みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「ドップラー効果」についてです。
学校の授業などでその名前自体は習うものの、どのような仕組みでドップラー効果が起こるのかについて詳しく説明されることは少ないのではないでしょうか。
今回は、ラ・サール高校で出題された問題を通じて「ドップラー効果」の仕組みについて考えていきます。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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2010年度入試問題の概要
2010年度のラ・サール高校の入試で「ドップラー効果」の仕組みを考察する問題(【2】〔B〕)が出題されました。
問題はこちらから参照できます。
問題の解説
(1)①の解説
以下の図に、救急車が静止しているときとそれが動いているときの「音の長さ」がどうなるかを示します。
救急車が動くときは静止しているときより、「音の長さ」は救急車の走行分だけ短くなります。
よって、答えは 340ー20=320[m] と求まります。
(1)②の解説
問題文中に、「観測者が音を聞く時間」が説明されています。
「観測者が音を聞く時間」=「音の長さ」÷「音の速さ(340[m/s])」
(1)の結果を用いると、「観測者が音を聞く時間」は以下のようになります。
$$\frac{320[m]}{340[m/s]}=\frac{16}{17}[s]$$
また、音源が動いても、観測者に伝わる波の個数は1,000のままなので、「観測者の聞く音の振動数」は以下のようになります。
「観測者の聞く音の振動数」=1,000÷「観測者が音を聞く時間」
よって、「観測者の聞く音の振動数」は以下のようになります。
$$\frac{1000}{\frac{16}{17}}=1000×\frac{17}{16}[Hz]$$
よって、「観測者の聞く音の振動数」は元の音の振動数の\(\frac{17}{16}\)倍です。
(2)の解説
音を聞き始めてから聞き終わるまでに\(t\)[s]かかったとしましょう。
そうすると、音と観測者のそれぞれの瞬間における位置関係は以下のようになります。
音源は静止しているので、「音の長さ」は340[m]になることに注意します。
そうすると、この図より次の方程式が成り立ちます。
$$340t+20t=340…(*)$$
これを解くと、\(t=\frac{17}{18}\)[s]となります。
よって、①の答えは以下の通りです。
$$20[m/s]×\frac{17}{18}[s]=\frac{170}{9}[m]$$
この値を先ほどの「観測者の聞く音の振動数」を求める式に代入して、その値は以下のようになります。
$$\frac{1000}{\frac{17}{18}}=1000×\frac{18}{17}[Hz]$$
よって、②の答えは\(\frac{18}{17}\)倍となります。
(3)の解説
音源が20[m/s]で動くため、(1)での考察より「音の長さ」は320[m]です。
観測者が音を聞く時間を\(T\)[s]とおき、(2)における方程式(*)の\(t\)を\(T\)に、右辺の340を320に置き換えると以下の方程式が成り立ちます。
$$340T+20T=320$$
これを解くと、\(T=\frac{8}{9}[s]\)となります。
この値を先ほどの「観測者の聞く音の振動数」を求める式に代入して、その値は以下のようになります。
$$\frac{1000}{\frac{8}{9}}=1000×\frac{9}{8}[Hz]$$
よって、答えは\(\frac{9}{8}\)倍です。
「ドップラー効果」の仕組みはどうなっている?
ラ・サール高校の過去問を通して、「ドップラー効果」の仕組みは以下のように説明できます。
「ドップラー効果」には実は公式があります(高校の物理で学習します)。
音速を\(c\)とし、振動数\(f\)の音を発する音源が観測者に向かう向きに速さ\(v[m/s]\)で動き、観測者は音源から遠ざかる方向に\(u[m/s]\)で動くとします。
このとき、観測者の聞く音の振動数\(f’\)は以下のように表せます。
$$f’=\frac{c-u}{c-v}f$$
上記の問題は、この公式の結果に実は一致しています。
この公式も参考までに知っておくとよいでしょう。
まとめ:[中学理科]「ドップラー効果」の仕組みをわかりやすく解説!
いかがでしたか。
今回は、「ドップラー効果」の仕組みについてラ・サール高校の入試問題を通じて考えました。
「ドップラー効果」は以下のようにして引き起こされます。
引き続き「音の計算問題」などについて解説していきますのでお楽しみに。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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