みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は2023年度青山学院高等部入試問題「平面図形」を解説していきます。
2023年度の青山学院高等部は今回解説する大問以外は解きやすいものが多かったと思います。
しかし、今回解説する「平面図形」の問題は瞬時に解法が浮かぶようなものではなく、
試行錯誤しながら解いてゆくことが求められておりました。
本番ではここをある程度解いたら、他の大問に時間を割いて取り組むのが得策だったといえるでしょう。
今後青山学院高等部を受験する予定のある方はぜひ参考にしてみてください。
また本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
「平面図形」攻略におすすめの書籍
「平面図形」攻略におすすめの書籍をご紹介します。
「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめの一冊です。
問題の概要
今回解説する問題は以下の通りです。
ABを直径とする半径6cmの円O上に、OB=BCとなるような点Cを1つとり、直線COと円Oの交点をDとする。
線分ACの中点をEとして、直線DEと線分AB、円Oとの交点をそれぞれF、Gとする。
(1)∠BACの大きさを求めよ。
(2)線分DEの長さを求めよ。
(3)線分DFの長さを求めよ。
(4)線分BGの長さを求めよ。
(1)の解説
ABは円Oの直径ですから、AB=12cmです。
そのため、BC:AB=6:12=1:2です。
また、半円に対する円周角は90°なので、∠ACB=90°です。
以上より、△ABCは\(1:2:\sqrt{3}\)となる特別な比を持つ直角三角形となるので、∠BAC=30°となります。
(2)の解説
(1)の結果より、AE=EC=\(3\sqrt{3}\)cmであることが分かります。
△CDAに関して、弧ACに対する円周角なので、∠ABC=∠CDA=60°です。
円の直径よりAB=CDであるから、直角三角形の斜辺と他の1鋭角がそれぞれ等しいので、
△ABC≡△CDAです。
よって、DA=BC=6cmとなります。
以上より、三平方の定理を用いると、DE\(=\sqrt{AE^2+DA^2}=3\sqrt{7}\)cmと求まります。
(3)の解説
(3)は緑色の示す部分で「メネラウスの定理」を用いれば瞬殺できます。
点Aからスタートすれば、
\begin{gather}
\frac{AC}{AE}×\frac{OD}{CO}×\frac{FE}{DF}=1\\
\frac{2}{1}×\frac{1}{1}×\frac{FE}{DF}=1\\
\frac{FE}{DF}=\frac{1}{2}
\end{gather}
となるので、DF=\(3\sqrt{7}×\displaystyle \frac{2}{2+1}=2\sqrt{7}\)cmです。
また、AF:FOも同様にして求めると、
\begin{gather}
\frac{DC}{DO}×\frac{EA}{CE}×\frac{FO}{AF}=1\\
\frac{2}{1}×\frac{1}{1}×\frac{FO}{AF}=1\\
\frac{FO}{AF}=\frac{1}{2}
\end{gather}
となります(この結果は(3)で利用します)。
(4)の解説
60°・30°に注目する
とりあえず、まずは現時点で分かる情報をまとめてみましょう。
△OBCにおいて3辺はすべて等しいので、これは正三角形となります。
ですので、∠BCO=60°です。
弧BDに対する円周角なので、∠BGD=∠BCO=60°となることが分かります。
また、△ABC≡△CDAより、∠BAC=∠DCA=30°です。
弧ADに対する円周角なので、∠AGD=∠DCA=30°となります。
さてここからどうするかということですが、
60°・30°があるので、垂線を引いて特別な辺の比を持つ直角三角形を作り出すことを想起しましょう。
AからDGに引いた垂線の足をH、BからDGに引いた垂線の足をIとします。
三角形の相似に注目する
そうすると、△AFH∽△BFIとなります。
AF:FO:AO=2:1:(2+1)=2:1:3ですから、AH:BI=AF:BF=2:(1+3)=1:2です。
したがって、AH=2BI…①が成り立ちます。
△BGIに注目して、BG:BI\(=2:\sqrt{3}\)ですから、BG=\(\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}BI\)となります。
①および△AGHに注目して、AH:AG=1:2となるので、AG=2AH=4BIが成り立ちます。
そして三平方の定理より、\(AG^2+BG^2=12^2\)が成り立ちます。
以上より、BI\(=\displaystyle \frac{6\sqrt{3}}{\sqrt{13}}\)cmと求まります。
よって、BG=\(\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}BI=\frac{12\sqrt{13}}{13}\)cmとなります。
まとめ:[中学数学]補助線を引けるかがポイント!2023年度青山学院高等部入試問題「平面図形」を解説!
いかがでしたか。
今回は、2023年度青山学院高等部入試問題「平面図形」を解説しました。
最後の小問以外はこれまで解説してきた解法の定石を用いれば、比較的取り組みやすい問題であったかと思います。
最後の小問のように解法の手立てが思い浮かばないときは、垂線を引くなどして見通しをよくすることも大切です。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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