みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2019年千葉県で出題された「電圧・電流」に関する問題を解説していきます。
普段塾で理科も教えることがありますが、今回解説する配線の問題はとっつきにくく解けない生徒さんが多々います。
思考力を問う問題として他の都道府県でも出題される可能性があるので、ぜひ他県の方も取り組んでみて欲しいと思います。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
問題の解説
早速、問題の解説に入っていきます。
(1)の解説
(1)は必ずできて欲しい問題です。
図2より、抵抗器aは4[V]の電圧をかけると0.1[A]の電流が流れることが分かります。
ここでオームの法則より、
(電圧の大きさ)=(抵抗の大きさ)×(電流の大きさ)
となるので、抵抗器aの抵抗の大きさは、4[V]÷0.1[A]=40[Ω]です。
(2)の解説
(2)も必ずできて欲しい問題です。
- 直列回路では、電流はどこでも一定である
- 並列回路では、電圧はどこでも一定である
は必ず覚えましょう。
電気回路の本質を別記事で解説しておりますので、こちらもぜひご覧ください。
そうすると、図3は直列回路なので、\(I_1=I_2\)が成り立ちます。
図4は並列回路で、15[Ω]の抵抗に流れる電流と25[Ω]の抵抗に流れる電流\(I_3\)が合流したものが\(I_4\)となります。
そのため、\(I_3<I_4\)と分かります。
以上から、答えはウとなります。
(3)の解説
最後に、鬼門である(3)の解説です。
この問題はどのように考えていくとよいのでしょうか。
考えられる配線の仕方をすべて列挙する
このような問題ではまず、考えられる配線の仕方をすべて列挙してみることが大切です。
そうすると、P-R・P-S・R-S間で電流が流れるため、以下の3つの配線の仕方が考えられます。
各配線において、どの端子に電源をつなぐと電流が最小となる?
次に、各配線においてどの端子に電源をつなぐと電流が最小になるかを考えましょう。
また、問題を解くにあたっては以下のことを意識しましょう。
同じ大きさの電源を回路に接続するとき、回路全体の抵抗が大きいほど、電源に流れる電流は小さい。
これはオームの法則から明らかです。
配線①に関しては、以下の表のように整理できます。
電源を接続する端子 | P-R間 | R-S間 | P-S間 |
P-R間に電流が流れるか | 〇 | 〇 | × |
R-S間に電流が流れるか | × | 〇 | × |
P-S間に電流が流れるか | × | 〇 | 〇 |
P-R間およびP-S間に電源をつなぐと、どちらの場合も1つの抵抗にしか電流が流れないことが分かります。
R-S間に電源をつなぐと、P-R間・R-S間・P-S間すべてに電流が流れることとなり、2つの抵抗に電流が流れることとなります。
この場合2つの抵抗は直列で接続されているため、配線①ではR-S間につないだときが電流の大きさが最小となります。
配線②と配線③に関しても同様に考えると、配線②ではP-S間に、配線③ではP-R間に電源を接続すると電流の大きさが最小となります。
ここで問題文中の表より、P-R間に電源を接続したときに電流の大きさが最小となるので、配線③が正しいことがわかります。
また、P-S間・R-S間に電源を接続したときの電流の大きさを比較すれば、P-S間に流れる電流の方が小さいことが読み取れます。
よって、P-S間にはXが、R-S間にはYが接続されていることが分かります。
抵抗X・Yの大きさを求める
ここまで分かれば、(b)はすぐにできます。
図2より、3[V]の電圧をかけると0.15[A]の電流が流れるのが抵抗器cであるので、Xは抵抗器cと分かります。
また、3[V]の電圧をかけると0.3[A]の電流が流れるのが抵抗器cであるので、Yは抵抗器dと分かります。
以上より、X:ウ・Y:エが答えとなります。
まとめ:[中学理科]箱の中の配線はどうなっている?2019年千葉県「電圧・電流」に関する問題を解説!
いかがでしたか。
今回は2019年千葉県で出題された「電圧・電流」に関する問題を解説しました。
ブラックボックス内の配線を推測するときは、考えられる配線方法をすべて洗い出すことをまず行いましょう。
そしてそこから、どの端子に接続すると電流が最小になるかを考えて、配線の仕方を確定させてゆくようにしましょう。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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