みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回も引き続き力学の解説をしていきます。
今回のテーマは「仕事」と「動滑車」です。
これらは受験生から嫌われる分野ですが、高校入試ではたびたび出題されます。
しかし、核心をつかめればどのような問題でも対応できるようになりますので頑張っていきましょう。
早速、解説に入っていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
「仕事」・「仕事の原理」とは?
まず仕事についておさらいしておきましょう。
で定義されます。
また、
ことをいいます。
具体例として、以下の2つを考えてみましょう。
どちらにおいても、重さ5.0[N]の物体を2.0[m]持ち上げます。
このとき、AB\(=\frac{10}{3}[m]\), BC\(=\frac{8}{3}[m]\)です。
左の例では、仕事は 2.0[N]×5.0[m]=10[J] となりますね。
次に右の例を見ていきましょう。
前回の記事で学習したように、重力を斜面方向と斜面に対して鉛直方向に分けると、
斜面方向成分は3.0[N]であり、AB\(=\frac{10}{3}\)ですからこの場合の仕事は
$$3.0[N]×\frac{10}{3}[m]=10[J]$$
となり、方法によらず仕事が等しくなることが分かります。
仕事の原理は動滑車の問題を考えるときに重要になるので、覚えておきましょう。
動滑車の問題で覚えておくべきことは1つだけ!
続いて、本題である動滑車の問題の考え方についてみていきましょう。
ということさえ覚えておけばOKです。
次の問題を考えてみましょう。
(問1) 以下の図において、重さが8.0[N]の物体を持ち上げるためにはひもをどのくらいの大きさで引かなければならないか。
ここで、2つの動滑車とそれに連結された物体を1つのまとまりと考えてこれに働く力を図示すると以下のようになります。
1つのひもではどこでも張力は等しいですから、ひもの張力をT[N]とすると上向きに4T[N]の力が働きます。
この上向きの大きさ4T[N]の力と物体の重力8.0[N]がつりあうため、T = 8.0÷4.0 = 2.0[N]となります。
よって、答えは2.0[N]です。
よく学校で「動滑車は力の大きさが半分になる」と習うかと思いますが、
それを鵜呑みにすると今回のような複雑な問題に対応できません。
ですから、核となる「1つのひもの張力はどこでも等しい」という考え方をしっかり覚えておきましょう!
動滑車の問題演習
次の問題を考えてみましょう。
(問2)以下の装置を用いて重さ20[N]の物体を2.0[m]持ち上げたとき、引いたひもの長さを求めよ。
この問題では、仕事の原理を用いて求めるとよいでしょう。
また、複数本のひもが用いられているので、各ひもに関して張力を置くことに注意します。
解く手順としては、以下の通りです。
①重さ20[N]の物体を2.0[m]を持ち上げたときの仕事を求める。
②ひもを引いた力を求めて、①および仕事の原理から引いたひもの長さを求める。
まず①についてですが、仕事は20[N]×2.0[m]=40[J]です。
続いて②です。
物体と、棒を介してそれと連結されている動滑車を1つのまとまりとしてみると、
力のつりあいを考え、\(2T_{1}+2T_{2}=20\)…(1)が成立します。
左から2つ目の動滑車に関して、
力のつりあいより、\(T_{2}=2T_{3}\)…(2)が成立します。
最後に左から3つ目の動滑車に関して、
力のつりあいを考え、\(T_{3}=2T_{1}\)…(3)が成立します。
(1)~(3)を連立させて解いて、\(T_{1}\)=2.0[N]と求まります。
よって、引いたひもの長さは 40[J] ÷ 2.0[N] = 20[m]となります。
まとめ:[中学理科]本質を掴めば簡単!「仕事と動滑車」の考え方の核心を解説!
いかがでしたか。本記事では、
- 動滑車の問題においては、1本のひもではどこでも張力は等しいことを意識する
- 引いたひもの長さを求めるときは、引くひもの張力を求めて仕事の原理を用いる
ことがポイントでした。
これらを意識してもらえらば、動滑車のどのような問題でも対応できます。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
本記事もご一読いただきありがとうございました。
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