みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2022年度埼玉県選択問題で出題された「確率」を解説していきます。
公立高校の問題で「確率」が独立した大問として出題されることは少ないですが、
2022年度の埼玉県では独立した大問として出題しています。
しかし、関数や図形に関する知識が必要となる分野横断型の問題となっており、
中学数学についての総合的理解が問われています。
非常に良い問題だと思いますので、ぜひ挑戦してみてください!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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問題の概要
今回は、埼玉県で出題された大問5を解説します。
問題はこちらから参照できます。
(1)の解説
まず、(1)についてです。
Pが成り得る36個の1つ1つの点について、∠APBが90°になるかどうかを確認するのは非常に面倒ですね。
ここで、図形の知識が使えないかを考えてみましょう。
角度に関する知識として、「円周角の定理」が利用できないでしょうか。
直径に対する円周角は90°である
ことを用いれば、ABを直径とする円を描き、その円上にある点がその条件を満たすことになりますね。
その円上の点のうち、格子点(\(x,y\)座標がいずれも整数である点)はA,Bを除いて6個です。
2つのさいころを振るとき、全事象は\(6×6=36\)通りですので、
求める確率は、\(\displaystyle \frac{6}{36}=\frac{1}{6}\)となります。
(2)の解説
続いて、(2)です。
点Pが直線AB上にあるとき、三角形は成立しません。
そこで、「一次関数の裏ワザ」を用いれば、直線ABの式は\(y=\displaystyle \frac{5-1}{4-2}(x-2)+1=2x-3\)となります。
これがアの答えとなります。
そのため、直線AB上のA, B, (3,3)の3つの点を除外して考える必要があります。
ですので、2つのさいころの目の出方が36通りであるから、イには\(36-3=33\)が入ります。
(3)の解説
解答方針および解答
最後に、(3)です。
33個の点1つ1つに対して、△APBの面積を計算するのは非常に大変です。
そこで、ここでも図形の知識が利用できないか考えてみましょう。
このとき、「関数のグラフと図形の融合問題」の「面積」に関する問題の鉄則として、
- 図形を\(x\)軸または\(y\)軸に平行な直線で分けて面積を求める
- 「等積変形」を利用する
があります。
そうすると、この問題では、
- 直線\(y=1\)および\(y=5\)上に、△APBが4cm2となるような点をとる。
- 1.でとった各点に関して、直線ABに平行でその点を通る直線をひき、
それら直線上およびそれらの直線の外側にある格子点を求める。
というプロセスを経るとよいです。
1.において、その条件を満たす点を打つと以下のようになります。
続いて、2.において、1.以外の点で題意を満たす点を打つと以下のようになります。
よって、題意を満たす点が15個あることが分かります。
以上より、求める確率は(2)の結果を踏まえて、\(\displaystyle \frac{15}{33}=\frac{5}{11}\)となります。
解答方針の補足
先ほどの解答方針の2.がどのような仕組みになっているのかを補足します。
例えば、2.によって見つかった点(6,3)(緑色の点)を考えてみます。
(6,3)を通り、直線ABに平行な直線と\(y=1\)との交点を青丸で示します。
そうすると、「等積変形」により、
(A・B・緑色の点からなる三角形の面積)=(A・B・青色の点からなる三角形の面積)
となります。
後者の面積を求めると、面積は4cm2を超えることとなります。
2.で求めた各点に対して同様の操作を行うと、いずれも題意を満たす点であることが分かります。
まとめ:[中学数学]分野横断型の良問!2022年度埼玉県選択問題「確率」を解説!
いかがでしたか。
今回は、2022年度埼玉県選択問題で出題された「確率」を解説しました。
「確率」・「関数」・「図形」の3分野の知識を総合して思考する力の問われる良い問題でした。
数学では愚直に取り組もうとすると果てしなく時間がかかる場合があります。
そのようなときは発想は転換し、他分野の知識が利用できないかを考えてみることが大切です。
引き続き、過去問等の解説を行ってゆくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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