みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「遺伝の計算問題」です。
生物分野は比較的正答率が高いにもかかわらず、遺伝の計算問題では正答率が下がる傾向にあります。
また、この問題は出題頻度が高いので、しっかりと対策することが大切です。
早速、解説に入っていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
「メンデルの法則」とは何か?
まずは遺伝の計算問題に不可欠である「メンデルの法則」について解説します。
メンデルの法則は「優性の法則」・「分離の法則」・「独立の法則」からなります。
今回の記事では「優性の法則」と「分離の法則」について解説します。
「優性の法則」に関して、
ことをいいます。
「優性の法則」では遺伝子には、子に性質を現しやすい顕性(優性)と、子に性質を現しにくい潜性(劣性)があることを主張しています。
また、
ことをいいます。
例えば、エンドウの種子に注目すると、丸あるいはしわの2つが考えられます。
種子を丸くさせる遺伝子をA, しわを出現させる遺伝子をaとします。
遺伝子は染色体上に存在し、それが2つペアになって性質が出現するため、
エンドウは「AA」・「Aa」・「aa」のどれかのペアを持っているはずになります。
Aが顕性(優性)であり、aが潜性(劣性)なので、Aの遺伝子を持っていると必ず種子は丸くなります。
つまり、
- 遺伝子のペアが「AA」または「Aa」→種子は丸くなる
- 遺伝子のペアが「aa」→種子はしわになる
ということです。
では、「AA」を持つエンドウと「aa」を持つエンドウを交配させるとどうなるのでしょうか。
減数分裂を行うときは、分離の法則に従い、対になっている染色体が別々の生殖細胞に入ります。
そこで生じる生殖細胞が受精すると、次のようになります。
そうすると、子供は皆「Aa」のペアをもつことになり、種子はいずれも丸くなります。
遺伝の計算問題では表を描いて考える!
続いて、「Aa」同士を交配させるとどうなるでしょうか。
次は、上記の図の代わりに表を用いて考えてみます。
「遺伝の計算問題」では、
という手順で解いていきます。
まず交配させる親の各配偶子(卵細胞および精細胞)に含まれる遺伝子に関して、
いまの場合、表に「A」と「a」を書くことになります。
A | a | |
A | ||
a |
次に、残りのマスに各遺伝子をかけあわせてできる「遺伝子のペア」を書くと以下のようになります。
A | a | |
A | AA | Aa |
a | Aa | aa |
そうすると、AA : Aa : aa = 1 : 2 : 1となるので、丸 : しわ = 3 : 1となります。
この表を用いた解き方ができるようになれば、遺伝の計算問題ではOKです。
例題演習
例題演習として、次の問題を考えてみましょう。
(問1)上記のエンドウの種子をめぐって、「Aa」と「aa」を交配させたとき、丸い種子をもつ個体と種子がしわになる個体の比を求めよ。
この問題も表を用いて考えましょう。
まず、親の各配偶子に含まれる遺伝子を書くと次のようになります。
a | a | |
A | ||
a |
続いて、残りのマスに各遺伝子をかけあわせてできる「遺伝子のペア」を書いていきます。
a | a | |
A | Aa | Aa |
a | aa | aa |
よって、Aa : aa = 2 : 2 = 1 : 1となるため、丸 : しわ = 1 : 1となります。
応用問題にチャレンジ!
続いて、応用問題にチャレンジしてみましょう。
(問2)上記のエンドウの種子をめぐって、「AA」と「aa」からできる孫を自家受粉させた。このとき丸い種子をもつ個体と種子がしわになる個体の比を求めよ。
自家受粉とは自分自身のめしべに自分自身の花粉をつけることをいいます。
先ほどの解説より、孫の遺伝子のペアの比は AA : Aa : aa = 1 : 2 : 1となります。
孫世代において、「Aa」はその他の2倍の個体数となることに注意して、
- AAを自家受粉させると、AA : Aa : aa = 4 : 0 : 0
- Aaを自家受粉させると、AA : Aa : aa = 1×2 : 2×2 : 1×2 = 2 : 4 : 2
- aaを自家受粉させると、AA : Aa : aa = 0 : 0 : 4
となるのがこれまでの解説から分かります。
よって、AA : Aa : aa = (4+2) : 4 : (2+4) = 6 : 4 : 6となって、
丸 : しわ = 10 : 6 = 5 : 3と求まります。
まとめ:[中学理科]「遺伝の計算問題」の極意を解説!
いかがでしたか。
今回の記事では、「遺伝の計算問題」について解説しました。
この問題では、必ず表を描いて考えることを意識しましょう。
次回以降は、「独立の法則」や過去の入試問題の解説を行っていきます。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
ご一読いただきありがとうございました。
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