みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、明治大付属明治高で出題された「正三角形」の問題を解説していきます。
最終的に正三角形の面積を求めることとなりますが、1辺の長さの導出し求めようとすると頓挫する問題となっています。
数学だけではなく物理の世界においても、個々の物体の速度などを求めることができないといった状況が往々にしてあります。
そのような要素還元的な思考で行き詰ったとき、どうしたらよいのでしょうか。
今回の問題では、(1)・(2)の誘導の意味を考えて、行きづまりを突破してみましょう。
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問題の概要
今回解説する問題は以下の通りです。
まずは自力で取り組んでみましょう。
下の図のように、正三角形ABCの内部に点Pがあり、外部に点Qがある。
また、△QBA≡△PBCであり、PA=2, PB=\(\sqrt{5}\), PC=1であるとき、次の問に答えよ。
(1)∠PAQの大きさを求めよ。
(2)四角形AQBPの面積を求めよ。
(3)△ABCの面積を求めよ。
(1)・(2)の解説
(1)・(2)を解説していきます。
△QBA≡△PBCより、∠QBA=∠PBCおよびBQ=BPが成り立ちます。
△ABCは正三角形ゆえ、∠PBC+∠ABP=60°です。
以上より、∠PBQ=∠ABP+∠QBA=60°となって、△BPQは正三角形です。
また、△QBA≡△PBCよりAQ=CP=1であり、△BPQは正三角形ゆえPQ=\(\sqrt{5}\)です。
そうすると\(AQ^2+PA^2=PQ^2\)が成り立ち、「三平方の定理」の逆を用いれば、
∠PAQ=90°となることが分かります。
よって、(四角形AQBPの面積)=(△BPQの面積)+(△APQの面積)と求められるので、
\(\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{4}×\sqrt{5}^2+\frac{1}{2}×1×2=\frac{5\sqrt{3}}{4}+1\)となります。
(3)の解説
マクロ的視点から問題をとらえる
続いて、△ABCの面積を求めていきましょう。
しかし、△ABCの1辺の長さを求められそうにないことが分かります。
ですので、(1)・(2)のアイデアを借用し、△PBCと△APCに対してもその外側に三角形を作ってみます。
このとき、△PBCの外側に△APCと合同である△BRCを、
△APCの外側には△PABと合同である△SAPを作ってみるのがポイントです。
このとき、
(四角形AQBPの面積)+(四角形PBRCの面積)+(四角形APCSの面積)
=(△QBAの面積)+(△PABの面積)+(△PBCの面積)+(△BRCの面積)+(△APCの面積)+(△SAPの面積)
=2×(△PABの面積)+2×(△PBCの面積)+2×(△APCの面積)
=2×(△ABCの面積)
が成り立ちます。
このように、
ことが大切です。
そこで、四角形PBRCと四角形APCSの面積を求めていきます。
各四角形の面積は?
まず、四角形PBRCの面積を求めます。
△CPRは1辺の長さが1の正三角形であり、△BPRは直角三角形となりこれは△APQの面積と同じです。
したがって、面積は\(\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{4}+1\)です。
同様に、四角形APCSの面積は、\(\displaystyle \frac{4\sqrt{3}}{4}+1\)と求まります。
これまでの結果より、3つの四角形の面積を足し合わせると、
\(\displaystyle (\frac{5\sqrt{3}}{4}+1)+(\frac{\sqrt{3}}{4}+1)+(\frac{4\sqrt{3}}{4}+1)=\frac{5\sqrt{3}}{2}+3\)となります。
よって、この値を\(\displaystyle \frac{1}{2}\)倍すれば△ABCの面積が求まるので、答えは\((\displaystyle \frac{5\sqrt{3}}{4}+\frac{3}{2})\)となります。
まとめ:[中学数学]マクロ的視点から考えよう!明治大付属明治高で出題された「正三角形」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、明治大付属明治高で出題された「正三角形」の問題を解説しました。
個々の要素について考えづらいときは、それらをまとめマクロ的視点から考えてみると上手くいくことがあります。
このような考え方は、数学のみならず物理の世界においても非常に重要です。
ぜひ、このような考え方にも慣れていってもらいたいと思います。
今後も引き続き過去問等の解説も行ってゆくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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