[高校数学]東大や明治でも出題例あり!「同次式の二変数関数」の考え方のポイントを解説!

[高校数学]東大や明治でも出題例あり!「同次式の二変数関数」の考え方のポイントを解説!関数

みなさんこんにちは、Yutaです。

今回は、「同次式の二変数関数」の考え方のポイントを解説していきます。

これをテーマとする問題はたびたび出題され、東大や明治大などをはじめとした難関大学での出題例もあります。

今後も出題される可能性の高いテーマですので、ぜひその考え方を習得するようにしましょう。

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問題の概要

今回解説する問題は以下の通りです。

(1)すべての正の実数\(x,y\)に対し,
$$\sqrt{x}+\sqrt{y} \leq k \sqrt{2x+y}$$が成り立つような実数\(k\)の最小値を求めよ。(東大理系)

(2)\(p\)は1より大きい定数とする。任意の実数\(A,B\)に対して
$$pA^2+qB^2 \geq (A+B)^2$$が成り立つような最小の正の定数\(q\)を\(p\)を用いて表せ。(明治大総合数理・改題)

そもそも「同次式」とは?

問題の解説に入る前に、「同次式」の説明をします。

「同次式」とは、各項の次数がすべて同じである多項式

のことをいいます。

例えば、\(x^4+y^4+2x^3y+x^2y^2+3xy^3\)や\(x^5+y^5-(x+y)^5\)はいずれも各項の次数がすべて同じになるので、同次式です。

では、同次式の二変数関数に関する問題ではどうしたらよいのでしょうか。

\(f(x,y)\)が同次式であるとする。
\(f(x,y) \geq 0\)または\(f(x,y) \leq 0\)という不等式を考える際には、
\(\displaystyle t=\frac{y}{x}\)とおいて1変数関数の議論に帰着させる。
ただし、\(x=0\)のときは例外処理する。

というアプローチをとるのが基本です。

このアプローチについて実際に問題を解きながら見ていきましょう。

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(1)の解説

まず、(1)の解説です。

ルートがあるから分かりづらいですが、これをいったん無視して考えると、両辺で各項が1次であることに気づきます。

そのため、\(x,y>0\)ですから、両辺を\(\sqrt{x}\)で割ってしまいます

そうすると、もとの不等式は\(\displaystyle 1+\sqrt{\frac{y}{x}} \leq k\sqrt{2+\frac{y}{x}}…(*)\)と変形できます。

ここで、\(\displaystyle t=\frac{y}{x}\)とおきます。

\(x,y>0\)より、\(t>0\)です。

よって、(*)は\(\displaystyle \frac{1+\sqrt{t}}{\sqrt{2+t}} \leq k\)と変形でき、

\(f(t)=\displaystyle \frac{1+\sqrt{t}}{\sqrt{2+t}}(t>0)\)の最大値が今回の問題の答えとなります。

\(f'(t)=\displaystyle \frac{2-\sqrt{t}}{2\sqrt{t(2+t)}(2+t)}\)となり、増減表は以下の通りです。

\(t\)4
\(f'(t)\)+0
\(f(t)\)\(\displaystyle \sqrt{\frac{3}{2}}\)

よって、求める\(k\)の最小値は\(\displaystyle \sqrt{\frac{3}{2}}\)となります。

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(2)の解説

続いて、(2)の解説です。

この不等式の両辺において、各項の次数が等しいことが分かります。

ですので両辺を\(A^2\)で割って1変数の議論に帰着させますが、例外処理としてまず\(A^2=0\)となる場合を考えてしまいます。

\(A^2=0\)つまり\(A=0\)のとき、問題で与えられている不等式は\(p^2A^2 \geq A^2\)となります。

\(p>1\)よりこの不等式は\(q\)の値に関わらず常に成り立つことがいえます。

続いて、\(A^2 \ne 0\)つまり\(A \ne 0\)ときを考えます。

問題で与えられている不等式の両辺を\(A^2\)で割ると、\(\displaystyle t=\frac{B}{A}\)として、

\begin{gather}
p+q(\frac{B}{A})^2 \geq (1+\frac{B}{A})^2\\
p+qt^2 \geq (1+t)^2\\
p+qt^2 \geq 1+2t+t^2\\
(q-1)t^2-2t+p-1 \geq 0…(**)
\end{gather}

を得ます。

\(A\)は0以外のすべての実数を、\(B\)はすべての実数をとるので、\(t\)はすべての実数をとることになります。

そうすると、すべての実数\(t\)に対して(**)が成立しなければなりません

\(q \leq 1\)のとき、(**)はすべての実数\(t\)で成立せず不適となります。

そのため、以下では\(q>1\)で考えます。

そうすると\(g(t)=(q-1)t^2-2t+p-1\)とし、

\(g(t)\)の判別式を\(D\)とすれば、\(\displaystyle \frac{D}{4} \leq 0\)が成り立てばよいので、

\begin{gather}
\frac{D}{4}=1-(p-1)(q-1) \leq 0 \\
(p-1)(q-1) \geq 1 \\
q \geq 1+\frac{1}{p-1}=\frac{p}{p-1}
\end{gather}

となって、\(q\)の最小値は\(\displaystyle \frac{p}{p-1}\)と求まります。

まとめ:[高校数学]東大や明治でも出題例あり!「同次式の二変数関数」の考え方のポイントを解説!

いかがでしたか。

今回は、「同次式の二変数関数」の考え方のポイントを解説しました。

二変数関数はうまく処理して変数の個数をひとつにするのが基本です。

同次式の場合は比較的それが簡単なので、二変数関数の問題が来たら同次式かどうかをまず確認するとよいでしょう。

今後も過去問等の解説を行ってゆきますのでお楽しみに。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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