みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「倍数判定法」についてです。
整数問題はもちろんのこと、確率の問題などでも倍数判定法が役立ち、それを利用できるシーンは非常に多いです。
そこで、今回は知っておくと超便利な「倍数判定法」を一挙にご紹介していきます。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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「倍数判定法」を一挙にご紹介!
試験に使える「倍数判定法」を一挙にご紹介します!
7の倍数の判定法というのも実はありますが、正直なところ7で割って確かめた方が早いです。
ですので、7の倍数かどうかを判定するときは7で割るようにしましょう。
また、\(6=2×3, 12=3×4\)ですから、
6の倍数は「2の倍数」と「3の倍数」の性質を併せ持ち、12の倍数は「3の倍数」と「4の倍数」の性質をもつことになります。
各倍数の判定法について、詳しく見ていきましょう。
「3の倍数」の判定法について
各位の数の和が3で割り切れるのが、3の倍数の特徴です。
例えば「\(2253\)」に関して、各位の数の和は\(2+2+5+3=12\)であり、これは3で割り切れるので\(2253\)は3の倍数です。
ここで、3けたの数においてそれが正しいことを証明してみます(けた数が増えても同様にして証明できます)。
\(a\)を1以上9以下の整数、\(b,c\)を0以上9以下の整数とします。
このとき、3けたの正の整数\(N=100a+10b+c\)を考えます。
99と9が3の倍数であることを利用して、
\begin{eqnarray}
N&=&100a+10b+c\\
&=&99a+9b+(a+b+c)
\end{eqnarray}
と変形できます。
\(k\)を正の整数として、\(a+b+c=3k\)と表せるとき、
\begin{eqnarray}
N&=&99a+9b+(a+b+c)\\
&=&99a+9b+3k\\
&=&3(33a+3b+k)
\end{eqnarray}
となり、\((33a+3b+k)\)は正の整数なので、\(3(33a+3b+k)\)は3の倍数です。
よって、各位の数の和が3の倍数になるのなら、その数も3の倍数であることがいえます。
「4の倍数」の判定法について
下2けたの数が4で割り切れるのが、4の倍数の特徴です。
例えば、「4208」は下2けたの数が「08」であり、これは4で割り切れるためそれは4の倍数であることが分かります。
3けたの数においてそれが正しいことを証明してみます(けた数が増えても同様にして証明できます)。
\(a\)を1以上9以下の整数、\(b,c\)を0以上9以下の整数とします。
このとき、3けたの正の整数\(N=100a+10b+c\)を考えます。
100は4の倍数なので、
\begin{eqnarray}
N&=&100a+10b+c\\
&=&4×25a+10b+c
\end{eqnarray}
となります。
このとき、\(k\)を正の整数として、\(10b+c=4k\)であれば、
\begin{eqnarray}
N&=&4×25a+10b+c\\
&=&4(25a+k)
\end{eqnarray}
となり、\(N\)が4の倍数となることがわかります。
「8の倍数」の判定法について
下3けたの数が8で割り切れるのが、8の倍数の特徴です。
例えば「2120」は、下3けたの数が「120」でありこれは8で割り切れるので、それは8の倍数であることが分かります。
4けたの数においてそれが正しいことを証明してみます(けた数が増えても同様にして証明できます)。
\(x\)を1以上9以下の整数、\(y,z,w\)を0以上9以下の整数とします。
このとき、4けたの正の整数\(N=1000x+100y+10z+w\)を考えます。
1000は8の倍数であるため、
\begin{eqnarray}
N&=&1000x+100y+10z+w\\
&=&8×125x+100y+10z+w
\end{eqnarray}
となります。
このとき、\(100y+10z+w=8k\)(\(k\):正の整数)であれば、
\begin{eqnarray}
N&=&8×125x+100y+10z+w\\
&=&8×125x+8k\\
&=&8(125x+k)
\end{eqnarray}
となって、\(N\)も8の倍数になることが分かります。
「9の倍数」の判定法について
各位の数の和が9で割り切れるのが、0の倍数の特徴です。
例えば「\(225\)」に関して、各位の数の和は\(2+2+5=9\)であり、これは9で割り切れるので\(225\)は9の倍数です。
「9の倍数」の判定法については、こちらの記事で証明しておりますので、ぜひご覧ください。
「11の倍数」の判定法について
「1の位から考えて、(偶数番目の桁の数の和)ー(奇数番目の桁の数の和)の絶対値が 11で割り切れる」のが11の倍数の特徴です。
例えば、「1505251」という数を考えてみます。
- 1の位からみて、「1505251」を奇数番目の桁の数(赤)・偶数番目の桁の数(青)に分けると、「1505251」となります。
- 奇数番目の桁の数の和は、1+0+2+1=4
- 偶数番目の桁の数の和は、5+5+5=15
- (偶数番目の桁の数の和)ー(奇数番目の桁の数の和)=15–4=11となり、「1505251」は11の倍数となります。
ここで、4けたの数に関してこの倍数判定法が正しいことを証明します(けた数が増えても同様にして証明できます)。
\(x\)を1以上9以下の整数、\(y,z,w\)を0以上9以下の整数とします。
このとき、4けたの正の整数\(N=1000x+100y+10z+w\)を考えます。
1001=11×91, 99=11×9, 11=11×1であるため、
\begin{eqnarray}
N&=&1000x+100y+10z+w\\
&=&1001x-x+99y+y+11z-z+w\\
&=&11(91x+9y+z)+(y+w)-(x+z)
\end{eqnarray}
となります。
よって、\((y+w)-(x+z)\)が11の倍数であれば、\(N\)も11の倍数であることが分かります。
「13の倍数」の判定法について
「1の位から3けたずつ数を区切り、(偶数番目の数の和)ー(奇数番目の数の和)の絶対値が13で割り切れる」のが13の倍数の特徴です。
例えば、「7,407,998」という数を考えてみましょう。
- 1の位からみて、「7,407,998」を3けたずつに分けていくと「7,407,998」となります。
- 奇数番目の数の和は、7+998=1,005
- 偶数番目の数の和は、407
- (奇数番目の数の和)ー(偶数番目の数の和)=1,005–407=598となり、598は13で割り切れるので、「7,407,998」は13の倍数となります。
ここで、4けたの数に関してこの倍数判定法が正しいことを証明します(けた数が増えても同様にして証明できます)。
\(x\)を1以上9以下の整数、\(y,z,w\)を0以上9以下の整数とします。
このとき、4けたの正の整数\(N=1000x+100y+10z+w\)を考えます。
1001=13×77であるため、
\begin{eqnarray}
N&=&1000x+100y+10z+w\\
&=&1001x-x+100y+10z+w\\
&=&13×77x+\{(100y+10z+w)-x\}
\end{eqnarray}
となります。
よって\((100y+10z+w)-x\)が13の倍数であれば、\(N\)も13の倍数となることが分かります。
まとめ:[中学数学]知っておくと超便利!「倍数判定法」を一挙にご紹介!
いかがでしたか。
今回は、「倍数判定法」を一挙にご紹介しました。
上記の倍数判定法はいろいろな問題で活用できるので、是非覚えておきましょう。
最後までご一読いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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