[高校入試]「余り」に関する整数問題の解き方を丁寧に解説!

[高校入試]「余り」に関する整数問題の解き方を丁寧に解説!中学数学

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

整数問題に関して、いくつか解説してきましたが、今回は「余り」がテーマです。

これで入試で出題される整数問題のパターンはある程度網羅できたかと思います。

それでは早速解説に入っていきます。

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

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「余り」に関する等式の概要

まず、「余り」に関して以下の等式を覚えておきましょう。

\(k,m,n,N\)を正の整数とし、\(0≦n<N\)とする。
このとき、\(N\)\(k\)で割ったときの商を\(m\), 余りを\(n\)とすると、
(割られる数)(割る数)×(商)(余り)
つまり、
$$N=km+n$$
が成立する。

例えば、\(47\)を\(7\)で割ると、\(5\)余るため、
$$47=7×6+5$$
と表されます。

「合同式」の定義

また、数学が得意な方は以下の「合同式」も覚えておくとよいでしょう。

整数\(a.b\)に関して、\(a,b\)を正の整数\(p\)で割ったときの余りが等しいとき、
\(a,b\)は\(p\)を法として合同である」といい、
$$a \equiv b \pmod p$$
と表す。
また、\(a \equiv b \pmod p, c \equiv d \pmod p\)であるとき、合同式の性質として以下が成り立つ。

  • \(a+c \equiv b+d \pmod p\)
  • \(a-c \equiv b-d \pmod p\)
  • \(ac \equiv bd \pmod p\)

例えば、\(13,7\)は3で割った余りがともに1になるため、\(13 \equiv 7 \pmod 3\)であり、

\(8,17\)は3で割った余りがともに2になるので、\(8 \equiv 17 \pmod 3\)です。

このとき、\(13×8,7×17\)を3で割った余りはともに2なので、\(13×8 \equiv 7×17 \pmod 3\)となります。

以上を踏まえて、「余り」に関する問題演習を行っていきます。

例題演習

以下の問題にチャレンジしてみましょう。

【1】と【2】は「余り」に関する典型問題です。

【3】は出題背景が分かった人にとっては、すぐにできる問題かと思います。

【1】の解説

まず、【1】の解説です。

いきなり3つの条件を考えるのは大変なので、まずは「6で割って5余り、7で割って6余る」数を考えます。

このとき、

「それぞれの割る数の最小公倍数」で割ったときの余りに注目する

とよいです。

6と7の最小公倍数は42ですから、42で割ったときの余りに注目します。

ここで、0以上42未満の整数のうち、6で割って5余る数は以下の通りです。

5,11,17,23,29,35,41

この中で、7で割って6余る数は41のみです。

このとき、以下のことを覚えておくとよいでしょう。

\(a,b,x,y\)を正の整数とする。
「\(a\)で割って\(b\)余り、\(x\)で割って\(y\)余る」整数が1つ見つかったとする。
それを\(N_0\)とすれば、\(n\)を整数として、その条件を満たす整数は以下のように表される。(\(\mathrm{lcm}(a,x)\):\(a,x\)の最小公倍数)
$$n×\mathrm{lcm}(a,x)+N_0$$

よって、2つの条件を満たす正の整数は\(k\)を0以上の整数として、\((42k+41)\)と表せます。

つぎに、\((42k+41)\)において「8で割ったら7余る」ときの\(k\)の最小値を求めます

\((42k+41)\)を無理やり8でくくると、以下のようになります。
\begin{eqnarray}
42k+41=8(5k+5)+2k+1
\end{eqnarray}

よって、\((2k+1)\)を8で割って7余るときの、\(k\)の最小値を求めればよいことが分かります。

そうすると、\(k=3\)のときにはじめてその条件を満たすことが分かります。

ですので、答えは\(42×3+41=167\)となります。

【2】の解説

この問題では、先ほどご紹介した「合同式」を用いて解いてみましょう。

以下、合同式の法は17とします。

25を17で割ると8余るため、\(5^2 \equiv 8\)です。

ここで、合同式の性質を利用し、\(8^3\)を17で割った余りは2なので、
$$(5^2)^3 \equiv 8^3 \equiv 2$$
が成り立ちます。

よって、
$$5^{555}=\{(5^2)^3\}^{92}×5^3 \equiv 2^{92}×5^3$$

また、\(256=2^8\)を\(17\)で割った余りが\(1\)となるので、\(2^8\equiv1\)です。

これらから、\(2^{92}×5^3=(2^8)^{11}×2^4×5^3\equiv 1^{11}×2^4×5^3=2000\)となり、問題の答えは\(2000\)を\(17\)で割った余りと一致します。

以上より、答えは11となります。

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【3】の解説

問1の解説

\begin{eqnarray}
96&=&18×5+6\\
18&=&6×3+0\\
\end{eqnarray}
より、\(≪96,18≫=6\)です。

\begin{eqnarray}
144&=&15×9+9\\
15&=&9×1+6\\
9&=&6×1+3\\
6&=&3×2+0
\end{eqnarray}
より、\(≪144,15≫=3\)です。

\begin{eqnarray}
791&=&182×4+63\\
182&=&63×2+56\\
63&=&56×1+7\\
56&=&7×8+0
\end{eqnarray}
より、\(≪791,182≫=7\)となります。

これら3つを計算して何か気づいたことはありませんか?

これらは実は、2数の最大公約数となっています

この問題は「ユークリッドの互除法」を背景に作問されており、それは以下のことをいいます。

\(k,m,n,N\)を正の整数とし、\(0≦n<N\)とする。
$$N=km+n$$
となるとき、以下が成立する。(\(\gcd(a,b)\):\(a,b\)の最大公約数)
$$\gcd(N,k)=\gcd(k,n)$$

この問題で行っている操作は実は、2つの整数の最大公約数を求める手続きに他ならないのです

それを踏まえ、引き続き解説を行ってゆきます。

問2の解説

\(≪42,x≫\)を未知数とみて、二次方程式\((≪42,x≫)^2-13≪42,x≫-14=0\)を解くと、
\(≪42,x≫=14,-1\)となります。

\(≪42,x≫\)は正の値になるので、\(≪42,x≫=14\)です。

よって、\(42,x\)の最大公約数が\(14\)となるような\(x\)を求めればよいので、

答えは\(x=14,28\)となります。

問3の解説

まず、\(≪(p+1)^2,p-1≫\)について考えます。

\(p=2\)のとき、\(≪(p+1)^2,p-1≫=≪9,1≫=1\)となり、
\(≪p^2+3,≪(p+1)^2,p-1≫≫≠2\)は明らかなので不適です。

\(p=3\)のとき、\(≪(p+1)^2,p-1≫=≪16,2≫=2\)となり、
\(≪p^2+3,≪(p+1)^2,p-1≫≫=≪12,2≫=2\)となって、問題の条件に合致します。

\(p=5\)のとき、\(≪(p+1)^2,p-1≫=≪36,4≫=4\)であり、
\(≪p^2+3,≪(p+1)^2,p-1≫≫=≪28,4≫=4\)となり、不適です。

さて、\(p>5\)のとき、
\begin{eqnarray}
(p+1)^2&=&p^2+2p+1\\
&=&(p+3)(p-1)+4
\end{eqnarray}
と変形できます。

よって\(p>5\)ゆえ、\(p\)は奇数であるから、\((p-1)\)が偶数となることを踏まえると、
\(≪(p+1)^2,p-1≫=≪p-1,4≫=2\)または\(4\)のいずれかになります。

\(k\)を\(0\)以上の整数として、\(p\)は奇数ですから、\(4\)で割ったときの余りに注目し、

  • \(≪(p+1)^2,p-1≫=≪p-1,4≫=4\)となるとき、\(p=4k+1\)
  • \(≪(p+1)^2,p-1≫=≪p-1,4≫=2\)となるとき、\(p=4k+3\)

となります。

\(p=4k+1\)のとき、
\begin{eqnarray}
p^2+3&=&(4k+1)^2+3\\
&=&(4k)^2+2×4k+4\\
&=&4(4k^2+2k+1)
\end{eqnarray}
より、\(≪p^2+3,≪(p+1)^2,p-1≫≫=4\)となって、
\(p=4k+1\)の形で表される素数は不適です。

\(p=4k+3\)のとき、
\begin{eqnarray}
p^2+3&=&(4k+3)^2+3\\
&=&(4k)^2+2×4k×3+12\\
&=&2(8k^2+12k+6)
\end{eqnarray}
より、\(≪p^2+3,≪(p+1)^2,p-1≫≫=2\)となって、
\(p=4k+3\)の形で表される素数は問題の条件に合致します。

\(4\)で割って\(3\)余り、\(3\)より大きい素数を列挙すると、\(7,11,19,23\)となり、
答えは\(p=3,7,11,19,23\)です。

問3では実は3つの数の最大公約数を求めており、それが2となる条件を考察させる問題でした。

3つの数の最大公約数を求める方法として、

  1. 3つの数のうちの、2つの数の最大公約数を求める
  2. 1.で求めた値と残りの数の最大公約数を求める

を覚えておくとよいでしょう。

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まとめ:[高校入試]「余り」に関する整数問題の解き方を丁寧に解説!

いかがでしたか。

今回は「余り」に関する整数問題を解説しました。

例題の1問目は典型問題なので、この問題の解き方はしっかりとマスターしましょう。

また、ユークリッドの互除法は強力な武器になるので、余力のある方はこちらも覚えておくとよいかと思います。

また、整数問題攻略に向け、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

最後までご一読いただきありがとうございました。

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