みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「イオン」と「電池・電気分解」の関係についてです。
電池と電気分解のメカニズムには、イオンが関わっています。
しかし、メカニズムが分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はこれらのメカニズムを「イオン」を用いて明らかにしていきたいと思います。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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「電離」について
電池および電気分解の仕組みを考える上で、「電離」の概念を知っておく必要があります。
例えば、水酸化ナトリウムを水に溶かす場合、
NaOH → Na+ + OH–
というイオン反応式が示すように、「ナトリウムイオン」(陽イオン)と「水酸化物イオン」(陰イオン)に電離します。
また、塩酸に関しては、
HCl → H+ + Cl–
というイオン反応式が示すように、「水素イオン」(陽イオン)と「塩化物イオン」(陰イオン)に電離します。
「電池」の仕組みについて
次に、「電池」の仕組みについてみていきましょう。
一般に、電池の仕組みは、以下のように説明できます。
ここでは、説明のために「ダニエル電池」をとりあげます。
「ダニエル電池」は、
- マイナス極側は、硫酸亜鉛水溶液に亜鉛板が浸されている
- プラス極側は、硫酸銅(Ⅱ)水溶液に銅板が浸されている
という構成になっています。
まず、マイナス極側では、亜鉛が溶け出すので、
Zn → Zn2+ + 2e–
という反応が起こります(e–:電子)。
次に、プラス極側では、電子と陽イオンが結びつくので、
Cu2+ + 2e– → Cu
という反応が起こります。
ここで、なぜ亜鉛がマイナス極となり、銅がプラス極になるのか疑問に感じる方もいるかもしれません。
それは以下の理由に基づきます。
「ダニエル電池」の極板には亜鉛と銅が用いられていますが、亜鉛の方が銅よりも陽イオンになりやすいので、それがマイナス極になります。
「電気分解」の仕組みについて
次に、「電気分解」の仕組みについてみていきましょう。
一般的に「電気分解」は以下のようなメカニズムで起きます。
また、陽極・陰極における反応の特徴として以下のこともおさえておきましょう。
例えば、塩化銅(Ⅱ)水溶液の電気分解を考えましょう。
陽極では、水溶液中に塩化物イオンが存在するため、
2Cl– → Cl2 + 2e–
という反応が起こり、塩素が発生します。
一方陰極では、水溶液中に銅(Ⅱ)イオンが存在するため、
Cu2+ + 2e– → Cu
という反応が起こり、炭素棒に銅が析出します。
練習問題にチャレンジ!
これまでのおさらいを含め、練習問題にチャレンジしてみましょう!
練習問題の解説
問1の解説
ここから銅が析出することが分かるので、この電極は陰極であることが分かります。
陰極での反応は以下のようになります。
Cu2+ + 2e– → Cu
問2の解説
陽極では塩素が発生するので、①に関しては以下の反応式が成り立ちます。
2Cl– → Cl2 + 2e–
ここで発生した塩素は水に溶けると以下の反応が起こります。
Cl2 + H2O → HCl + HClO
塩素が水に溶けると、酸性を示す「HCl」(塩酸)と「HClO」(次亜塩素酸)が生成されるというのが②の答えとなります。
問3の解説
塩化銅(Ⅱ)の電離は以下のようになります。
CuCl2 → Cu2+ + 2Cl–
このイオン反応式は
塩化銅(Ⅱ)粒子1個から、銅(Ⅱ)イオンが1個、塩化物イオンが2個生成される
ことを意味するので、もともとの塩化物イオンの個数は\(2N\)です。
よって、塩化物イオンの個数の時間経過をグラフに描くと以下のようになります。
また、電気分解開始から\(T\)だけ経過した後、銅(Ⅱ)イオンおよび塩化物イオンはすべて消費されたことになるので、
陰極では水素が発生し、陽極では酸素が発生します。
まとめ:[中学理科]5分で分かる!「イオン」と「電池・電気分解」の関係をわかりやすく解説!
いかがでしたか。
今回の記事では、イオンと「電池・電気分解」の関係について解説しました。
電池のポイントは以下の通りでした。
電気分解のポイントは以下の通りでした。
次回は、イオンと「中和反応」の関係について解説していきます。
最後までご一読いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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