みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2022年度兵庫県理科「運動とエネルギー」の難問を解説していきます。
今回解説する大問において、最後の小問では正答率が0.0%とかなり難易度が高いものでした。
しかしながら、これまでに解説してきた裏ワザを用いれば答えを導き出すことができます。
それ以外にも、実験データを考察させる問題もあり、全体として非常に難しいセットでした。
科学的思考力を問う良い問題だと思いますので、ぜひチャレンジしてみましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
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問題の概要
今回は、大問Ⅴ-2を解説します。
問題はこちらから参照できます。
(1)の解説
斜面上の物体には、
- 斜面と平行な方向には、重力の分力が働く
- 斜面と垂直な方向には、垂直抗力および重力の分力が働き、両者がつりあう
ことが分かります。
そうすると、斜面と平行な方向に働く重力の分力の大きさは常に一定であるため、
斜面上を運動しているときは、時間と速さが比例する
ことがいえます。
一方、水平面上では、重力と垂直抗力がつり合って等速直線運動をすることになります。
以上から、答えはウとなります。
(2)の解説
初めの位置における小球の高さが高ければ高いほど、水平面上で運動するときの速さは大きくなります。
表2(実験1)において、6番と7番そして7番と8番、それぞれから小球の速さを計算すると、
\(\displaystyle \frac{90.3-66.0}{0.1}=\frac{114.6-90.3}{0.1}=243\)[cm/秒]となります。
表3(実験2)において、6番と7番そして7番と8番、それぞれから小球の速さを計算すると、
\(\displaystyle \frac{90.7-70.9}{0.1}=\frac{110.5-90.7}{0.1}=198\)[cm/秒]となります。
以上から、実験2の方が水平面上での速さが大きいので、②・③に入る組みあわせとしてはエとなります。
次に、①に入る語句を考えてみます。
表2の5番と6番の間における小球の速さは、\(\displaystyle \frac{66.0-43.2}{0.1}=228\)[cm/秒]です。
そうすると、
5番と6番の間の速さ<6番と7番の間の速さ=7番と8番の間の速さ
となっていることが分かります。
小球は斜面上を運動するときは時間に比例して速さが増大し、水平面上では速さが一定になるため、
5番と6番の間で小球が水平面上に達したことがいえます。
よって、答えはウとなります。
(3)の解説
小球に働く重力の大きさを\(W\)[N]とします。
実験2, 実験3における重力の斜面方向成分の大きさはそれぞれ、
\(\displaystyle W×\frac{20}{40}=\frac{1}{2}W, W×\frac{20}{60}=\frac{1}{3}W\)となります。
よって、実験3の方が加速度が小さくなることが分かります。
つまり、速さ-時間グラフの傾きが小さくなることがいえます。
また、力学的エネルギー保存の法則より、実験2,3ともにはじめの位置における高さは等しいので、
小球が水平面上に達したときの速さは両者ともに等しくなります。
以上より、答えはイとなります。
(4)の解説
物体の運動を斜面上および水平面上に分けて考えます。
水平面上の速さは、実験2のときと等しくなるので、198[cm/秒]となります。
よって、60cm進むのに、\(\displaystyle \frac{60}{198}=\frac{10}{33}\)秒かかります。
一方、斜面上の運動に関しては、速さ-時間グラフで囲まれる部分の面積が移動距離と等しいので、
水平面に達するまでの時間を\(t\)とすれば、\(\displaystyle \frac{1}{2}×198×t=60\)が成立します。
これより、\(\displaystyle t=\frac{20}{33}\)と求まります。
以上から、答えは\(\displaystyle \frac{10}{33}+\frac{20}{33}=\frac{30}{33}≒0.91\)秒となります。
速さ-時間グラフの面積に注目できるかがこの問題のカギでした。
まとめ:[高校入試]グラフの面積への注目がカギ!2022兵庫県理科「運動とエネルギー」の難問を解説!
いかがでしたか。
今回は、2022年度兵庫県理科「運動とエネルギー」の難問を解説しました。
ただ語句を暗記するのではなく、現象に対する本質的な理解が問われる難しい問題でありました。
日ごろの学習においてもこのような問題の演習に取り組みながら、語句の暗記に走りすぎない学習を心掛けましょう。
引き続き、過去問の解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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