[中学理科]難関校で狙われやすいテーマ!「二段階滴定」と「逆滴定」を解説!

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みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

今回は、「二段階滴定」と「逆滴定」を解説します。

中和反応に関して、「二段階滴定」を背景とした問題が難関校でちょこちょこ出題されています。

「逆滴定」に関してはさほど出題例はないものの、そうであるからこそ今後出題される可能性が高いです。

背景知識として知っておくと問題が解きやすくなるので、問題演習を通して覚えておきましょう。

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まずは問題に挑戦してみよう!

「二段階滴定」と「逆滴定」をテーマとした問題にまずは自力で挑戦してみましょう!

≪Ⅰ≫の解説

≪Ⅰ≫は「炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムに関する二段階滴定」を背景とした問題です。

これらを塩酸と反応させてゆくとき、次の順番で反応が進行します。

  • 第1段階: Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl
  • 第2段階: NaHCO3 + HCl → NaCl + CO2 + H2O

第1段階で生成された炭酸水素ナトリウムと、もともと混合物に含まれていた炭酸水素ナトリウムが第2段階で中和されることになります。

これを踏まえ、問題を解いていきましょう。

問1の解説

下線部Aの化学反応式は、2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O と表されます。

下線部Bの化学反応式は、上記で説明した、Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl と表されます。

問2の解説

下線部Bの化学反応式を用いると、炭酸ナトリウムと塩酸が過不足なく反応するときの質量比は、

炭酸ナトリウム:塩酸
=(23×2+12+16×3):(1+36)
=106:37

となりますね。

よって、炭酸ナトリウム5.3[g]と反応する塩酸の質量は、\(\displaystyle \frac{5.3×37}{106}=1.85[g]\)となります。

溶液Xの密度は1.0[g/cm3]ですので、「溶液X」50[mL]の質量は、1.0×50=50[g]です。

したがって、溶液Xの質量パーセント濃度は、\(\displaystyle \frac{1.85}{50}×100=3.7[\%]\)と求まります。

問3の解説

炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムはいずれも塩酸と反応するので、両者が同時並行で塩酸と反応するというのが直感に合致します。

しかし、まず炭酸ナトリウムが塩酸と反応し、その次に炭酸水素ナトリウムが塩酸と反応するということは、

両者で水素イオンを引き付ける力が異なることを意味します。

つまり、

炭酸イオン炭酸水素イオンよりも、水素イオンを引き付ける力が大きい

ことが示唆されます。

問4の解説

混合物に含まれていた炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウムの質量をそれぞれ\(x[g],y[g]\)とします。

第1段階の反応(Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl)において、先ほど作った質量比を用いれば、

\(106:37=x:\displaystyle 100×\frac{3.7}{100}\)が成り立ちます。

よって、\(x=10.6[g]\)と求まります。

続いて、第2段階の反応において、過不足なく反応するときの質量比は、

炭酸水素ナトリウム:塩酸
=(23+1+12+16×3):(1+36)
=84:37

となります。

第2段階の反応が、第1段階の反応の完結から「溶液X」を300-100=200[mL]滴下したときに完結することに注意します。

第1段階で生じた炭酸水素ナトリウムも第2段階では中和されることにも注意します。

なお、第1段階で過不足なく反応するときに、

(炭酸ナトリウムの質量):(炭酸水素ナトリウムの質量)=106:84となるため、

第1段階で生じた炭酸水素ナトリウムの質量は、\(\displaystyle 10.6×\frac{84}{106}=8.4[g]\)です。

以上より、\(84:37=(8.4+y):\displaystyle 200×\frac{3.7}{100}\)が成立します。

よって、\(y=8.4[g]\)と求まります。

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≪Ⅱ≫の解説

≪Ⅱ≫は「アンモニアの逆滴定」をテーマとした問題です。

「逆滴定」とは気体の関与する反応などについて、その質量を間接的に求めるための中和滴定のことをいいます。

以下、「逆滴定」の計算方法について見ていきましょう。

問5の解説

下線部イの化学反応式は、NH3 + HCl → NH4Cl と表されます。

下線部ロの化学反応式は、HCl + NaOH → NaCl + H2O と表されます。

アンモニアの中和では、他の中和反応とは異なり、水が生成されないことに注意しましょう。

問6の解説

水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性であり、空気中の二酸化炭素と反応します

それによって、意図した濃度の水酸化ナトリウム水溶液を作製したとしても、濃度が薄れてゆくことになります。

ですので、中和滴定を行う前に必ず水酸化ナトリウム水溶液の濃度を特定する必要があるのです。

問7の解説

「逆滴定」は主に気体の関与する反応で用いられるので、答えはCとなります。

問8の解説

まずは「溶液X」100[mL]に含まれる塩酸の質量を求めましょう。

そうすると、\(\displaystyle 100×\frac{3.7}{100}=3.7[g]\)です。

次に、溶液Xと水酸化ナトリウム水溶液の中和反応を考えましょう。

このとき、塩酸と水酸化ナトリウムが過不足なく反応するときの質量比は、

塩酸:水酸化ナトリウム
=(1+36):(23+16+1)
=37:40

となります。

水酸化ナトリウム水溶液を30[mL](質量は 1.0×30=30[g])滴下したときに塩酸と完全に反応したため、

反応した水酸化ナトリウムの質量は、\(\displaystyle 30×\frac{11.8}{100}=3.54[g]\)となります。

よって、この水酸化ナトリウムと反応した塩酸の質量は、\(\displaystyle 3.54×\frac{37}{40}=3.2745[g]\)です。

これらから、アンモニアと反応した塩酸の質量は、\(3.7-3.2745=0.4255[g]\)と分かります。

ここで、塩酸とアンモニアが過不足なく反応するときの質量比は、

塩酸:アンモニア
=(36+1):(14+1×3)
=37:17

ですから、溶液Xに通したアンモニアの質量は、\(\displaystyle 0.4255×\frac{17}{37}=0.1955[g]\)と求まります。

そして、小数第4位を四捨五入して、答えは0.196[g]となります。

[中学理科]難関校で狙われやすいテーマ!「二段階滴定」と「逆滴定」を解説!

いかがでしたか。

今回は、「二段階滴定」と「逆滴定」について解説しました。

今回扱った問題を一通り解き、その背景にある知識を理解しておけば十分かと思います。

引き続き、難関校で狙われやすいテーマを解説していきますので、お楽しみに。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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