みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
前回の記事では確率の問題に対する基本的な向き合い方を解説しました。
今回は難関私立校を目指す方、数学が得意な方向けの確率の問題の裏ワザ的な解き方を解説します。
高校の内容をかじりますが、知っておくと試験本番では大きな威力を発揮します。
では早速本題に入りましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
難関校を目指す方におすすめの問題集
難関校を目指す方に、おすすめの書籍を紹介します。
まずご紹介するのは、「ハイクラス徹底問題集」です。
定期試験レベルから無理なく徐々にステップアップでき、公立高校入試レベルそして最難関私立高入試へと最終的に到達できるので、
日ごろの学習を通して入試で求められる力を養うことができます。
最難関私立校を受験される方には、「最高水準問題集」もおすすめです。
全国の難関私立国立高校の入試から厳選して演習価値の高い問題が収録されており、
よく出る問題には「頻出」マークがついているなど入試で出やすい問題から対策できるなど、入試本番に向けて効率的に最高レベルの学力を養うことができます。
「積の法則」とは?
まずご紹介するのは、「積の法則」です。
例えば、1~5までの数字を用いて3ケタの正の整数を作るとき、何通りの数を作れるかを考えてみましょう。
百の位には、1~5の5通りが考えられますね。
次に、十の位を考えてみます。
百の位にどのような数を入れても、各場合に対し、十の位には4通りの入れ方がありますね。
最後に、一の位を考えてみます。
百の位・十の位にどのような数が入っていても、各場合に対し、一の位には3通りの入れ方があります。
以上より、求める場合の数は\(5×4×3=60\)通りと求まります。
このように、積の法則を用いれば計算によってすぐに場合の数を計算できます。
「順列」とは?
次に、「順列」をご紹介します。
異なる\(n\)個の中から、\(r\)個を選び、1列に並べる順列の総数は以下のようになります。
このとき、\(n\)をスタートとして、連続する\(r\)個の整数を掛け算するのがポイントです。
例えば、前回の記事で扱ったくじの問題を考えてみましょう。
あたりが1本・はずれが3本入っている箱から引いたくじを戻さずに3人が順に取り出す方法は
「異なるくじ4本から3つ選んで1列に並べる順列の総数」になるため、
\({}_4 P_3=4×3×2=24\)通りと求まります。
「組み合わせ」とは?
次に、「組み合わせ」をご紹介します。
異なる\(n\)個の中から、\(r\)個を選ぶ組み合わせの総数は以下のようになります。
\({}_n C_r\)は、\({}_n P_r\)を1から\(r\)までの連続する数の積で割ったものと一致します。
また、有名な性質として、
\({}_n C_r={}_n C_{n-r}\)となることも覚えておくとよいでしょう。
例えば、10人の中から2人の学級委員を選ぶとき何通りあるか考えてみましょう。
そうすると、\({}_{10} C_2=\displaystyle \frac{10×9}{2×1}=45\)通りと求まります。
「少なくとも~」の確率はどう考える?
最後に、「余事象」をご紹介します。
なかには「少なくとも1回は~の確率」を求めなさいというものがあるかもしれません。
そのようなときは、
と考えます。
つまり、問題で注目している事象以外の事象が起こる確率を考え、
確率の合計は1ですから、1からその事象が起こる確率を引けば問題で問われている確率が求められるということです。
そのような事象を「余事象」といいます。
例えば、コインを3回振って少なくとも1回は表が出る確率について考えましょう。
この問題での余事象は、「3回ともすべて裏」ということになります。
コインの出方が同様に確からしいとすると、3回連続で裏になる確率は
$$\frac{1}{2}×\frac{1}{2}×\frac{1}{2}=\frac{1}{8}$$
となるので、求める確率は、\(\displaystyle 1-\frac{1}{8}=\frac{7}{8}\)となります。
「余事象」も非常に便利なので、是非知っておきましょう。
問題演習
これまでの振り返りとして、問題演習を行いましょう。
(問1)A~Fの6人が一列に整列するとき、
(1)6人の並び方の総数を求めよ。
(2)AとBが隣り合う並び方の総数を求めよ。
(問2)A~Iの9人を4人・3人・2人の組に分けるとき、組み分けの仕方の総数を求めよ。
(問3)さいころを3回ふるとき、出た目の積が5の倍数になる確率を求めよ。
解説は以下の通りです。
(問1)の解説
(1)は、順列の公式をそのまま用いて、\({}_6 P_6=6×5×4×3×2×1=720\)通りです。
(2)はよくある問題です。
AとBで1人と考えて、5人の並び方は、\({}_5 P_5=5×4×3×2×1=120\)通りです。
また、AがBの右隣にくるパターン・AがBの左隣にくるパターンは区別して考えます。
5人の並び方の各場合に対して、AとBの並び方は上記の2通りが考えられるため、
積の法則から、\(120×2=240\)通りと答えが求まります。
(問2)の解説
続いて、問2の解説です。
まず9人から4人を選ぶ組み合わせの総数を求めると、
\({}_9 C_4=\displaystyle \frac{9×8×7×6}{4×3×2×1}=126\)通りとなります。
次に残りの5人から3人を選ぶ組み合わせの総数を求めると、
\({}_5 C_3=\displaystyle \frac{5×4×3}{3×2×1}=10\)通りです。
最後の残りの3人から3人を選ぶ組み合わせの総数は、\({}_3 C_3=1\)通りです。
よって、積の法則を用いて、\(126×10×1=1260\)通りと答えが求まります。
(問3)の解説
さいころの目の出方は、積の法則より、\(6×6×6=216\)通りとなりますね。
さて、出た目の積が5の倍数となるときの出方を1つ1つ調べるのは正直しんどそうです。
出た目の積が5の倍数となるとき、「3回のうち少なくとも1回は5が出る」ということです。
そうすると、「余事象」である「3回ともすべて5が出ない」事象が起こる確率を調べ、1からそれを引けば答えが求まりますね。
「3回ともすべて5が出ない」とき、各回では1,2,3,4,6のいずれかが出ればよいので、
結局のところ、\(5×5×5=125\)通りになります。
以上より、答えは、\(\displaystyle 1-\frac{125}{216}=\frac{91}{216}\)と求まります。
まとめ:[中学数学]これで一撃!「確率」の裏ワザ教えます!
いかがでしたか。
積の法則・順列・組み合わせ・余事象は難関私立校の問題ではよく出てきます。
公立高校の入試問題や学校の定期テストでもこれらの計算方法を知っていれば時短になります。
これらの計算方法でも上手くいきそうにない場合は、愚直に樹形図等を用いるとよいでしょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
ご一読いただきありがとうございました。
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