みなさんこんにちは、ゆーきゃんです!
今回の記事では、問題演習編ということで、いくつか問題を解いていこうと思います。
早速、本題に入りましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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銅とマグネシウムの酸化に関する問題演習
まずは銅とマグネシウムの酸化に関する問題です。
次の問題を考えてみましょう。
問1と問2の答えはそれぞれ以下のようになります。
2Cu + O2 → 2CuO
2Mg + O2 → 2MgO
これらはよく出てくる化学反応式ですので、そのまま覚えてしまうとよいかと思います。
問3以降の解説をしていきます!
問3~問5の解説
問3~問5は定比例の法則を用いれば、すぐに解けます。
問3に関してですが、求める酸素の質量を\(x\)[g]とすると
\(4:1=12:x\)
\(x = 3.0\)[g] となります。
続いて、問4です。マグネシウムの質量を\(x\)[g], 酸化マグネシウムの質量を\(y\)[g]とします。
このとき、質量比は Mg : O2 : MgO = 3 : 2 : (3+2) = 3 : 2 : 5ですから、
\(3:2=x:10\)
\(x=15\)[g]
\(2:5=10:y\)
\(y=25\)[g]
となります。なお、質量保存の法則から、\(y=x+10=25\)[g]と考えてもOKです。
続いて、問5です。質量比は Cu : O2 : CuO = 4 : 1 : (4+1) = 4 : 1 : 5ですから、
銅の質量を\(x\)[g]とすると、
\(4:5=x:25\)
\(x=20\)[g] となります。
問6の解説
問6から難易度が上がります。
質量が10[g]から14[g]に変化していますね。
質量保存の法則を考えれば、\(14-10=4.0\)[g]の酸素がマグネシウムと反応したことが分かります。
よって、酸化マグネシウムの質量を\(x\)[g]とすると、定比例の法則から
\(2:5=4.0:x\)
\(x=10\)[g] となりますね。
問7の解説
この問題では十分に加熱しているので、銅もマグネシウムも完全に酸化されていることに注意します。
加熱前の銅とマグネシウムの質量をそれぞれ\(x\)[g], \(y\)[g]とします。
もとの混合物の質量は7.0[g]ですから、\(x+y=7.0\)…①
が成立します。
質量保存の法則を考え、反応に用いられた酸素の質量は\(10-7.0=3.0\)[g]となります。
銅\(x\)[g], マグネシウム\(y\)[g]と完全に反応する酸素の質量は
定比例の法則からそれぞれ\(\frac{x}{4}\)[g], \(\frac{2}{3}y\)[g]となるので、
\(\frac{x}{4}+\frac{2}{3}y=3.0\)…②
が成り立ちます。
①と②を連立させて解いて、\(x=4.0\)[g], \(y=3.0\)[g]となります。
この問題では連立方程式を作って解くというのがポイントでした。
問8の解説
問5では、\(25-20=5.0\)[g]の酸素が銅と反応しています。
このような問題では単位を意識し、順に考えてゆくとよいです。
酸素の密度は1.4[g/L]ですから、酸素5.0[g]の体積は次のようになります。
$$\frac{5.0[g]}{1.4[g/L]}=\frac{5.0}{1.4}[L]$$
酸素は体積でみると空気中に20%含まれているので、求める空気の体積を\(V\)[L]として、以下が成立します。
\begin{gather}
V×\frac{20}{100}=\frac{5.0}{1.4}\\
V = 17.857…[L]
\end{gather}
小数第1位まで求めるので、小数第2位を四捨五入し、17.9[L]となります。
問9の解説
問9は頻出の応用問題です。
この問題では、銅・マグネシウムの酸化それぞれの質量比において、酸素の値をそろえると解けます。
Cu : O2 = 4 : 1 = 8 : 2
Mg : O2 = 3 : 2
となり、両者の質量比において酸素の値がそろいました。
よって、求める答えは
Cu : Mg = 8 : 3となります。
問10の解説
問10はかなりの難問です。
化学反応式の意味がしっかりと理解できているかが問われています。
銅の酸化の化学反応式 2Cu + O2 → 2CuO は
銅原子2個と、酸素分子1個が反応する
ことを意味しています。
一方、マグネシウムの酸化の化学反応式 2Mg + O2 → 2MgO は
マグネシウム原子2個と、酸素分子1個が反応する
ことを意味しています。
酸素2.0[g]中に含まれる酸素分子の個数を\(N\)とすれば、
酸素2.0[g]と反応する銅原子およびマグネシウム原子の個数は、
上記の議論から、ともに\(2N\)となりますね。
ここで、問9の結果を思い出しましょう。
酸素2.0[g]と反応する銅とマグネシウムの質量はそれぞれ8.0[g], 3.0[g]ですから、
銅とマグネシウムの原子の質量比は
Cu : Mg \(=\frac{8.0}{2N}:\frac{3.0}{2N}=8:3\)と求まります。
問9と問10の結果が一致するのが興味深いですね。
ここまで解ければ、この単元に関する理解度はかなり高いといえます。
2021・兵庫県・Ⅲ-2
次に、2021年兵庫県のⅢ-2の解説を行います。
炭酸カルシウムと塩酸を用いて二酸化炭素を発生させる実験を題材とした問題です。
変化球的な問題もあるので、ぜひ経験しておきたい問題です。
問題はこちらから参照できます。
(1)①の解説
まず、(1)①の解説に入ります。
表2から、いつもと同じように質量保存の法則を用いて発生した二酸化炭素の質量を求めます。
このとき、
二酸化炭素の質量 = (c)の質量 – (a)の質量
ですから、表にまとめると以下のようになります。
A | B | C | D | E | F | |
炭酸カルシウムの質量[g] | 1.00 | 2.00 | 3.00 | 4.00 | 5.00 | 6.00 |
二酸化炭素の質量[g] | 0.44 | 0.88 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 |
この表から、①には\(0.88-0.44=0.44\)が入ることが分かります。
(1)②の解説
次に、②を考えましょう。
前回の記事での解法原則に則って、過不足なく反応するときの質量比を求めていきましょう。
この表からは、塩酸と過不足なく反応する炭酸カルシウムの質量は分かりません。
ですので、
二酸化炭素の質量が何gで一定になるかを求め、
炭酸カルシウムが完全に反応するときのそれと二酸化炭素の質量比を作り、比例式から求める
方針で解いていきます。
表から、最終的に二酸化炭素の質量が1.1[g]で一定になることが読み取れます。
A, Bでは炭酸カルシウムの質量と二酸化炭素の質量が比例関係にあるため、
炭酸カルシウムが完全に反応しています。
よって、質量比は以下のようになります。
炭酸カルシウム : 二酸化炭素 = 1.00 : 0.44
二酸化炭素が1.1[g]発生するときの、炭酸カルシウムの質量を\(x\)[g]とすると
\(1.00:0.44=x:1.1\)
\(x=2.5\)[g] となります。
というわけで、うすい塩酸20.0[cm3]に含まれるHClの質量を\(M\)[g]とすると、
過不足なく反応するときの質量比は次のようになります。
CaCO3 : HCl : CO2 \(=2.5:M:1.1\)
うすい塩酸の体積40.0[cm3]に含まれるHClは\(2M\)[g]になるので、
これと過不足なく反応する炭酸カルシウムの質量は\(2×2.5=5.0\)[g]
このとき発生する二酸化炭素の質量は\(2×1.1=2.2\)[g]
と求まります。
これらを表すグラフはウとなります。
(2)の解説
続いて、(2)の解説です。
A~Fにおいて炭酸カルシウムと塩酸のうち、どちらがどれだけ反応していないかを求めてからでも答えは出せますが、
正直この方法ではかなり骨が折れます。
ですから、A~Fを1つにまとめて考えるとよいでしょう。
このとき、
(A~Fで用いた炭酸カルシウムの質量の合計)
\(=1.00+2.00+3.00+4.00+5.00+6.00\)
\(=21.0\)[g]
塩酸に関しては、実験2で用いた塩酸も勘案する必要があるため、
(実験1・実験2で用いた塩酸の体積の合計)
\(=20.0×6+40.0\)
\(=160\)[cm3]
塩酸160[cm3]に含まれるHClの質量は、
20.0[cm3]に含まれるHClの質量が\(M\)[g]であるから、\(8M\)[g]となります。
今問題文中から、炭酸カルシウムが過剰であることが読み取れるので、
HClは完全に反応したことになります。
これと反応した炭酸カルシウムは\(8×2.5=20.0\)[g] です。
よって、未反応の炭酸カルシウムは\(21.0-20.0=1.00\)[g]ですから、
これと過不足反応するHClを\(x\)[g]とすると、
\(2.5:M=1.00:x\)
\(x=M×\frac{1.00}{2.5}\)[g] となります。
20.0[cm3]に含まれるHClの質量が\(M\)[g]であるから、求める塩酸の体積の体積を\(V\)[cm3]として、
\(20.0:M=V:M×\frac{1.00}{2.5}\)
\(V=8.00\)[cm3] となります。
(3)の解説
最後に、(3)です。
(2)ではA~Fを1つにまとめて考えたので、本問においてもそのように考えます。
状況が分かりづらいですが、発生した二酸化炭素の質量を定比例の法則から求め、質量保存の法則を用いれば答えを導き出せます。
炭酸カルシウム21.0[g]が完全に反応したときに発生した二酸化炭素の質量を\(x\)[g]とすると、
\(2.5:1.1=21.0:x\)
\(x=9.24\)[g] となります。
塩酸の密度は1.05[g/cm3]ですから、塩酸 160 + 8.00 = 168[cm3]の質量は
1.05[g/cm3] ×168[cm3] = 176.4[g] となります。
よって求める答えは、質量保存の法則を用いて
176.4[g] + 21.0[g] – 9.24[g] = 188.16[g] となります。
これに最も近いのはイとなります。
まとめ:[中学理科]定期テストから入試対策に!「化学変化と物質の質量」~問題演習編~
いかがでしたか。
今回の記事では「化学変化と物質の質量」に関する問題演習を行いました。
前回ご紹介した解法が今回解説した問題に対しても役立つことが体感できたのではないでしょうか。
初見で今回解説した問題ができなかったとしても、
何度も繰り返し解いて、理解してゆくことが理科の学習では大切です。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
ご一読いただきありがとうございました。
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