みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、青山学院高等部で出題された「関数のグラフと図形の融合問題」を解説します。
序盤までは順調に解き進められる構成となっておりますが、最後の1問がうまく工夫しないと解けないようになっています。
「関数のグラフと図形の融合問題」では図形の知識を活用するのが基本ですから、
図形の知識を活用し解決への糸口を探っていってもらいたいです。
それでは、早速解説していきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
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問題の概要
今回解説する問題の概要はこちらです。
2次関数\(y=\displaystyle \frac{2}{3}x^2\)のグラフ上に2点P,Aがあり、\(x\)座標はそれぞれ\(3,t(0<t<3)\)である。
また、点Pと点Q(6,0)を結んだ直線を\(l\)とし、\(l\)上の点で点Aと\(y\)座標が同じ点をBとする。
さらに、点A,Bから\(x\)軸に垂直な直線を引き、\(x\)軸と交わる点をそれぞれC,Dとする。
(1)直線\(l\)の式を求めよ。
(2)点Bの座標を\(t\)を用いて表せ。
(3)四角形ACDBが正方形となるときの\(t\)の値を求めよ。
(4)直線ACと\(l\)との交点をEとし、点A,Eから\(y\)軸に垂直な直線を引き、\(y\)軸と交わる点をそれぞれF,Gとする。
四角形GFAEの面積が四角形ACDBの面積の2倍となるときの\(t\)の値を求めよ。
(1)・(2)の解説
まず、(1)です。
P(3,6), Q(6,0)ですから、傾きは\(\displaystyle \frac{0-6}{6-3}=-2\)です。
ここで「1次関数の式の決定の裏ワザ」を用いれば\(l\)の式は、
\(y=(-2)×(x-6)=-2x+12\)と決まります。
次に、(2)です。
Aの\(y\)座標は\(\displaystyle \frac{2}{3}t^2\)ですから、Bの\(y\)座標もそれと同じ値となります。
\(y=\displaystyle \frac{2}{3}t^2\)を\(y=-2x+12\)に代入して\(x\)について解くと、\(x=\displaystyle 6-\frac{1}{3}t^2\)となります。
よって、答えは\(\displaystyle(6-\frac{1}{3}t^2,\frac{2}{3}t^2)\)です。
(3)の解説
(1)および(2)で得られた情報を図に書き込むと以下のようになります。
このとき、上記の図より、
AC\(=\displaystyle \frac{2}{3}t^2\), CD=\(\displaystyle (6-\frac{1}{3}t^2)-t=6-\frac{1}{3}t^2-t\)と分かります。
四角形ACDBが正方形になるとき、両者の値が等しくなるので、
\(\displaystyle \frac{2}{3}t^2=6-\frac{1}{3}t^2-t\)が成立します。
この2次方程式を解くと、\(t=-3,2\)となります。
\(0<t<3\)より、\(t=2\)と答えが求まります。
(4)の解説
最後に(4)の解説です。
2つの長方形の面積の比が1:2ですから、それぞれの面積を求めて比例式に持ち込むという解法が思い浮かぶかと思います。
しかしながらそれを行うと、四角形GFAEが\(t\)の3次式で、四角形ACDBは\(t\)の4次式で表されることとなり、中学レベルで解くのが困難となってしまいます。
ですので、違う視点から考えてゆくことが求められます。
さて、△ABEは直角三角形となりますが、AB:AEを求めることができないでしょうか。
直線\(l\)の変化の割合(傾き)が-2ですが、これの意味するところは、
\(x\)方向に1増えると、\(y\)方向に-2増える
→直角三角形ABEにおいて、AB:AE=1:2となる
ということです。
いま、四角形GFAEの面積と四角形ACDBの面積が2:1となるのですから、
それを踏まえるとAF=ACである必要があることが分かります。
AF\(=t\), AC\(=\displaystyle \frac{2}{3}t^2\)ですから、\(\displaystyle t=\frac{2}{3}t^2\)が成り立ちます。
これを解くと、\(t=0,\displaystyle\frac{3}{2}\)となります。
\(0<t<3\)ゆえ、\(t=\displaystyle\frac{3}{2}\)と答えが決まります。
[中学数学]「変化の割合」の図形的意味は?青山学院高で出題された「関数のグラフと図形の融合問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、青山学院高等部で出題された「関数のグラフと図形の融合問題」を解説しました。
「変化の割合」の図形的な意味について考えることがあまりないかもしれませんが、
これは高校で学習する三角比と密接に関わってきます。
そのような点においても今回の問題は関数と図形の知識を結びつける良い問題でした。
他の類題にあたるときもそのように、関数と図形の知識を結び付けながら考えてゆくとよいです。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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