーツはただ酸っぱいだけだけど、いちごは酸っぱいだけでなく甘さもあると述べていて
どうしていちごでないとダメなのかということに対しての説得力が先ほどよりも上がっているのに気づきますか。
実は、これこそが論説文で行われていることなのです。
単に主張をするだけでは、読者に納得感を抱かせることはできません。
だからこそ、筆者は自分の主張の正当性を担保するために、
理由をつけて、自分はどう考えるかを述べたり(これを「因果関係」といいます)、
異なる何かと比較して、どちらが良いのかを示したり(これを「対比関係」といいます)
するわけです。
いちごの例では登場しませんでしたが、
似ているものを列挙して(これを「類比関係」といいます)
主張の正当性を担保することもあります。
筆者はこれらを駆使しながら論理を展開し、主張に説得力が増すように文章を書いています。
数学の問題で、答えだけでなく途中のプロセスも書きなさいといわれることがあるかと思います。
そこで見られているのは、どのようにして解答に至ったかということですね。
そのプロセスに論理的な飛躍がないかを答案では一番細かくチェックされます。
数学でいう解答に至るまでのプロセスそのものが、
論説文における因果・類比・対比を用いた論理展開なのです。
読解問題では主張のみならず、文章中のそのような論理展開も実は問うているのです。
だからこそ、主張とそれを支える論理をセットで論説文では読み取らなければならないのです。
なぜ、文章は長く書いてあるのか?
さて、ここでみなさんに質問です。
この記事の作者である私はみなさんに対して何を主張しているのでしょうか。
私の主張は
「文章中で筆者は論理立てて自分の主張を述べており、
それらが読み取れているかが読解問題として出題されるため、
論説文では主張とそれを支える論理を読み取ることが大切である」
ということです。
言いたいことはこれだけといえばこれだけですが、
どうして、わざわざいちごの例や数学の話を持ち出して説明していたのでしょうか?
これこそが文章が長くなることの原因なのです。
私の主張は上記で述べたことがすべてであるといっても過言ではありませんが、
それだけを聞いたとしても正直ピンときません。
だからこそ、相手に自分の考えていることを伝える際には
具体例も一緒に述べ、相手がイメージしやすくする必要があるのです。
この具体例は文章中の随所随所で登場するため、
文章が長くなり、主張と論理が読み取れなくなってしまうのです。
これを逆に考えれば、
「具体例を軽く読み飛ばすことができれば、主張・それを支える論理を読み取ることができる」
ということです。
その点に気を付けながら、文章と向き合っていきましょう。
ただ具体例を通して文章が理解しやすくのも事実ですから、効率重視でそれを絶対に読まないという読み方はしないようにしましょう。
確認問題
これまでのおさらいとして、次の問題を考えてみましょう。
(問) 次の文中の( )に当てはまる語句をア~エより1つ選べ。
イチローは、熱心な努力家として知られている。
彼は日々の努力の積み重ねが明日を切り拓くと信じ、現役時代はたゆまぬ努力を積み重ねてきた。
結果、彼は長い期間に渡ってメジャーリーグで活躍する選手となった。
バスケットボールの神様と知られるマイケルジョーダンもさまざまな苦悩を経験し、花開いた選手である。
( )、彼は陰で努力を継続し、最後まで諦めなかったのである。
結局、苦しいときもあるにせよ、努力の継続こそが成功へと導いてゆくのである。
ア しかし
イ むろん
ウ また
エ したがって
この文章の主張は何でしょうか。
「結局、苦しいときもあるにせよ、努力の継続こそが成功へと導いてゆくのである」
ことですね。
それを導くために、イチローとマイケルジョーダンの話を持ち出しているのですね。
ここで分かることはイチローもマイケルジョーダンも努力を積み重ねて、成功したということです。
つまり、イチローもマイケルジョーダンも似ている関係、つまり類比関係にあるわけです。
それを表す接続詞は、イのむろんしかありませんね。
ちなみに、むろんとはもちろんや言うまでもないという意味です。
読解力を鍛える参考書・問題集
文章の読み方や設問の解き方をしっかりと身につけるための書籍
まずは、文章の読み方や設問の解き方をしっかりと身につけるが大切です。
数学でも計算のやり方が分からなければ計算できないのと同じように、
国語の読解に関してもしっかりとした型を作ることが重要です。
このあたりのことは別記事で解説していきますが、以下の書籍をまず参考にするとよいでしょう。
高校受験に向けて、国語の読解を勉強し始めるときに最適な1冊です。
解き方が図解されていて分かりやすいので、無理なく取り組むことができます。
これらはスタサプの柳生先生が執筆した書籍で、ここまで現代文の読み方や解き方について詳しく説明しているものはないと思います。
中学生であってもしっかりと読み方・解き方を身につけるためにも、非常に参考になる書籍です。
読解問題のある意味「辞書」的な位置付けとして、利用するのも一手かと思います。
正しい読み方・解き方での問題演習に最適な書籍
正しい読み方や問題の解き方が身についたら、問題演習を行っていきましょう。
徐々にレベルが上がるようにして問題集をこなしてゆくのがポイントです。
まずは基礎レベルとして、以下の3冊に取り組んでみましょう。
まずは易しい問題から始めて、徐々にステップアップしてゆきたいという方にはおすすめです。
ここで基礎・標準レベルを固めた上で、問題演習を行ってゆくときに以下の書籍がおすすめです。
まずは偏差値60から始め、そこから偏差値65へとステップアップしてゆくことが理想です。
難関校を目指すなら偏差値65まではやった方がよいかと思いますが、
そうでないのなら偏差値60までで打ち止めても問題ないかと思います。
これらすべてをこなし、難関私立校を目指す方には以下の書籍にもトライしてみるとよいでしょう。
全国の難関私立校の問題を分析し精選された問題が収録されているので、効率的に難関私立校で求められる読解力を養うことができます。
まとめ:国語ができなかった人が教える「論説文の読み方」
いかがでしたか。本記事では
- 筆者の主張と、それを支える論理関係(因果・類比・対比)を読み取ることが論説文では大切
- 論説文では軽く具体例を読み飛ばし、それらを探ってゆくことが重要
といった点がポイントでした。
今後も読解に関する解説をしていきますので、お楽しみに!
ご一読いただきありがとうございました。
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