みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2021年度千葉県で出題された「規則性」の問題を解説していきます。
この問題は「規則性」に関して問うだけでなく、「文字式の証明」も問うており、総合力が問われるものとなっています。
公立入試も差し迫ってきており、そのための問題演習として最適な一問です。
ぜひ、挑戦してみてください。
また、本記事に合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
「規則性」の問題に強くなるためのおすすめの問題集
必ず1問は出る「規則性」の問題ですが、以下の書籍を用いて問題演習を行うとよいでしょう。
規則性の問題はいろいろなパターンの問題を経験しておくと、未知の問題に太刀打ちしやすくなります。
また、この手の問題は塾に通っていても対策が手薄となりがちです。
ですので、上記書籍を用いて問題演習を行い、規則性の問題を得点源にしましょう!
問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
まずは自力で取り組んでみましょう。
問題の解説
早速、問題の解説に入っていきます。
「規則性」の問題でよく出てくるパターンについて以前解説しました。
ここで、各段において「数字を書き始める列(最小の数が書かれる列)」・「2番目に大きい数が書かれる列」を表でまとめると以下のようになります。
段 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
数字を書き始める列 (最小の数が書かれる列) | A | D | C | B | A | D | C | B | A | D |
2番目に大きい数が書かれる列 | C | B | A | D | C | B | A | D | C | B |
この表から「規則性」があるのは見出せますか。
- 「数字を書き始める列」はA→D→C→Bで循環する。
- 「2番目に大きい数字を書き始める列」はC→B→A→Dで循環する。
という「周期性」があるのが分かります。
この考察を踏まえて、各問を考えていきましょう。
(1)の解説
(1)は落としたくない問題です。
1段目の最大値は4, 2段目の最大値は8, 3段目の最大値は12…となってゆくので、\(n\)段目の最大値は\(4n\)です(アの答え)。
一方、\(n\)段目の最小値はそこから3を引けばよいので、\((4n-3)\)となります(イの答え)。
(2)の解説
(1)の結果を利用すると、
- \(m\)段目の最小値…\((4m-3)\)
- \(n\)段目の2番目に大きい数…\((4n-1)\)
となります。
これらを踏まえると、以下のように証明を書くことができます。
文字式の証明に不安のある方はこちらもぜひご覧ください。
(証明)
- \(m\)段目の最小値…\((4m-3)\)
- \(n\)段目の2番目に大きい数…\((4n-1)\)
と表すことができる。
よって、
\begin{eqnarray}
(4m-3)+(4n-1)&=&4m+4n-4\\
&=&4(m+n-1)
\end{eqnarray}
となり、\((m+n-1)\)は整数なので、\(4(m+n-1)\)は4の倍数となる。
したがって、\(m\)段目の最小値と\(n\)段目の2番目に大きい数の和は4の倍数となる。
(3)の解説
この問いでは、まず\(m\)段目の最小値および\(n\)段目の2番目に大きい数を文字で表すことが目標となります。
冒頭での考察から、
\(k,l\)を0以上の整数とする。
- B列にその段の最小値が並ぶとき、その段は第\(4k\)段目と表せる。
- B列にその段の2番目に大きい数が並ぶとき、その段は第\((4l+2)\)段目と表せる。
ことがいえます。
いま、4個周期で循環してゆくため、各段を4で割った余りに注目するのがポイントです。
これらを踏まえると、
- B列にその段の最小値が並ぶとき、その最小値は\(4×4k-3\)と表せる。
- B列にその段の2番目に大きい数が並ぶとき、その数は\(4(4l+2)-1\)と表せる。
ことが分かります。
いま、\(m=4k,n=4l+2\)であり、\(m,n\)は20未満の正の整数であるため、\(1≦k≦4,0≦l≦4\)となることに注意します。
以上から、
\begin{eqnarray}
(4×4k-3)+4(4l+2)-1&=&4(4k+4l)+4\\
&=&4(4k+4l+1)
\end{eqnarray}
となります。
これら2つの和が12の倍数となるとき、\((4k+4l+1)\)は3の倍数となる必要があります。
\(k,l\)を\(1≦k≦4,0≦l≦4\)の範囲で動かし、\((4k+4l+1)\)が3の倍数となるとき、
\((k,l)=(1,1),(1,4),(2,0),(2,3),(3,2),(4,1),(4,4)\)の7個の組が考えられます。
よって、答えは7個となります。
2数を文字で表し足し算をしたら、文字式の証明のときと同じように共通因数でくくり、
そこからそれが12の倍数になる条件を考えることが求められていました。
まとめ:[中学数学]入試に向けた演習に最適な良問!2021年度千葉県「規則性」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回は2021年度千葉県で出題された「規則性」の問題を解説しました。
特に(3)は各数を文字で表し、その和が12の倍数となる条件を考察させる総合力が問われる問題となっていました。
ここまで自力で解けるようになっていれば、入試に向けて実力がしっかりとついてきているといえます。
何が問われているのか、答えを導くためにどうすればよいのかということは常に考えるようにしたいところです。
引き続き過去問等の解説を行っていきますので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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