みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
前回の記事では、力のつりあいや作用・反作用について解説しました。
今回は力学において重要な考え方である「合力・分力」について解説していきます。
この分野でお困りの方は是非参考にしてみてください!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
「合力」とは何か?
教科書には「合力」とは平行四辺形の対角線と書いてあります。
そもそも、なぜ「合力」が平行四辺形の対角線となるのでしょうか?
高校の内容を少しかじりますが、
「合力」というのは2つの力つまりベクトルの足し算を意味します。
ベクトルとは簡単に言えば、矢印のことをいいます。
以下の図について考えてみましょう。
いま、力\(\overrightarrow{F_{1}},\overrightarrow{F_{2}}\)の2つのベクトルを考えます。
\(\overrightarrow{F_{1}},\overrightarrow{F_{2}}\)を順につなぎ合わせて、
始点と終点を一直線で結ぶと、\(\overrightarrow{F}\)が得られます。
この\(\overrightarrow{F}\)こそがこれら2つの力の合力となるのです。
ですので、上の図のように平行四辺形を描くと合力がその対角線となるのです。
平行四辺形の対角線が合力と覚えてもよいですが、
と覚えた方がどんな問題でも対応できます。
「分力」では直角三角形を作る
次に、「分力」とは何でしょうか。
先ほどの図において、\(\overrightarrow{F}\)は\(\overrightarrow{F_{1}},\overrightarrow{F_{2}}\)の2つを合成したものでしたね。
この2つの力が、\(\overrightarrow{F}\)の「分力」となります。
つまり、「分力」を考える際は、1つの力を2つの力に分解しているのですね。
「分力」は
ときに非常に役立ちます。
このことを例題を通じて考えてみましょう。
「分力」に関する例題
次の例題を考えてみましょう。
(問1)AB=13, BC=5, CA=12である三角台ABCの斜面上に重さ26Nの物体を置く。このとき、物体が斜面から受ける抗力(垂直抗力)の大きさを求めよ。
物体に働く力は上の図のようになります。
このとき、物体に働く重力を直角三角形を作って2つの力に、
つまり、斜面に対して水平方向・鉛直方向の2つに分けてみます。
このとき、△ABCと△PQRは相似となります。
よって、
$$\frac{QR}{PQ}=\frac{BC}{AB}=\frac{5}{13}, \frac{PR}{PQ}=\frac{AC}{AB}=\frac{12}{13}$$
となるので、
重力の斜面に対して水平方向成分=\(26×\displaystyle \frac{5}{13}\)=10N
重力の斜面に対して鉛直方向成分=\(26×\displaystyle \frac{12}{13}\)=24N
となります。
この鉛直方向成分と垂直抗力がつりあうため、垂直抗力の大きさは24Nとなります。
公式として、以下のことを覚えてしまうとよいでしょう。
ことによって問題を解くことができます。
この考え方は、公立高校の入試でもよく出てくるので覚えておきましょう。
まとめ:[中学理科]「合力・分力」を丁寧に解説!
いかがでしたか。本記事では、
- 合力とは2つの力を順につなぎ合わせて、始点と終点を一直線で結んだものを指す
- 分力では1つの力を2つの力に分けるが、このとき直角三角形をつくって力を分解する
- 実際の問題では直角三角形を用いて力を分解し、水平方向と鉛直方向の力のつりあいを考える
ことがポイントでした。
力学に関しては受験生が苦手とする滑車の問題等の攻略法についても今後解説していきます。
ご一読いただきありがとうございました。
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