みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
私が勝手にシリーズ化している「中学生でも解ける大学入試問題シリーズ」の第2弾です。
今回は、京都大学で出題された「素数に関する整数問題」を解説していきます。
これまで解説してきたことを駆使すれば、答えを導くことができます。
数学が得意な方や好きな方はまずは自力でチャレンジしてみましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
難関校を目指す方におすすめの問題集
高校入試対策で、整数問題を攻略したい方には次の問題集がおすすめです。
高校入試の整数問題に特化した問題集はあまりありませんが、
この1冊をこなせば難関私立校に対応できる力をしっかりと養うことができます。
難関私立校を受験される方にはおすすめの1冊です。
最難関私立校を受験される方には、「最高水準問題集」もおすすめです。
全国の難関私立国立高校の入試から厳選して演習価値の高い問題が収録されており、
よく出る問題には「頻出」マークがついているなど入試で出やすい問題から対策できるなど、入試本番に向けて効率的に最高レベルの学力を養うことができます。
問題の概要
京都大学で出題された次の「整数問題」に挑戦してみましょう。
素数\(p,q\)を用いて、\((p^q+q^p)\)と表される素数をすべて求めよ。
素数の中で特別なものは?
\(p,q\)を入れ替えても同じ式になるため、以下、\(p≧q\)とします。
もし、\(q>2\)のときはどうなるでしょう。
このとき、\(p,q\)はいずれも奇数です。
そうすると、\(p^q+q^p\)は、(奇数)+(奇数)となるため、偶数となります。
そして、\(q>2\)ですから、明らかに\(p^q+q^p>2\)が分かりますね。
よって、\(q>2\)の場合、\(p^q+q^p\)は素数になることはないことが分かります。
ですので、\(q=2\)でなければなりません。
整数問題の解き方のコツとして、「範囲を絞る」というのがありました。
今回は「2が素数の中で唯一の偶数」であることを用いて、範囲を絞ることができたというわけです。
「実験」をしてみて規則性を見出す
これで\(q=2\)と決まったので、\(p^q+q^p=p^2+2^p\)となりますね。
現状だとあまり手掛かりがないので、具体的な\(p\)の値を\((p^2+2^p)\)を代入し、実験してみることにしましょう。
そうすると、以下の表が得られます。
\(p\) | \(p^2+2^p\) |
2 | 8 |
3 | 17 |
5 | 57 |
7 | 177 |
11 | 2169 |
そうすると、どうやら、
\(p>3\)のとき、\((p^2+2^p)\)は3の倍数となる
ことが予想できます。
以下、これが正しいことは示していきましょう。
ちなみに、3の倍数は「各位の数の和が3の倍数になるかどうか」で見分けられます。
それが証明できれば、\(p^q+q^p=17\)と答えが決まります。
命題の論証
ここでは以前に解説した「合同式」を用いて証明していきましょう。
以下、合同式の法は3とします。
このとき、\(5\equiv2\)ですから、\(5-3\equiv2-3\)つまり、\(2\equiv-1\)です。
いま、\(p\)が奇数となることに注意すると、\(2^p\equiv(-1)^p=-1\)です。
つまり、\(2^p\equiv-1\)がいえます。
さて、次に\(p^2\)を3で割ったときの余りを考えます。
- \(p\equiv0\)であれば、\(p^2\equiv0\)
- \(p\equiv1\)であれば、\(p^2\equiv1\)
- \(p\equiv2\)であれば、\(p^2\equiv4\equiv1\)
以上から、\((p^2+2^p)\)を3で割った余りは以下のようにまとめられます。
\(p\)を3で割った余り | \(p^2+2^p\)を3で割った余り |
0 | 0+(-1)=-1と合同、 すなわち、余りは2 |
1 | 1+(-1)=0と合同、 すなわち、余りは0 |
2 | 1+(-1)=0と合同、 すなわち、余りは0 |
したがって、先ほど立てた予想が正しいことがこの表からいえます。
そうすると、\((p^2+2^p)\)が3の倍数とならないとき、\(p\)が3の倍数になることが分かりますが、
3の倍数かつ素数であるものは3に限られるため、\(p=3\)となります。
しかし、これは\(p>3\)に矛盾します。
また、\(p>3\)より、\(p^2+2^p>17>3\)となりますから、以上より\((p^2+2^p)\)が素数になることはありません。
よって、答えは\(p^q+q^p=17\)と決まります。
まとめ:[大学入試]中学生でも解ける!京都大学「素数に関する整数問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、京都大学で出題された「素数に関する整数問題」を解説しました。
後半の\((p^2+2^p)\)が素数にならないことの論証が面倒ではあるものの、
実験を行い、解答となり得る値の予想までは中学生の皆さんでも取り組める内容となっています。
この論証まではいかずとも、実験をして傾向を見破るところまでは難関校を目指す方はできるようになっておきたいところです。
今後も過去問の解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
コメント