みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2023年度奈良県公立高校入試問題「正方形の通過領域」を解説します。
特定の図形の通過領域を考える問題は特に東大をはじめとした難関大学の入試問題では頻出ですが、
公立高校の入試問題で出題されることはあまりありません。
今回解説する問題は考え方も比較的高度で、本番で解くことのできた受験生は少なかったのではないでしょうか。
とはいえ、個人的には面白い問題だと思いますし、高校以降の学びにつながる良問だと考えています。
中1・中2生でも解ける問題となっているので、ぜひ考えてみましょう。
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「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
問題の概要
今回は大問2の(2)を解説していきます。
問題はこちらから参照できます。
そもそも「円」の定義とは?
本題に入る前に、問題を解く上で重要となる「円」の定義についてまず確認します。
みなさんは「円」の定義をしっかりと理解していますか。
イマイチしっかりとそれを説明できない方もいるかと思います。
「円」は、「定点から等距離にある点の集合」と定義される
これはぜひ覚えておいてほしいです。
これだけだと漠然としすぎているので、もう少し詳しく説明します。
円を描くときに、コンパスを使うかと思います。
そのときにコンパスの針を突き刺して、持ち手をくるっと1回転させて円を描くでしょう。
このとき、コンパスの針と鉛筆の先端との間の距離は一定に保たれています。
また、「定点」がコンパスの針を刺した位置であるので、そこから距離の等しい点をコンパスでは作図しているのです。
この定義をもとに、本題に入っていきましょう。
2点が三角形の辺上にあるときの考察
それでは本題に入っていきます。
この問題の最大の難所は以下に示すように、「2点が三角形の辺上にあるとき正方形がどのように動くか」ということです。
これについて考えていくことにしましょう。
会話文にあるように、点XはAを中心とし、BおよびDを通る円上にあることが分かります。
これは会話文にあるように、「円周角の定理の逆」からそのようにいえます。
そのため、AX=AB=AD=3cmだと分かります。
また上の図の赤の破線部に関して、
正方形の位置が変化したとしても同様にして、
A’X=A’B’=A’D’=3cmが成り立ちます。
これらから、何が分かるでしょうか。
先ほど解説した「円」の定義を踏まえれば、
正方形の位置が変化しても、点Aと点X間の距離は常に3cmとなる
→ 点Xを中心とし、半径3cmの円上を点Aは動く
といえます。
そうすると、点Y付近でも同様に考えて、
求める面積は、直角二等辺三角形XYZから半径3cm・中心角45°のおうぎ形2つを取り除いたものとなります。
よって答えは、\(\displaystyle \frac{1}{2}×10^2-9\pi×\frac{45}{360}×2=(50-\frac{9}{4}\pi)[cm^2]\)となります。
まとめ:[中学数学]円の定義から考えよう!2023年度奈良県公立高校入試問題「正方形の通過領域」を解説!
いかがでしたか。
今回は2023年度奈良県公立高校入試問題「正方形の通過領域」を解説しました。
円の定義を逆手にとった、難しい問題だったかと思います。
しかし今回の問題で用いた考え方は、高校の数学で学ぶ「軌跡」の話題にもつながる重要な考え方です。
それは将来受けるであろう大学入試にもつながってくるので、このような考え方には今のうちに慣れていくとよいでしょう。
今後も引き続き過去問等を解説していきますので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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