みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は市川高校で出題された「連立方程式の応用問題」を解説していきます。
連立方程式自体は立てられるものの、一見すると「解きにくい」連立方程式ができあがりそこから頓挫してしまう問題となっています。
一見すると「解きにくい」連立方程式の問題は難関校でたびたび出題されるテーマでもあります。
今回解説する問題を通じてそれへの対処の仕方を学んでいきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
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問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
問題の解説
早速、解説に入っていきましょう。
(1)の解説
情報を表に整理し、連立方程式を立てる
問題文を眺めているだけだと状況が分かりにくいので、表に情報を整理してみます。
そうすると、あめとガムの1個あたりの値段について以下のようにまとめられます。
このときのポイントとして、現在のあめの1個あたりの値段を\(x\)としているので、これを軸に表の各マスに情報を埋めていくとよいでしょう。
あめ | ガム | |
現在 | \(x\) | \(1.5x=\displaystyle \frac{3}{2}x\) |
中学1年生のとき | \(\displaystyle \frac{x}{1.2}=\frac{5}{6}x\) | \(\displaystyle \frac{1.5x}{1.5}=x\) |
これをもとに連立方程式を立てていきます。
中学1年生のときは、あめ\(a\)個(値段は\(\displaystyle \frac{5}{6}ax\)円)・ガム\(x\)個(値段は\(bx\)円)を買うと500円になるので、
\(\displaystyle \frac{5}{6}ax+bx=500\)…①が成り立ちます。
次に現在の状況に注目して連立方程式を立てます。
あめ\((a-1)\)個・ガム\((b-4)\)個を買うと、代金は500-20=480円となることから、
\(\displaystyle (a-1)x+(b-4)×\frac{3}{2}x=480\)…②が成り立ちます。
500円で支払うと20円余るので、このときの合計代金は500円から20円を引くことに注意です。
また、あめ\((a-3)\)個・ガム\((b-2)\)個を買うと、代金は500+10=510円となることから、
\(\displaystyle (a-3)x+(b-2)×\frac{3}{2}x=510\)…③が成り立ちます。
500円で支払おうとすると10円足らなくなるので、このときの合計代金は500円に10円を足すことに注意です。
つまり、連立方程式として、
\begin{gather}
\begin{cases}
\dfrac{5}{6}ax+bx=500…① \\
(a-1)x+(b-4)×\dfrac{3}{2}x=480…② \\
(a-3)x+(b-2)×\dfrac{3}{2}x=510…③
\end{cases}
\end{gather}
が成り立つということです。
このままだと考えづらいので、整理すると、
\begin{gather}
\begin{cases}
5ax+6bx=3000…①’ \\
x(2a+3b)-14x=960…②’ \\
x(2a+3b)-12x=1020…③’
\end{cases}
\end{gather}
が得られます。
この状態から\(x\)を求めるにはどうしたらよいでしょうか。
式を加減することによって\(x\)が求められないか考える
この連立方程式が複雑で「解けない」ように感じるのは、未知数同士が掛け算されている項が存在するからです。
そこで、
未知数同士が掛け算されている項を、式を加減することによって消去する
ことによって考えやすくなりますよね。
ここで、②’および③’に注目すると、②’から③’を引けば\((2a+3b)x\)を消去できることに気づきます。
②’-③’より、\(-2x=-60\)となって\(x=30\)と求まります。
(2)の解説
\(x=30\)を①’~③’に代入して、整理すると、
\begin{gather}
\begin{cases}
150a+180b=3000…①” \\
20(2a+3b)=1380…②” \\
20(2a+3b)=1380…③”
\end{cases}
\end{gather}
が得られます。
\(a,b\)の値を求めるには①”と②”を連立させて解けばよいので、\((a,b)=(8,10)\)と求まります。
(1)を乗り越えることができれば、(2)はすんなりと解ける問題でした。
まとめ:[中学数学]一見すると「解きにくい」連立方程式はどう解く?市川高で出題された入試問題を解説!
いかがでしたか。
今回は市川高校で出題された「連立方程式の応用問題」を解説しました。
特に未知数同士が掛け合わされている項の存在する連立方程式については、
式を足したり引いたりすることによってそれを消去できないかを考えることが大切です。
その他、対称式の性質を利用したり、置き換え等も有効な手段なのでこちらも覚えておきましょう。
(くわしくはこちらで解説しています)
引き続き過去問等の解説を行ってゆくので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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