みなさんこんにちは、ゆーきゃんです!
今回は中学理科の「化学変化と物質の質量」計算問題の解き方のコツを解説を行っていきます。
中2で学習する内容ですが、化学変化と物質の質量に関する問題は高校入試でしばしば出題されます。
銅やマグネシウムの酸化といったありふれた実験だけではなく、
全く馴染みのない実験を題材とした問題も出題されることが多いです。
それらも含めて解説を行っていきますので、ぜひご一読ください!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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化学変化と物質の質量の問題で意識することは2つ!
早速、解説に入っていきます!
化学変化と物質の質量の問題で意識すべきことは2つしかありません。
これらについて、以下で詳しく述べていきます。
過不足なく反応するときの質量比を作り、定比例の法則に持ち込む
化学変化と物質の質量の問題では必ず質量比から定比例の法則に持ち込みます。
定比例の法則とは、「化学変化では反応に関わる物質の質量比は常に一定である」ということを主張しています。
いってしまえば、過不足なく反応するときの各物質の質量比さえ分かってしまえば、
ときに質量保存の法則を駆使することもありますが、問題は解けてしまうのです。
このとき、常識として、
となることは覚えておきましょう。
1問例題に取り組んでみましょう。
(問1)銅12[g]と完全に反応する酸素の質量を求めよ。
求める酸素の質量を\(x\)[g]とすると、銅と酸素は常に質量比4:1で反応するので、
\(4:1=12:x\)
\(x=3.0\)[g] と求まります。
しかし、実際の入試問題では銅とマグネシウムの酸化以外の実験を題材とした問題がよく出題されます。
この場合は、まずは質量比を作ることからスタートします。
そのような場合の対策法は後述します。
質量保存の法則を意識する
みなさんは質量保存の法則を覚えていますか。
質量保存の法則は、「化学変化の前後で物質の質量の総和は変化しない」ということを主張しています。
「なんだ、当たり前じゃん!」と感じるかもしれません。
例えば、次のような問題を考えてみましょう。
(問2)銅4.0[g]を熱し、完全に酸化する前で加熱を止めたところ、4.5[g]の混合物が得られた。このとき、酸化されずに残っている銅の質量を求めよ。
ここで厄介なのが、銅が完全に酸化されていないことにあります。
銅と酸素は4:1の質量比で反応するので、この実験で消費された酸素の質量が分かれば、
酸化された銅の質量が分かり、4.0[g]からその値を引けば問題の答えが求まります。
では、この実験で酸素は何g消費されたのでしょうか。
ここで、質量保存の法則が登場します。
何もなしに物質の質量の合計が4.0[g]から4.5[g]に増加することはあり得ません。
化学反応の前後では質量は保存されなければならないので、
銅と結びついた酸素は 4.5 – 4.0 = 0.50[g] となりますね。
0.50[g]の酸素と結びついた銅の質量を\(x\)[g]とすれば
\(x:0.50=4:1\)
\(x=2.0\)[g]
よって、求める答えは 4.0 – 2.0 = 2.0[g] となりますね。
質量保存の法則は当たり前の話かもしれませんが、
問題の設定が複雑になってゆくと大きな威力を発揮します。
ですから、化学変化と物質の質量の問題では質量保存の法則も意識することが大切です。
銅・マグネシウムの酸化以外の対処法
銅とマグネシウムの酸化に関しては質量比が分かっているので、取り組みやすいです。
それら以外に関してはまず質量比を作る必要があります。
この場合の対処法を、以下の例題を通じて考えていきましょう。
高校入試でちょこちょこ出題される二酸化炭素の発生に関する実験を題材とした問題です。
(2)以降の解説に入る前に、先にサクッと(1)を解説します。
炭酸水素ナトリウムと塩酸が反応すると、
塩化ナトリウムと水・二酸化炭素ができますので、
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
となります。
公立高校の入試ではこの化学反応式を直接問うことは少ないかもしれません。。。
(難関私立とかでは平気で聞いてきます。。。)
グラフの折れ曲がる点から過不足なく反応するときの質量比を作る!
(2)の解説に入っていきます。
ここで、先ほどレクチャーした質量保存の法則を思い出しましょう。
化学変化の前後では質量は保存されなければなりません。
そう考えると、反応前と反応後の質量の差は何を表しているのでしょうか?
答えは、発生した二酸化炭素です!
反応後は二酸化炭素が発生し空気中へ逃げていって、質量が軽くなっているのです。
そう考えると、炭酸水素ナトリウムと発生した二酸化炭素の質量の関係は次の表のようになりますね。
炭酸水素ナトリウムの質量[g] | 0.84 | 1.26 | 2.52 | 3.36 | 4.2 | 5.04 |
発生した二酸化炭素の質量[g] | 0.44 | 0.66 | 1.32 | 1.76 | 2.2 | 2.2 |
これら2つの関係をグラフに表すと以下のようになります。
さて、このグラフから何が読み取れるでしょうか。
- 炭酸水素ナトリウムを4.2[g]加えるまでは、その質量に二酸化炭素の質量が比例
→ 定比例の法則から、炭酸水素ナトリウムは完全に反応(塩酸の量が過剰) - 炭酸水素ナトリウムの質量が4.2[g]を超えると、二酸化炭素の質量が一定
→ 炭酸水素ナトリウムが過剰となる(塩酸は完全に反応)
では、炭酸水素ナトリウムと用意した塩酸がちょうど過不足なく反応するのはいつでしょうか。
これまでの議論から、このグラフがちょうど折れ曲がる点すなわち、炭酸水素ナトリウムを4.2[g]加えたときとなります。
このとき、二酸化炭素は2.2[g]発生しています。
仮に、今回の実験で用いた塩酸50[mL]に含まれるHClの質量を\(M\)[g]とすると、過不足なく反応するときの質量比は、
NaHCO3 : HCl : CO2 = 4.2 : \(M\) : 2.2
となります。
HClの質量をあえて文字で置きましたが、そうするメリットは後の問題を解いてゆくと分かります。
折れ曲がる点での反応させた物質の質量が分かりづらい場合はどうしたらいい?
今回の問題では、グラフの折れ曲がる点が分かりやすいようになっていました。
しかし、中には折れ曲がる点における反応させた物質(今回の問題では、炭酸水素ナトリウム)の質量が分かりづらいこともあります。
そのようなときはどうしたらよいのでしょうか。
というステップを踏むとよいです。
今回の問題では、炭酸水素ナトリウムを過剰に加えると、二酸化炭素が2.2[g]で一定になります。
また、折れ曲がる点より左側では炭酸水素ナトリウムは完全に反応しているので、
NaHCO3 : CO2 = 0.84 : 0.44
という質量比が得られます。
(炭酸水素ナトリウムが1.26[g], 2.52[g], 3,36[g]のときから質量比を作っても問題ありません)
よって、二酸化炭素が2.2[g]発生するときの炭酸水素ナトリウムの質量を\(m\)[g]とすると、
\(0.84:0.44=m:2.2\)
\(m=4.2\)[g] と求まります。
このやり方も一緒に覚えておくとよいでしょう。
文字で質量を置くことの意味
ここまで来れば(3)は簡単です。
これまでの説明から、完全に反応していないのは炭酸水素ナトリウムと分かります。
よって、反応していない炭酸水素ナトリウムの質量は 5.04 – 4.2 = 0.84[g] となります。
0.84[g]の炭酸水素ナトリウムの質量と完全に反応する塩酸の質量を\(x\)[g]とすると、
\(4.2:M=0.84:x\)
\(x=\frac{M}{5}\)[g] となります。
いま塩酸の濃度は一定なので、求める塩酸の体積を\(V\)[mL]とすれば、
\(M:50=\frac{M}{5}:V\)
\(V=10\)[mL] となります。
最後に、(4)です。
濃度を2倍にするということは、塩酸50[mL]中に含まれるHClの質量が\(2M\)になるということなので、
過不足なく反応する炭酸水素ナトリウムの質量は 2 × 4.2 = 8.4[g]で、
発生する二酸化炭素の質量は 2 × 2.2 = 4.4[g]となります。
このように質量比を作るときに、塩酸の質量を文字で置くと、
比例式を作りやすくなり、明示的に問題を解くことができます。
まとめ:[中学理科]これで解ける!「化学変化と物質の質量」計算問題の解き方のコツを解説
いかがでしたか。今回の記事では、
ことがポイントでした。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
ご一読いただきありがとうございました!
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