みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「空間図形」の難問の解き方についてです。
これまで空間図形に関する解説を行ってきましたが、難関校の入試で問われる考え方も存在します。
ここまで取り組めれば、空間図形に関しては難関校を含め、球に関するもの以外は一通りは解けるようになるかと思います。
そこで、今回はその解き方についてみていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
難関校を目指す方におすすめの問題集
難関校を目指す方に、おすすめの書籍を紹介します。
まずご紹介するのは、「ハイクラス徹底問題集」です。
定期試験レベルから無理なく徐々にステップアップでき、公立高校入試レベルそして最難関私立高入試へと最終的に到達できるので、
日ごろの学習を通して入試で求められる力を養うことができます。
最難関私立校を受験される方には、「最高水準問題集」もおすすめです。
全国の難関私立国立高校の入試から厳選して演習価値の高い問題が収録されており、
よく出る問題には「頻出」マークがついているなど入試で出やすい問題から対策できるなど、入試本番に向けて効率的に最高レベルの学力を養うことができます。
空間図形における難問の考え方
空間図形における難問に直面したら、
とよいです。
「対称面」というのが聞き慣れないことばかもしれません。
例えば、以下のような正四面体P-ABCを考えます。
BCの中点をMとし、この正四面体を△PAMで切断すると、四面体B-PAMと四面体C-PAMはまったく同じ立体になります。
このように、
ことを覚えておきましょう。
また、「対称面」の定義から、
ことも知っておきましょう。
以上をもとに、問題を考えてみましょう。
2020年度・昭和学院秀英高・大問3
まずは、2020年度・昭和学院秀英高・大問3に挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
上記で説明した解法の定石を用いれば、簡単に解けてしまう問題かと思います。
(1)・(2)の解説
この問題においては、△ABMを含む平面が「対称面」となるので、この平面で切断して考えます。
△ACDと△BCDは正三角形であり、「三平方の定理」の裏ワザを用いれば、
AM=BM\(=\displaystyle 4 \cdot \frac{1}{2} \cdot \sqrt{3}=2\sqrt{3}\)となります。
このとき、三平方の定理より、△ABHにおいて、\(AH^2=AB^2-BH^2=3-BH^2\)となります。
また、△AHMにおいて、三平方の定理より、\(AH^2=AM^2-MH^2=12-(2\sqrt{3}-BH)^2\)が成り立ちます。
これらより、\(3-BH^2=12-(2\sqrt{3}-BH)^2\)が成り立つため、これを解いて\(BH=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{4}\)を得ます。
よって、\(AH=\displaystyle \sqrt{3-(\frac{\sqrt{3}}{4})^2}=\frac{3\sqrt{5}}{4}\)となります。
次に、△BCDを底面とみて四面体ABCDの体積を求めると、高さはAHとなるため、
$$\frac{1}{2}\cdot4\cdot2\sqrt{3}\cdot\frac{3\sqrt{5}}{4}\cdot\frac{1}{3}=\sqrt{15}$$
となります。
(3)の解説
BH:HM\(=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{4}:(2\sqrt{3}-\frac{\sqrt{3}}{4})=1:7\)です。
また、△ABMは二等辺三角形なので、AE:EB=1:1です。
ここで、メネラウスの定理より、
$$\frac{MB}{MH}\cdot\frac{EA}{BE}\cdot\frac{PH}{AP}=\frac{8}{7}\cdot\frac{1}{1}\cdot\frac{PH}{AP}=1$$
となるため、\(AP:PH=8:7\)が得られます。
よって、\(AH=\displaystyle \frac{3\sqrt{5}}{4}\)より、
$$AP\cdot PH=\frac{8}{15}AH\cdot\frac{7}{15}AH=\frac{7}{10}$$
を得ます。
2012年度・久留米大附設高・大問5
次に、2012年度・久留米大附設高・大問5に挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
展開図から見取り図をイメージする必要がある、空間認知能力が問われる問題です。
(1)の解説
残りの1面は「直角二等辺三角形」であることは明らかです。
これは、同じ直角二等辺三角形である△BCFおよび△CGEと共有する辺を持たなければなりません。
そうすると、解答例としては次があげられます。
なお、()内のアルファベットは組み立てたときに、重なる点を表します。
(2)の解説
(1)の展開図を組み立てると、以下のようになります。
このとき、この立体を△BCEを含む平面で切断します。
そうすると、四面体A-BCEは1辺の長さが\(\sqrt{2}\)の正四面体となります。
したがって、裏ワザを用いると、この体積は\(\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{12} \cdot (\sqrt{2})^3=\frac{1}{3}\)です。
一方で、四面体E-BCFは、底面を△BCFをみなすと、高さはEFの長さと等しくなります。
一般に、
ことがいえます。
これを用いるとEFはBF, CFと直交するため、△BCFを含む平面と垂直に交わるのでそのようにいえます。
よって、四面体E-BCFの体積は、\(\displaystyle 1\cdot1\cdot\frac{1}{2}\cdot1\cdot\frac{1}{3}=\frac{1}{6}\)となります。
以上から、四面体A-BCEと四面体E-BCFの体積を合算して、\(\displaystyle \frac{1}{3}+\frac{1}{6}=\frac{1}{2}\)と答えは求まります。
(3)の解説
(3)は他の小問より、難しいかもしれません。
これは1つのひらめきとして、
△BCEに点A, Fから垂線を下ろしたときの足をそれぞれH, Iとする。
このとき、HとIが一致し、AF=AH+HFとなる。
という仮説を作ってみます。
まず、Hについて考えます。
三平方の定理より、\(AH^2=AB^2-BH^2=AE^2-EH^2=AC^2-CH^2\)となります。
ここでAB=AE=ACゆえ、BH=EH=CHが成り立ちます。
同様にして、三平方の定理より、\(FI^2=BF^2-BI^2=EF^2-EI^2=CF^2-CI^2\)となります。
BF=EF=CFより、BI=EI=CIが成り立ちます。
以上より、HとIが一致することが分かります。
ここで、△BCEの面積を求めると、これは一辺が\(\sqrt{2}\)の正三角形ゆえ、\(\displaystyle \frac{1}{2}\cdot\sqrt{2}\cdot\sqrt{2}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}=\frac{\sqrt{3}}{2}\)となります。
ここで、(2)の結果を用いると、△BCEを底面とみて四面体A-BCEおよび四面体E-BCFの体積の合計を考え、
$$△BCE\cdot AH\cdot\frac{1}{3}+△BCE\cdot HF\cdot\frac{1}{3}=\frac{1}{2}$$
$$\frac{\sqrt{3}}{6}(AH+HF)=\frac{1}{2}$$
よって、\(AF=AH+HF= \sqrt{3}\)となります。
正直、この仮説がひらめかないと解くのが厳しい問題であったのではないでしょうか。
まとめ:[中学数学]難関校志望者向け!「空間図形」における難問の解き方を解説!
いかがでしたか。
今回は、「空間図形」の難問の解き方について解説しました。
その際、
ことがポイントでした。
問題演習等を行っていて難問に直面したら、これらを思い出してみてください。
今後は、球がからんだ問題の解き方に関しても解説していくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
コメント