[高校入試]「電気回路」の難問を丁寧に解説!

[高校入試]「電気回路」の難問を丁寧に解説!中学理科

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

これまで電気回路に関する解説を行ってきました。

今回は難関校で出題された演習価値の高い入試問題をご紹介し、解説していきます。

難関校を目指す方・理科が得意な方は是非挑戦してみてください!

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

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問題演習1(2019・西大和学園高)

まずは2019年の西大和学園高の問題に挑戦してみましょう。

問題はこちらから参照できます。

(1)の解説

まず(1)です。

①:AとBは直列となっているので、\(R+R=2R\)が入ります。
②:CとDの合成抵抗の大きさも\(2R\)ですから、
$$\frac{1}{\frac{1}{2R}+\frac{1}{2R}}=R$$
が入ります。

(2)の解説

次に(2)です。

キルヒホッフの法則(電圧則)より、電源の電圧の大きさが\(V_0\)で、大きさが\(R_0\)である抵抗での電圧降下は\(RI_0\)ですから、

\(V_0=R_0I_0\)ゆえ、③にはイが入ります。

この式より、④には以下の式が入ります。
$$I_0=\frac{V_0}{R_0}$$

(3)の解説

次に(3)です。

以前解説した解法原則に則り、キルヒホッフの法則を用いて考えていきます。

電源から抵抗A,Bを通る閉ループでキルヒホッフの法則(電圧則)を適用して、
$$V_0=2RI_1$$

同様に電源から抵抗A,Bを通る閉ループでキルヒホッフの法則(電圧則)を適用して、
$$V_0=2RI_2$$

キルヒホッフの法則(電流則)を適用して、
$$I_0=I_1+I_2$$

よって、⑤にはアが入ります。

⑥には上記3つの式を連立させて解くと、以下の式が入ります。
$$I_1=\frac{I_0}{2}=\frac{V_0}{2R_0}$$

(4)の解説

続いて、(4)です。

上記の導出過程から、⑦には\(RI_1\)、⑧には\(V_0=2RI_2\)が入ります。

(5)・(6)の解説

キルヒホッフの法則(電流則)より、⑨には\(I_1-I_3\)が、⑩には\(I_2+I_3\)が入ります。

次に、各閉ループでキルヒホッフの法則(電圧則)を適用していきます。

(あ)の閉ループで立式すると、
$$V_0=RI_1+R(I_1-I_3)=2RI_1-RI_3$$

(い)の閉ループで立式すると、
$$V_0=RI_2+R(I_2+I_3)=2RI_2-RI_3$$

(う)の閉ループで立式すると、
$$V_0=RI_1+RI_3+R(I_2+I_3)=RI_1+RI_2+2RI_3$$

これら3本の式を連立させて解くと、
$$I_1=I_2=\frac{V_0}{2R}, I_3=0$$
となり、⑨には0が入ります。

また、電源装置に流れる電流の大きさは、キルヒホッフの法則(電流則)より、
$$I_1+I_2=\frac{V_0}{R}$$
ですから、オームの法則より⑩には以下の式が入ります。
$$\frac{V_0}{\frac{V_0}{R}}=R$$

(7)の解説

ア~エのうちで、合成抵抗が\(R\)になるものを選べばOKです。

ア:合成抵抗の大きさは\(R\)です。
イ:合成抵抗の大きさは以下のようになります。
$$\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R}}+\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R}}=R$$
ウ:合成抵抗の大きさは以下のようになります。
$$\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R}}+R+\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R}}=2R$$
エ:合成抵抗の大きさは以下のようになります。
$$\frac{1}{\frac{1}{2R}+\frac{1}{R}+\frac{1}{2R}}=\frac{R}{2}$$

以上から、答えはア・イとなります。

(8)・(9)の解説

問題の解説に入る前に、回路の対称性について説明しておきます。

対称性のある回路では、「線対称の位置にある抵抗には同じ大きさの電流が流れる

という性質があります。

今回の問題では抵抗FとGを結んだ線分に対して、回路が線対称となっているので、

CとH・DとI・EとJそれぞれのペアには同じ大きさの電流が流れます

よって、抵抗FとGには電流が流れないことになり、(8)の答えはF・Gとなります。

抵抗FとGを無視して回路図を書き換えると以下のようになります。

[高校入試]「電気回路」の難問を丁寧に解説!

赤の点線部分の合成抵抗の大きさは、
$$\frac{1}{\frac{1}{4R}+\frac{1}{2R}}=\frac{4}{3}R$$

となります。

Aと赤の点線部分とKの合成抵抗の大きさは、
$$R+\frac{4}{3}R+R=\frac{10}{3}R$$
であり、CとHの合成抵抗の大きさは\(2R\)ですから、(9)の答えは、
$$\frac{1}{\frac{3}{10R}+\frac{1}{2R}}=\frac{5}{4}R$$
となります。

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問題演習2(2021・東海高)

次は、2021年の東海高の過去問(1.問1)に挑戦してみましょう。

問題はこちらから参照できます。

(1)の解説

まず(1)の解説に入ります。

今回の問題のように、電圧と電流が常に比例関係にならないケースもたびたび出題されます。

このような問題では、

問題で与えられた電圧と電流のグラフを用いて解く

ことを意識しましょう。

なお、キルヒホッフの法則はこのケースでも用いることができるので、この法則も利用しながら解いていきます。

図1では電源装置の電圧が10[V]なので、キルヒホッフの法則(電圧則)から電球にかかる電圧も10[V]となります。

問題で与えられたグラフから電流の値を読み取ると、0.85[A]です。

よって、抵抗の大きさは 12÷0.85= 11.76…より12[Ω]となります。

(2)の解説

次に(2)です。

直列回路であり、分岐するポイントがありませんから、この回路には同じ大きさの電流が流れます。

また、キルヒホッフの法則(電圧則)より、1個の電球にかかる電圧は 10÷2=5.0[V] となります。

以上を踏まえ、問題で与えられたグラフから、電圧を5.0[V]かけると電流が0.65[A]流れることが分かります。

小数第1位を四捨五入して、答えは0.7[A]となります。

(3)の解説

最後に(3)です。

[高校入試]「電気回路」の難問を丁寧に解説!

右側の並列で接続されている2つの電球には同じ電圧がかかるため、両者ともに同じ大きさの電流が流れます(その大きさを\(I\)とします)。

一方、キルヒホッフの法則(電流則)から、左側の電球には\(2I\)の大きさの電流が流れます

また、キルヒホッフの法則(電圧則)を考えれば、

(並列部分の電圧)+(左側の電球にかかる電圧)=10[V]

となります。

これらから、次のように解いてみるとよいでしょう。

電圧を決め打ちして、並列に接続されている部分の電球に流れる電流の大きさをグラフから求める。
①で求めた電流の大きさを2倍して、その大きさに対応する電圧の大きさを求める。
③このとき、(並列部分の電圧)+(左側の電球にかかる電圧)=10[V]となるかを確認する。

並列部分の電圧の大きさが2.0[V]のとき、並列部分の各電球には0.4[A]の電流が流れます。

このとき、左側の電球には0.8[A]の電流が流れ、この電球にかかる電圧は8.0[V]となります。

8.0+2.0=10[V]となるため、今述べた条件に合致します。

よって、答えは0.8[A]となります。

まとめ:[高校入試]「電気回路」の難問を丁寧に解説!

いかがでしたか。

今回の記事では、「電気回路」の難問を解説しました。

回路の対称性や電圧や電流が常に比例しないといったパターンはたびたび出題されます。

繰り返し解くことによって、解き方を身につけることが大切です。

次回は受験生で苦手な人も多い「発熱量」について解説していきます。

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

ご一読いただきありがとうございました。

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