[中学数学]意識すべきことは2つ!「直接は求めづらい立体の体積」はどう求める?

[中学数学]意識すべきことは2つ!「直接は求めづらい立体の体積」はどう求める?中学数学

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

今回のテーマは、「求めづらい立体の体積」の求め方についてです。

塾で模試の解説をしていると、この手の問題に苦戦している人も多い印象です。

また、東京都等では必ずといってもよいほど出題される分野でもあります、

この手の問題にどう立ち向かっていけばよいのでしょうか。

今回は、それについて解説していきます。

また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。

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「直接は求めづらい立体の体積」の求め方

「直接は求めづらい立体の体積」の求め方については、

  • 全体から余計な部分の体積を引く
  • 対象とする立体が角柱に含まれるときはそれを切断し、
    切断してできる立体において少なくとも1つの側面が「もとの立体の底面および側面に含まれる」あるいは「それらのいずれかと平行」であるようにする

ことが基本です。

「全体から余計な部分の体積を引く」やり方は比較的思いつきやすいやり方ですが、

後者の「切断」を駆使したやり方はやや難しく、厄介です。

実際に例題を通じて、その解き方について見ていきましょう。

例題1にチャレンジしてみよう!

例題1として、2022年度の東京都大問5の問2を考えてみましょう。

問題はこちらから参照できます。

問題の解説

PがAを出発してから12秒後においては、P,QはそれぞれBC,CDの中点となります。

よって、PQ=MNであり、それらは平行になることから、四角形MNQPは平行四辺形となります。

よって、△PQNと△NMPは合同です。

立体A-MPQNを△APNを含む平面で切断すると、立体A-PQNおよび立体A-NMPに分割できます。

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△PQNと△NMPは合同であるから、両者の面積は等しいので、

(立体A-PQNの体積)=(立体A-NMPの体積)

となります。

このとき、立体A-PQNの1つの面△APQはもとの直方体の側面に含まれるので、これを底面とみなしてその体積を求めていきます。

△APQの面積は、正方形ABCDの面積から△ADQ, △ABP, △CPQの面積を引けばよいので、
$$8×8-\frac{1}{2}×8×4-\frac{1}{2}×8×4-\frac{1}{2}×4×4=24$$
となります。

また、高さはAEの長さ(=7)と等しいので、立体A-PQNの体積は、
$$\frac{1}{3}×24×7=56$$
です。

最後に、立体A-PQNの体積を2倍すれば、立体A-MPQNの体積が求まるため、

答えは56×2=112となります。

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例題2にチャレンジしてみよう!

続いて、例題2を考えてみましょう。

(例題2)直方体ABCD-EFGHにおいて、AB=2, AD=4, BF=24である。辺AB上に点P、辺BF上に点Qを、DP+PQ+QGの値が最小となるようにとる。このとき、四面体D-PQGの体積を求めよ。

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最短距離は「直線距離」

まずは、PEおよびQFの長さを求めましょう。

立体のままだと考えづらいので、展開図を用いて考えましょう。

面AEHD, 面AEFB, 面BFGCを切り出すと、以下のようになります。

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この図において、DとGを直線で結びそれとAEとの交点をP、BFとの交点をQとすればよいことが分かります。

平行線の線分比を考えれば、QF:PE:DH=BC:AC:DC=4:6:10となります。

よって、\(QF=\displaystyle \frac{4}{10}×24=\frac{48}{5}, PE=\frac{6}{10}×24=\frac{72}{5}\)と求まります。

△PQGを含む平面で切断する

PE,QFの長さが分かっても、この状態では解法の定石である「全体から余計な部分の体積を引く」やり方は使えなさそうです。

ここで見通しをよくするために、△PQGを含む平面でこの直方体を切断してみます。

この平面とDHの交点をGとします。

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平行な面の切り口は平行になるため、PSとQGは平行です。

PからDHに下ろした垂線の足をP’, QからCGにおろした垂線の足をQ’とすれば、△PP’Sと△QQ’Gは合同になります。

QQ’=QF=\(\displaystyle \frac{48}{5}\)であるから、P’S=\(\displaystyle \frac{48}{5}\)です。

P’H=PE=\(\displaystyle \frac{72}{5}\)でしたから、SH=\(\displaystyle \frac{72}{5}-\frac{48}{5}=\frac{24}{5}\)となります。

ここで、立体D-PQGSを取り出してみると、四角形PQGSは平行四辺形なので、

△PQGと△SGPは合同です。

そのため、両者の三角形の面積は等しいので、

(四面体D-PQGの体積)=(四面体D-SGPの体積)

となります。

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四面体D-SGPの体積を求める

そうすると、△DPSが直方体の側面に含まれることとなり、これを底面と見なせば高さはGH(=2)となります

DS=DH-SH=\(\displaystyle 24-\frac{24}{5}=\frac{96}{5}\)となりますから、

$$△DPS=\frac{1}{2}×DS×AD=\frac{1}{2}×\frac{96}{5}×4=\frac{192}{5}$$
です。

よって、求める答えは、
$$\frac{1}{3}×\frac{192}{5}×2=\frac{128}{5}$$
となります。

今回の問題のように立体を切断すると見通しがよくなり、計算しやすい立体の体積を求めることに帰着させることができることを覚えておきましょう。

まとめ:[中学数学]意識すべきことは2つ!「直接は求めづらい立体の体積」はどう求める?

いかがでしたか。

今回は、「求めづらい立体の体積」の求め方について解説しました。

その際は、

  • 全体から余計な部分の体積を引く
  • 対象とする立体が角柱に含まれるときはそれを切断し、
    切断してできる立体において少なくとも1つの側面が「もとの立体の底面および側面に含まれる」あるいは「それらのいずれかと平行」であるようにする

がポイントでした。

東京都では、この分野が必ずといってもよいほど出題されますので、今後はその解説を行っていきますのでお楽しみに。

最後までご覧いただきありがとうございました。

また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。

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