[中学理科]水の上昇温度はこれで解ける!「電力・熱量」計算のやり方を解説!

[中学理科]水の上昇温度はこれで解ける!「電力・熱量」計算のやり方を解説!中学理科

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

今回は、「電力・熱量」の計算がテーマです。

これらを算出させて、水が何℃上昇するかを求めさせるというのがひとつのパターンとなっています。

苦手な人も多い分野ですが、きちんとやり方をマスターすればしっかり得点することができます。

早速、解説に入っていきましょう。

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

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公式の確認と「水の上昇温度」に関する問題の解き方

大きさが\(R\)である電熱線(抵抗)に、大きさが\(V\)の電圧がかかり、大きさ\(I\)の電流が流れるとき以下の公式が成り立ちます。

  • (電力の大きさ)[W]=(電圧の大きさ)×(電流の大きさ)=\(VI\)
  • 電熱線に\(t\)秒間、電流が流れたとき、
    (電熱線で発生した熱量)[J]=(電力の大きさ)[W]×\(t\)[s]

また、オームの法則より\(V=RI\)であることを用いて、電力の大きさに関して次の等式が成立します。

$$VI=RI^2=\frac{V^2}{R}$$

続いて、よく出る「水の上昇温度」に関する問題の解き方について説明します。

上記の公式を踏まえて、以下のように取り組むとよいです。

  1. 上記の公式に基づいて、電熱線で発生する電力の大きさを計算する
  2. 1.で求めた電力に、時間をかけて熱量を計算する
    このとき、時間を秒数に換算するのを忘れない!
  3. 2.で求めた熱量を(4.2×水の質量[g])で割って、水の上昇温度が求まる
    このとき、水の質量の単位に注意!

3.においてなぜ(4.2×水の質量[g])で割るのかを疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

一般的に、水の比熱について次のことが知られています。

水の比熱(水1[g]を1[℃]上昇させるのに必要な熱量)=4.2[J/(g・℃)]

例えば、水500[g]を3[℃]上昇させるのに必要な熱量は、
$$4.2[J/(g・℃)]×500[g]×3[℃]=6300[J]$$
となります。

もし、電熱線で発生した熱量を単に4.2で割っただけだと、水1[g]に対する上昇温度を求めることになってしまいます

ですので、そこで発生した熱量を(4.2×水の質量[g])割る必要があるのです。

基本的な問題を解いてみよう

これまでの振り返りとして、以下の基本的な問題を解いてみましょう。

(問)次の問に答えよ。
(1)ある電熱線に10[V]の電圧をかけると5[A]の電流が流れた。このとき、電力の大きさを求めよ。

(2)大きさが3[Ω]の電熱線に電圧をかけると2[A]の電流が流れた。このとき、電力の大きさを求めよ。

(3)大きさが5[Ω]の電熱線に大きさが10[V]の電圧をかけた。このとき、電力の大きさを求めよ。

(4)(3)において、電流が3分流れたとき、質量が1[kg]で水温が20[℃]だった水の温度は何℃まで上昇したかを小数第1位まで求めよ。なお、水の比熱は4.2[J/(g・℃)]であり、電熱線で発生した熱量はすべて水の温度上昇に使われたものとする。

(1)~(3)の解説

(1)~(3)はそのまま公式通りに計算すればよいので、
$$10[V]×5[A]=50[W]\\
3[Ω]×(2[A])^2=12[W]\\
\frac{(10[V])^2}{5[Ω]}=20[W]$$
と各問の答えが求まります。

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(3)の解説

解法の定石に従い、まず電熱線で発生した熱量を求めます。

ここで問題文には5分と書いてあるので、それを秒数に変換し、300秒となります。

よって、電熱線で発生した熱量は\(20[W]×300[s]=6000[J]\)です。

次に、水の上昇温度を求めます。

このとき水の質量をグラムに換算して、1000[g]となるので、水の上昇温度は、
$$6000[J]×\frac{1}{4.2[J/(g・℃)]×1000[g]}=1.42…[℃]$$
と求まります。

よって、水の温度はこれにもとの水温20[℃]を足し合わせて、21.4[℃]となります。

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ここからは少しレベルアップして、入試問題に挑戦してみましょう。

2020年の千葉県(前期)の大問7をここでは扱います。

問題はこちらから参照できます。

(1)の解説

電流計を用いるときのポイントは、

マイナス端子は、5[A]→500[mA]→50[mA]の順につないでいく

ということでした。

よって、この時点で答えはエと決まります。

(2)の解説

電熱線にかけられた電圧の大きさは6.0[V]で、それに流れる電流の大きさは1.5[A]です。

先ほどの公式を用いれば、(電力の大きさ)\(=6.0[V]×1.5[A]=9.0[W]\)です。

また、電流を5分流すので、これを秒数に換算して300秒となりますから、

電熱線で発生した熱量は、\(9.0[W]×300[s]=2700[J]\)と求まります。

(3)の解説

先ほどの電力を求める公式から、次のことがいえます。

各抵抗に同じ大きさの電圧をかけるとき、電力(熱量)の大きさは抵抗の大きさに反比例する。

よって、Bの抵抗の大きさはAの3倍となります。

Aの抵抗の大きさは6.0[V]÷1.5[A]=4.0[Ω]ですから、Bの抵抗の大きさは12[Ω]です。

次に図3の回路を考えます。

この直列回路を流れる電流の大きさを\(i\)とすれば、\(6.0=4.0i+12i=16i\)が成立します。

よって、\(i=0.375\)[A]です。

また、図4では並列回路の電圧は等しいので、各電熱線にかかる電圧は6.0[V]となります。

以上より、電力を求める公式を用いて、

  • (図3のAにおける電力の大きさ)\(=4[Ω]×(0.375[A])^2=0.5625[W]\)
  • (図3のBにおける電力の大きさ)\(=12[Ω]×(0.375[A])^2=1.6875[W]\)
  • (図4のAにおける電力の大きさ)\(=\frac{(6.0[V])^2}{4[Ω]}=9[W]\)
  • (図4のBにおける電力の大きさ)\(=\frac{(6.0[V])^2}{12[Ω]}=3[W]\)

と各電力が求まります。

よって、電力が最も大きいものはウ、それが最も小さいものはアとなります。

(4)の解説

電熱線Aに流れる電流の大きさは、5.0[V]÷4.0[Ω]=1.25[A]です。

電流計に流れる電流の大きさは1.5[A]ゆえ、電熱線Cに流れる電流の大きさは1.5[A]-1.25[A]=0.25[A]となります。

よって、Cの抵抗の大きさは5.0[V]÷0.25[A]=20[Ω]です。

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まとめ:[中学理科]水の上昇温度はこれで解ける!「電力・熱量」計算のやり方を解説!

いかがでしたか。

今回は、「電力・熱量」の計算について解説しました。

これらを用いて水の上昇温度を求めるときは、以下のような手順を踏むのがポイントでした。

  1. 上記の公式に基づいて、電熱線で発生する電力の大きさを計算する
  2. 1.で求めた電力に、時間をかけて熱量を計算する
    このとき、時間を秒数に換算するのを忘れない!
  3. 2.で求めた熱量を(4.2×水の質量[g])で割って、水の上昇温度が求まる
    このとき、水の質量の単位に注意!

このやり方をマスターできれば、電力・熱量による水の温度上昇に関する問題は怖くありません。

できなかった問題はしっかりと復習しておきましょう。

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

最後までご一読いただきありがとうございました。

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