こんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、日々の学習に関する内容ではなく、雑学的なお話をしていきます。
テーマは虫刺され薬の「キンカン」です。
「キンカン塗ってまた塗って~」でお馴染みのキンカンですが、「ツーン」とする特徴的なにおいが特徴です。
あの「ツーン」としたにおいの正体は果たして何なのでしょうか。
添付文書を見てみると・・・
「キンカン」の添付文書には、それに含まれる成分が記載されています。
そこには、
「アンモニア水 21.3mL」と記載されています。
一般的に医薬品の成分表示では、含有量の多い成分から記載するというルールがあるので、
「キンカン」の主成分は「アンモニア水」ということになります。
アンモニアは刺激臭を有することで有名な気体ですから、「キンカン」の特徴的なにおいはアンモニアに由来することになります。
ここで、アンモニアの性質について少し復習しましょう。
生体内でアンモニアはどう処理されるか?
理科(生物)の復習を少ししましょう。
アンモニアは人間にとって有害な物質です。
ですから、体内で発生するアンモニアは無害な物質に変えられて、排出されていきます。
より具体的にいえば、アンモニアは肝臓で尿素に変換され、尿素が腎臓を経て尿として排出されます。
ここで、何か疑問に思うことはありませんか?
「なぜ、キンカンは人間に有毒であるアンモニアを含有しているのか?」
その疑問がパッと浮かんだ人は、理科の学習が進んでいてしっかりと知識が定着してきているなかなか鋭い人です。
虫刺され薬なのに、人間に有害なアンモニアが含まれていて矛盾しているように感じますよね。
どのような効果を期待して、「キンカン」はアンモニア水を含有しているのでしょうか。
アンモニアの気化熱を利用している
その答えを早速述べると、「アンモニアの気化熱を利用して患部を冷却する」ためにそれが含有されています。
ここで再び、理科(化学)の復習です。
気化熱とは、物質が液体から気体に変化するときに周囲から吸収する熱のことをいいます。
この気化熱が大きければ大きいほど、多くの熱が奪われ、冷却効果が高くなります。
「キンカン」を塗ると患部が冷えるような感覚を体感するのは、主にこのアンモニアの気化による吸熱効果のおかげなのです。
参考までに、各物質1kgが気化するときの気化熱[kJ/kg]の一覧を以下に示します。
物質 | 気化熱[kJ/kg] |
水 | 2,257 |
アンモニア | 1,372 |
メチルアルコール(メタノール) | 1,101 |
エチルアルコール(エタノール) | 838 |
塩化水素 | 445 |
酢酸 | 407 |
水銀 | 290 |
塩素 | 288 |
(参考:https://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/h01060.htm)
この表から、アンモニアの気化熱は他の物質と比べて大きく、冷却効果も高いことが分かります。
ですので、アンモニアの気化熱を利用し患部を冷やす効果を期待してそれが含まれているのです。
まとめ:[雑学]虫刺され薬「キンカン」の特徴的な「におい」の正体とは?
いかがでしたか。
今回は、「キンカン」に関する雑学について解説しました。
アンモニア水によって、「キンカン」の刺激的なにおいが形成されているのでした。
アンモニアの気化熱は非常に大きいので、それによって患部を冷やすことができるのです。
また今後も雑学に関する記事を随時アップしていきますので、お楽しみに。
ご一読いただきありがとうございました。
コメント