[高校入試]解が存在しない条件とは?「連立方程式」の難問の解き方を解説!

[高校入試]解が存在しない条件とは?「連立方程式」の難問の解き方を解説!中学数学

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

今回のテーマは、「連立方程式」の難問です。

文章題も厄介ですが、難関校ではパッと見でとけない連立方程式を解く問題や解の存在条件などの難問が出題されます。

とはいえ、一定のパターンがあるのも確かなので、それらについて今回は解説していきます。

難関校を目指す方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

スポンサーリンク
どんな問題でも「解法がひらめく」思考法を解説!

問題演習をいくらこなしても未知の問題が解けるようにならないとお困りではありませんか。
未知の問題に立ち向かうには、思考の「型」を身に付ける必要があります。
思考の「型」を解説した書籍をAmazonで販売中。
Kindle Unlimitedなら、追加料金なしで閲覧可能。

公立からMARCH付属校まで通ずる「裏ワザ」を解説中!

「MARCH付属校をはじめとした人気難関私立校を志望しているが、対策が立てづらい・・・」
「解説を読んで『理解』できても、自力で『解けない』・・・」
などでお悩みではありませんか。
公立からMARCH付属校対策までをすべてを網羅する「裏ワザ」を解説中!

難関校を目指す方におすすめの問題集

難関校を目指す方に、おすすめの書籍を紹介します。

まずご紹介するのは、「ハイクラス徹底問題集」です。

定期試験レベルから無理なく徐々にステップアップでき、公立高校入試レベルそして最難関私立高入試へと最終的に到達できるので、

日ごろの学習を通して入試で求められる力を養うことができます。

最難関私立校を受験される方には、「最高水準問題集」もおすすめです。

全国の難関私立国立高校の入試から厳選して演習価値の高い問題が収録されており、

よく出る問題には「頻出」マークがついているなど入試で出やすい問題から対策できるなど、入試本番に向けて効率的に最高レベルの学力を養うことができます。

こちらの問題を考えてみよう

まず、こちらの問題を考えてみましょう。

日本を代表する難関校で実際に出題された問題を集めてみました。

これらが解ければ、連立方程式は怖いものなしかと思います。

【1】の解説

問1の解説

問1は慶應義塾高で出題された問題です。

連立方程式を解くときは、「掛け算して文字の係数を合わせて加減法に持ち込む」のが一般的でした。

しかし、この問題でそれをしようとすると計算が多く、骨が折れますね。

そこで、連立方程式の性質として以下の性質を覚えておきましょう。

もとの2つの式を足した式」および「もとの2つの式を引いた式」を連立させても解ける

今回はその方針で解いていきましょう。

問題の、上の式と下の式を足すと、\(100x+100y=3…①\)を得ます。

また、上の式から下の式を引くと、\(2x-2y=-1…②\)を得ます。

②の両辺を50倍して、\(100x-100y=-50…③\)を得ます。

①と③を足し合わせると、\(200x=-47\)となり、\(x=-\frac{47}{200}\)と求まります。

①から③を引くと、\(200y=53\)となり、\(y=\frac{53}{200}\)となります。

以上より、この連立方程式の解は以下のようになります。
$$(x,y)=(-\frac{47}{200},\frac{53}{200})$$

問2の解説

次に問2です。

分数式が入っていて解きにくそうですが、以下の解法ルールに基づけばいつもと同じように解けます。

分数式を含んだ連立方程式では、「分数式を丸ごと1つの文字に置き換えて」から解く

そうすると、今回の問題では、
$$X=\frac{1}{x-1},Y=\frac{1}{x+2y}$$
と置き換えれば、もとの連立方程式は以下のいつもと同じ連立方程式に変形できます。
\begin{gather}
\begin{cases}
X+3Y=5 \\
4X-2Y=-1
\end{cases}
\end{gather}
これを解くと、\((X,Y)=(\frac{1}{2},\frac{3}{2})\)となります。

そして、
$$X=\frac{1}{x-1}=\frac{1}{2}, Y=\frac{1}{x+2y}=\frac{3}{2}$$
を順に解くと以下のようになります。
$$(x,y)=(3,-\frac{7}{6})$$

問3の解説

続いて、問3の解説です。

二次方程式の裏ワザに関する記事で、二次方程式の「解と係数の関係」についてご紹介しました。

問3および問4はこれを用いて解いていきます。

  • 文字を入れ替えても全く同じ式になるとき、その式を「対称式」という
  • 「\(x,y\)に関する対称式」では、\((x+y),xy\)のみを含んだ式に変形できる
  • 「解と係数の関係」を利用すれば、
    \begin{gather}
    \begin{cases}
    x+y=p \\
    xy=q
    \end{cases}
    \end{gather}
    となるとき、\(t\)に関する二次方程式\(t^2-pt+q=0\)の解が\(x,y\)となる

問題の、上の式の両辺に\(xy\)をかけると、\(x+y=-5xy\)となります。

この式に\(xy=4\)を代入し、\(x+y=-20\)を得ます。

よって、
\begin{gather}
\begin{cases}
x+y=-20 \\
xy=4
\end{cases}
\end{gather}
ですから、\(t\)に関する二次方程式\(t^2+20t+4=0\)を解けば\(x,y\)の値が求まります。

二次方程式の裏ワザでご紹介した「解の公式の裏ワザ」を用いると、\(x>y\)に注意して、

\((x,y)=(-10+4\sqrt{6},-10-4\sqrt{6})\)となります。

問4の解説

上の式・下の式の左辺はともに\(x,y\)を入れ替えても全く同じになるので、これらは「対称式」となります。

まず、上の式を、\((x+y),xy\)のみを含んだ式に変形していきます。
\begin{eqnarray}
x^2+y^2-xy&=&(x^2+2xy+y^2)-3xy\\
&=&(x+y)^2-3xy
\end{eqnarray}
となり、ここで、\(x+y=p,xy=q\)とおけば、
\begin{gather}
\begin{cases}
p^2-3q=6 …①\\
p+q=-2 …②
\end{cases}
\end{gather}
と変形できます。

②より\(q=-p-2\)ですから、これを①に代入し整理して、\(p^2+3p=0\)を得ます。

よって、\((p,q)=(0,-2),(-3,1)\)となります。

問3と同様にして、2つの二次方程式\(t^2-2=0,t^2+3t+1=0\)をそれぞれ解いて得られる解が\(x,y\)となります

\(t^2-2=0\)を解くと、\(t=\pm{\sqrt{2}}\)となり、

\(t^2+3t+1=0\)を解くと、\(t=\frac{-3\pm{\sqrt{5}}}{2}\)となるので、
$$(x,y)=(\sqrt{2},-\sqrt{2}),(-\sqrt{2},\sqrt{2}),(\frac{-3+\sqrt{5}}{2},\frac{-3-\sqrt{5}}{2}),(\frac{-3-\sqrt{5}}{2},\frac{-3+\sqrt{5}}{2})$$
と解が求まります。

スポンサーリンク

【2】の解説

問1の解説

まず、問1です。

連立方程式の解がないとき、以下が成立します。

連立方程式
\begin{cases}
y=ax+b \\
y=mx+n
\end{cases}
において、「解が存在しない」とき、\(a=m\)かつ\(b≠n\)が成立する

このような場合では、「2つの一次関数のグラフが平行」になるため、\(a=m\)が成り立つということです。

よって、この問題の答えは\(a=b\)となります。

問2の解説

続いて、問2の解説です。

この問題では、条件Ⅰ~Ⅲを順に式にして考えていきます

まず、条件Ⅰを式にしてみます。

\(B≠0\)として、(ア)と(ウ)は以下のように変形できます。

\begin{cases}
y=-\frac{A}{B}x-\frac{12}{B}…① \\
y=\frac{3}{4}x-\frac{C}{8}…②
\end{cases}

この連立方程式は解を持たないので、以下が成り立ちます。

\begin{cases}
-\frac{A}{B}x=\frac{3}{4}つまり-4A=3B…③ \\
-\frac{12}{B}≠-\frac{C}{8}つまりBC≠96…④
\end{cases}

次に、条件Ⅱです。

(ア)と(エ)を連立させて解くと\((x,y)=(8,9)\)ゆえ、この解を(ア)と(エ)に代入して、

\begin{cases}
8A+9B=-12…⑤ \\
8D-54=E…⑥
\end{cases}

を得ます。

ここで、③と⑤を連立させて解くと、\((A,B)=(3,-4)\)が得られます。((1)の答え)

最後に、条件Ⅲです。

これを踏まえ、以下の(ア)と(イ)による連立方程式を解くと、\((x,y)=(-4,0)\)となります。\begin{cases}
3x-4y=-12 \\
-4x-3y=16
\end{cases}

よって、(ウ)と(エ)による連立方程式の解は\((x,y)=(-4+6,0+2)=(2,2)\)ですから、

これを(ウ)に代入して、\(C=12-16=-4\)を得ます。

なお、\(BC=16\)となり、④を満足します。

また、\((x,y)=(2,2)\)を(エ)に代入して、\(2D-12=E\)…⑦を得ます。

⑥と⑦を連立させて解くと、\(D=7,E=2\)となります。

【3】の解説

続いて、【3】の解説です。

3つの文字を含んだ連立方程式ですから、式を足し引きして1つの文字(\(z\))を消去する方針で考えます。

\begin{cases}
x+y-z=1…① \\
(a+2)x-y+z=0…②\\
x+(a-1)y-z=1…③
\end{cases}
において、

①+②より、\((a+3)x=1…④\)を、

③ー①より、\((a-2)y=0…⑤\)を得ます。

\(a-2≠0\)つまり\(a≠2\)のときの考察

⑤に注目し、\(a-2≠0\)つまり\(a≠2\)のときをまず考えます。

このとき、\(y=0\)となります。

ここで④に注目し、\(a=-3\)となるとき、④の左辺が0になり、もとの連立方程式の解が存在しないことになります。

一方、\(a≠-3\)のとき、もとの連立方程式の解は以下のようになります。
$$(x,y,z)=(\frac{1}{a+3},0,\frac{1}{a+3}-1)$$

\(a-2=0\)つまり\(a=2\)のときの考察

次に、\(a=2\)のときを考えます。

このとき、\(y\)にどんな値を入れても⑤が成り立ちます

よって、\(y=t\)として(\(t\)は任意の実数)、もとの連立方程式の解は以下のようになります。
$$(x,y,z)=(\frac{1}{5},t,t-\frac{4}{5})$$

この無数の解には明らかに\(xyz≠0\)となるものが含まれることが分かります。

よって、[ 1 ]には-3が、[ 2 ]には2が入ります。

まとめ:[高校入試]解が存在しない条件とは?「連立方程式」の難問の解き方を解説!

いかがでしたか。

今回は、「連立方程式」の難問へのアプローチの仕方を解説しました。

今回扱った問題が全て解けるようになれれば、この手の難問は怖くありません。

できなかった問題は繰り返し解いて、解き方を定着させましょう。

難関校を目指す方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

最後までご一読いただきありがとうございました。

スポンサーリンク
どんな問題でも「解法がひらめく」思考法を解説!

問題演習をいくらこなしても未知の問題が解けるようにならないとお困りではありませんか。
未知の問題に立ち向かうには、思考の「型」を身に付ける必要があります。
思考の「型」を解説した書籍をAmazonで販売中。
Kindle Unlimitedなら、追加料金なしで閲覧可能。

公立からMARCH付属校まで通ずる「裏ワザ」を解説中!

「MARCH付属校をはじめとした人気難関私立校を志望しているが、対策が立てづらい・・・」
「解説を読んで『理解』できても、自力で『解けない』・・・」
などでお悩みではありませんか。
公立からMARCH付属校対策まですべてを網羅する「裏ワザ」を解説中!

スポンサーリンク
中学数学数と式
Yutaをフォローする
BREAKTHROUGH

コメント

タイトルとURLをコピーしました