みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
これまで「規則性」に関していろいろと解説してきました。
(↓下のリンクから飛べます)
今回は、「京都府公立高校入試」で出題された問題を解説していきます。
「規則性」の総まとめ演習として取り組むのに良い問題ばかりです。
是非、挑戦してみてください。
2018・中期・大問6
まずは、2016年の大問6に取り組んでみましょう。
問題はこちらから参照できます。
まずは実験から
ここで改めて「規則性」の解き方の定石を確認しておくと、
ということでした。
今回も実験から始めていきます。
マスに数を順に書き込んでいくと以下のようになります。
1列目 | 2列目 | 3列目 | 4列目 | 5列目 | 6列目 | 7列目 | 8列目 | 9列目 | |
1段目 | 1 | 4 | 5 | 16 | 17 | 36 | 37 | 64 | 65 |
2段目 | 2 | 3 | 6 | 15 | 18 | 35 | 38 | 63 | 66 |
3段目 | 9 | 8 | 7 | 14 | 19 | 34 | 39 | 62 | 67 |
4段目 | 10 | 11 | 12 | 13 | 20 | 33 | 40 | 61 | 68 |
5段目 | 25 | 24 | 23 | 22 | 21 | 32 | 41 | 60 | 69 |
6段目 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 42 | 59 | 70 |
7段目 | 49 | 48 | 47 | 46 | 45 | 44 | 43 | 58 | 71 |
8段目 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 72 |
9段目 | 81 | 80 | 79 | 78 | 77 | 76 | 75 | 74 | 73 |
また、よくある規則性としては、
ということでした。
この表をよく見てみると、「2乗した数」が現れているのが分かります。
1列目 | 2列目 | 3列目 | 4列目 | 5列目 | 6列目 | 7列目 | 8列目 | 9列目 | |
1段目 | 1 | 4 | 5 | 16 | 17 | 36 | 37 | 64 | 65 |
2段目 | 2 | 3 | 6 | 15 | 18 | 35 | 38 | 63 | 66 |
3段目 | 9 | 8 | 7 | 14 | 19 | 34 | 39 | 62 | 67 |
4段目 | 10 | 11 | 12 | 13 | 20 | 33 | 40 | 61 | 68 |
5段目 | 25 | 24 | 23 | 22 | 21 | 32 | 41 | 60 | 69 |
6段目 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 42 | 59 | 70 |
7段目 | 49 | 48 | 47 | 46 | 45 | 44 | 43 | 58 | 71 |
8段目 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 72 |
9段目 | 81 | 80 | 79 | 78 | 77 | 76 | 75 | 74 | 73 |
段に注目すると、「奇数段目の1列目」には2乗した数が現れており、それが段番号の2乗となっています。
列に注目すると、「偶数列目の1行目」に2乗した数が現れており、それが列番号の2乗となっています。
以上から、\(k\)を正の奇数、\(l\)を正の偶数として、
- \(k\)段目の1列目には、\(k^2\)が入る
- 1段目の\(l\)列目には、\(l^2\)が入る
ことがいえます。
このことを用いて、問題を考えていきます。
(1)の解説
36は上記の表から、「1段目6列目」に入ることが分かります。
(2)の解説
\(n\)が偶数か奇数かで分けて考えてみましょう。
\(n\)が奇数のとき、先ほどの考察から\(n\)段目の1列目には\(n^2\)が入ります。
\(n\)段目の\(n\)列目には\(n^2\)から\((n-1)\)を引いた数が入ることが分かるので、計算すると、
$$n^2-(n-1)=n^2-n+1$$
となります。
\(n\)が偶数のとき、先ほどの考察から1段目の\(n\)列目には\(n^2\)が入ります。
こちらの場合でも\(n\)段目の\(n\)列目には\(n^2\)から\((n-1)\)を引いた数が入ります。
よって、\(n\)の偶奇に関わらず、\(n\)段目の\(n\)列目には\((n^2-n+1)\)が入ります。
(3)の解説
(2)の結果を利用してみましょう。
「93段目の93列目」には\(93^2-93+1=8557\)が入ります。
「87段目の93列目」はその6段上にあるので、\(8557-6=8551\)となります。
2017・前期・大問6
続いて、2017年の前期の大問6です。
問題はこちらから参照できます。
この問題は開成高校で出題された問題とその背景が同じなので、参考に以下の記事もご覧ください。
(1)の解説
例のごとく、具体的な数値から実験してみましょう。
そうすると以下の表が得られます。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | |
電球A | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ● |
電球B | ○ | ● | ○ | ● | ○ | |||||
電球C | ○ | ● | ||||||||
電球D | ○ | |||||||||
電球E | ||||||||||
電球F | ||||||||||
電球G | ||||||||||
電球H |
この表から、BとDのみが点灯していることが分かります。
(2)の解説
上記の電球Cまでの結果を考えてみましょう。
- 電球Aは奇数回目に点灯し、偶数回目には消灯する。
- 電球Bは\(2(=2×1),6(=2×3),10(=2×5)\)回目に点灯し、\(4(=2×2),8(=2×4)\)回目には消灯する。
- 電球Cは\(4=(2^2×1)\)回目に点灯し、\(8=(2^2×2)\)回目に消灯する。
上記の考察を一般化すれば、
\(k,l\)を正の整数とすると、\(2^l\)回ごとに押すと点灯・消灯が切り替わる電球は
- \(k\)が奇数のとき、\(2^l×k\)回目に点灯する
- \(k\)が偶数のとき、\(2^l×k\)回目に消灯する
ことがいえます。
よって、電球Eはボタンを押した回数が32の倍数となるときに消灯し、そこから16回ボタンを押すと点灯することが分かります。
(3)の解説
次に(3)の解説です。
\(64=2^6×1=2^5×2=2^4×2^2=2^3×2^3=2^2×2^4=2×2^5\)ですから、
電球Gのみが点灯していることとなるので、答えは1個となります。
(4)の解説
最後に(4)の解説です。
- \(2017\)は奇数ですから、電球Aは点灯します。
- \(2017÷2=1008…1\)となり、電球Bは\(2016(=2×1008)\)回目に消灯しているので2017回目においても消灯しています。
- \(2017÷2^2=504…1\)となり、電球Cは\(2016(=2^2×504)\)回目には消灯しているので、2017回目においても消灯しています。
- \(2017÷2^3=252…1\)となり、電球Dは\(2016(=2^3×257)\)回目には消灯しているので、2017回目においても消灯しています。
- \(2017÷2^4=126…1\)となり、電球Eは\(2016(=2^4×126)\)回目には消灯しているので、2017回目においても消灯しています。
- \(2017÷2^5=63…1\)となり、電球Fは\(2016(=2^5×63)\)回目には点灯しているので、2017回目においては点灯しています。
- \(2017÷2^6=31…33\)となり、電球Gは\(1984(=2^6×31)\)回目には点灯しているので、2017回目には点灯しています。
- \(2017÷2^7=15…97\)となり、電球Hは\(1920(=2^7×15)\)回目には点灯しているので、2017回目には点灯しています。
以上より、2017回目で点灯している電球はA,F,G,Hとなります。
このような「約数」や「倍数」を背景とした規則性の問題は、公立高校入試においても度々出題されるので、一度は経験しておきたい問題でした。
2018・前期・大問6
最後は2018年の前期の大問6です。
非常に難しい問題ですが、まずは挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
「連続する正の整数を3つずつ分けてゆく」と考える
この問題では1~23の数を各空箱に入れてゆくことを考えていますが、「連続する正の整数を3つずつ分けてゆく問題」と捉え直すと解きやすくなります。
そのような認識の下で、実験をすると以下のようになります。
群 | 対応する箱 | 各群に入る数 |
第1群 | A | 1,2,3 |
第2群 | B | 4,5,6 |
第3群 | C | 7,8,9 |
第4群 | D | 10,11,12 |
第5群 | A | 13,14,15 |
第6群 | B | 16,17,18 |
第7群 | C | 19,20,21 |
第8群 | D | 22,23,24 |
第9群 | A | 25,26,27 |
第10群 | B | 28,29,30 |
第11群 | C | 31,32,33 |
第12群 | D | 34,35,36 |
第13群 | A | 37,38,39 |
第14群 | B | 40,41,42 |
第15群 | C | 43,44,45 |
第16群 | D | 46,47,48 |
この表から、次のことがいえます。
\(n\)を正の整数とすると、
- 第\((4n-3)\)群(箱Aに対応)には、\(3(4n-3)-2,3(4n-3)-1,3(4n-3)\),
つまり\(12(n-1)+1,12(n-1)+2,12(n-1)+3\)が入る - 第\((4n-2)\)群(箱Bに対応)には、\(3(4n-2)-2,3(4n-2)-1,3(4n-2)\),
つまり\(12(n-1)+4,12(n-1)+5,12(n-1)+6\)が入る - 第\((4n-1)\)群(箱Cに対応)には、\(3(4n-1)-2,3(4n-1)-1,3(4n-1)\),
つまり\(12(n-1)+7,12(n-1)+8,12(n-1)+9\)が入る - 第\(4n\)群(箱Dに対応)には、\(12(n-1)+10,12(n-1)+11,12n\)が入る
また、実際は、1~23の番号の玉を各箱に入れてゆくため、
\(m\)を正の整数とするとき、\(m\)を23で割ったときの余りが、玉の番号に対応する
(余りが0になるときは、23の番号の玉と対応付ける)
ことに注意しましょう。
(1)の解説
(1)の解説に入ります。
上記の表より、第16群には46,47,48が入ります。
46,47,48はそれぞれ23,1,2の番号の玉に対応するので、答えは「16箱目」となります。
また、これらの入る箱はDです。
(2)・(3)の解説
(2)の解説です。
番号が1の玉は、\(l\)を正の整数として、23で割って1余る数である\(23(l-1)+1\)と対応付いていたのでした。
先ほどの考察で各群に入る数は、12×(整数)+(0以上11以下の整数)の形でかけていたため、
$$23(l-1)+1=(12+11)(l-1)+1=12(l-1)+11l-10$$
となることを踏まえると、先ほどの各群に入る数の考察から、
\((11l-10)\)を12で割ったときの余りを考えると、番号1の玉は、
- 余りが1,2,3のときは、箱Aに入る
- 余りが4,5,6のときは、箱Bに入る
- 余りが7,8,9のときは、箱Cに入る
- 余りが10,11,0のときは、箱Dに入る
ことがいえます。
また、
\(N\)を正の整数として、
- \(12(l-1)+11l-10=12(N-1)+1\) or \(12(N-1)+2\) or \(12(N-1)+3\)と変形できるとき、番号1の玉が入るのは\((4N-3)\)番目の箱である
- \(12(l-1)+11l-10=12(N-1)+4\) or \(12(N-1)+5\) or \(12(N-1)+6\)と変形できるとき、番号1の玉が入るのは\((4N-2)\)番目の箱である
- \(12(l-1)+11l-10=12(N-1)+7\) or \(12(N-1)+8\) or \(12(N-1)+9\)と変形できるとき、番号1の玉が入るのは\((4N-1)\)番目の箱である
- \(12(l-1)+11l-10=12(N-1)+10\) or \(12(N-1)+11\) or \(12N\)と変形できるとき、番号1の玉が入るのは\(4N\)番目の箱である
ことにも注意しましょう。
(2)に関しては、\(l=8\)を\(12(l-1)+11l-10\)に代入して、
$$12×(8-1)+11×8-10=12×(14-1)+6$$
となるため、箱Bに入ることが分かり、それは\(4×14-2=54\)番目の箱となります。
続いて(3)です。
\(l\)の値を変化させながら、\((11l-10)\)を12で割った余りを調べると以下のようになります。
\(l\) | \((11l-10)\)を12で割った余り | 入れる箱 |
1 | 1 | A |
2 | 0 | D |
3 | 11 | D |
4 | 10 | D |
5 | 9 | C |
6 | 8 | C |
7 | 7 | C |
8 | 6 | B |
9 | 5 | B |
10 | 4 | B |
11 | 3 | A |
12 | 2 | A |
13 | 1 | A |
14 | 0 | D |
となってゆくので、入れる箱が「A,D,D,D,C,C,C,B,B,B,A,A」と周期的に繰り返されることが分かります。
よって、2回目に1の番号の玉を箱Aに入れるときは、\(l=11\)のときなので、
$$12×(11-1)+11×11-10=12×(20-1)+3$$
となるため、\(4×20-3=77\)番目の箱にそれを入れることになります。
また、30回目に1の番号の玉を箱Aに入れるとき、\(l=12×10=120\)となるため、
$$12×(120-1)+11×120-10=12×(229-1)+2$$
ですから、\(4×229-3=913\)番目の箱に入れることになります。
この問題からいえるポイントとしては、
であるといえます。
ここまでたどり着けた受験生はなかなかいなかったのではないでしょうか。
非常に難易度が高い問題ですが、この問題が解けるようになれれば「規則性」の問題は怖いものなしかと思います。
「規則性」の問題に強くなるためのおすすめの問題集
必ず1問は出る「規則性」の問題ですが、以下の書籍を用いて問題演習を行うとよいでしょう。
規則性の問題はいろいろなパターンの問題を経験しておくと、未知の問題に太刀打ちしやすくなります。
また、この手の問題は塾に通っていても対策が手薄となりがちです。
ですので、上記書籍を用いて問題演習を行い、規則性の問題を得点源にしましょう!
まとめ:[高校入試]力試しに最適!京都府で出題された「規則性」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回の記事では、「京都府公立高校入試」で出題された問題を解説しました。
これらを自力でこなせるようになれば、「規則性」に関しては完璧かと思います。
できなかったとしても繰り返し解いて、理解できれば問題ありませんので、頑張っていきましょう。
本記事と合わせてぜひ以下の記事もご覧ください。
最後までご一読いただきありがとうございました。
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