みなさんこんにちは、ゆーきゃんです!
前回の記事では、規則性とどう向き合えばよいかを例題を通じて解説しました。
今回は前回の問題より少し難しい応用問題・難問に挑戦していきたいと思います。
早速、本題に入っていきましょう!
また、本記事に合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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動画解説合わせて、以下の書籍を用いて問題演習を行うとよいでしょう。
規則正しく並べた図形の周に関する問題
(問1) 次のように1辺が1cmである正方形を並べて図形をつくってゆく。このとき、\(n\)番目の図形における周の長さ(赤の太線の長さ)を求めよ。
この問題でも、例のごとく実験し、表にまとめていきましょう。
ちなみに、4番目の図形は次のようになります。
各図形の周の長さを表にまとめると以下のようになります。
番号 | 1番目 | 2番目 | 3番目 | 4番目 |
図形の周の長さ[cm] | 4 | 12 | 20 | 28 |
規則性に気が付きましたか?
番号が1増えると、図形の周の長さは8[cm]増加することが分かりますね。
また、
- 2番目の図形の周の長さ=4+8
- 3番目の図形の周の長さ=4+(8+8)
- 4番目の図形の周の長さ=4+(8+8+8)
ですから、
\(n\)番目の図形の周の長さ=\(4+8×(n-1)\)
となりますね。
よって求める答えは、
$$4+8(n-1)=8n-4$$
となります。
この問題は一見複雑そうですが、このように実験して表にまとめると簡単に規則性を見出すことができます。
碁石を並べてゆく問題
(問2) 次のように碁石を並べてゆく。このとき、\(n\)番目において碁石は何個並べることになるか。
この問題においても、実験し表にまとめていきましょう。
番号 | 1番目 | 2番目 | 3番目 | 4番目 |
碁石の個数 | 1 | 4 | 9 | 16 |
どうですか?先ほどの問題とは違って、番号が増えていっても常に同じ個数だけ碁石の数が増えていかないことが分かります。
ここから読み取れる規則性は果たして何でしょうか。
碁石の個数を数えるときに、次のように碁石を縦に囲んだブロックを用いて考えてみましょう。
このとき、
- 1番目の碁石の個数
=(縦に囲んだブロックに含まれる碁石の個数)×1
=1×1 - 2番目の碁石の個数
=(縦に囲んだブロックに含まれる碁石の個数)×2
=2×2 - 3番目の碁石の個数
=(縦に囲んだブロックに含まれる碁石の個数)×3
=3×3 - 4番目の碁石の個数
=(縦に囲んだブロックに含まれる碁石の個数)×4
=4×4
どうですか?規則性に気づきましたか。
番号を2乗すれば、必要な碁石の個数が求められるということが読み取れますね。
したがって、\(n\)番目においては碁石を \(n^2\) 個並べることなります。
このような数を四角数といい、四角数は平方数(何かを2乗した数)で表されることが知られています。
また、「規則性」の問題を解く上でのポイントとして、
という方法も覚えておくとよいでしょう。
2017年・千葉県・大問5
最後に解説するのは、2017年の千葉県の大問5です。
問題はこちらから参照できます。
難しい問題ですが、今回のまとめとして取り組んでみましょう。
(1)の解説
まずは、(1)です。
地道に正六角形を描いて、タイルが何個必要なのかを考えるのも一手ですが、
(2)につながるような解き方をここでは考えていきます。
正六角形は下の図のように6つの正三角形に分けることができますね。
そのように考えると、今回の問題では
①1辺が3cmの正三角形を作るのに、1辺1cmの正三角形のタイルが何枚必要か求める
②①で求めた値を6倍する
ことによって答えを導き出すことができます。
ちなみに、1辺が3cmの正三角形の様子は以下のようになります。
よって、1辺の長さが3cmである正三角形を作るときに、9枚のタイルが必要となりますね。
もともとの正六角形ABCDEFの分を取り除いて考えないといけないことに注意すると、
(正六角形ABCDEFは1辺1cmの正三角形の6枚のタイルから作られているとみなすことができる)
求める答えは \(6×9-6=48\)枚 となります。
(2)の解説
次に、(2)です。
この手の問題では、まずは一般化して考えてゆく(文字を使って表す)ことが大切です。
ということで、1辺が\(n\)[cm]の正六角形を作るのに必要なタイルの枚数をまず求めます。
(1)と同様に、6つの正三角形に分割して考えていきます。
以下の表に、正三角形の長さを変化させていったときに必要となる1辺1cmの正三角形のタイルの枚数をまとめてみます。
正三角形の1辺の長さ | 1 | 2 | 3 |
必要なタイルの枚数 | 1 | 4 | 9 |
実は、タイルの枚数が先ほどの碁石の個数の問題と全く同じように変化をしているのが分かりますか。
そのため、1辺が\(n\)[cm]の正三角形を作るのに必要なタイルの枚数は\(n^2\)となります。
よって、(1)と同様にもともとの正六角形ABCDEFの分を取り除いて考えると、
1辺が\(n\)[cm]の正六角形を作るのに必要なタイルの枚数は\((6n^2-6)\)と求まります。
いま、正三角形のタイルを144枚用いたので、
\(6n^2-6=144\)を解いて、\(n=5\)[cm]と求まります。
(3)①の解説
ここから、難易度が上がります。
「赤→緑→緑→青→青→青」の順でタイルに色を塗ってゆくため、
この色の並びが6個周期に並ぶことになります。
仮に12枚分のタイルを着色したとすると、この並びが\(12/6=2\)回繰り返されることになるので、
- 赤…\(1×2=2\)枚
- 緑…\(2×2=4\)枚
- 青…\(3×2=6\)枚
となります。
1辺が8cmの正六角形を作るのに必要なタイルの枚数は、(2)での議論から
\(6×8^2-6=378\)枚です。
このとき、「赤→緑→緑→青→青→青」の色の並びは
\(378/6=63\)回繰り返されることになります。
よって、緑のタイルは\(2×63=126\)枚と求まります。
(3)②の解説
ここまで来れば②も解けます。
1辺が\(n\)[cm]の正六角形を作るのに必要なタイルの枚数は\((6n^2-6)\)であり、
「赤→緑→緑→青→青→青」の色の並びの周期は6ですから、
この色の並びは
\(\frac{6n^2-6}{6}=(n^2-1)\)回繰り返されます。
\(n\)に具体的な値を代入していって、赤・緑・青どれかのタイルの枚数の上限を超えないギリギリを探していきます。
\(n=10\)のとき、\(n^2-1=99\)より、
- 赤のタイルの枚数…\(1×99=99\)枚
- 緑のタイルの枚数…\(2×99=198\)枚
- 青のタイルの枚数…\(3×99=297\)枚
\(n=11\)のとき、\(n^2-1=120\)より、
- 赤のタイルの枚数…\(1×120=120\)枚
- 緑のタイルの枚数…\(2×120=240\)枚
- 青のタイルの枚数…\(3×120=360\)枚
\(n=12\)のとき、\(n^2-1=143\)より、
- 赤のタイルの枚数…\(1×143=143\)枚
- 緑のタイルの枚数…\(2×143=286\)枚
- 青のタイルの枚数…\(3×143=429\)枚
しかし、青のタイルの枚数が400を超えてしまい、\(n=12\)は不適です。
以上から、答えは11cmと分かります。
まとめ:[中学数学]「規則性」の攻略~応用問題・難問編~
いかがでしたか。
以前よりも難易度の高い問題を今回は扱いましたが、
最後の問題まで解けるようになれば、十分に力がついてきているといえます。
規則性の問題では、周期性や平方数にも注目してみることが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。
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また、本記事に合わせて以下の記事もご覧いただけると理解が深まります。
今回もご一読いただきありがとうございました!
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