みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「円」・「相似」・「三平方の定理」の融合問題についてです。
これらが混ざって出題されると、かなりの難問に変化します。
ある意味、「中学数学」の集大成ともいえる問題でもあります。
この手の問題はこぞって難関校では出題されるので、対策しておきたいところです。
そこで、今回はそれらの融合問題の解き方を考えていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
東大寺学園高校の入試問題にチャレンジ!
今回は、2015年度の東大寺学園高校の大問4を通じて、解き方を解説していきます。
問題はこちらから参照できます。
まずは自分で考えてみましょう。
問題の解説
なかなか骨のある難しい問題ですね。
いきなり解答方針を立てづらい場合は、図に分かる情報を書き込むことが大切です。
円周角の定理や円に内接する四角形の性質を駆使して、分かる情報を記入してゆくと以下のようになります。
![[中学数学]「円」・「相似」・「三平方の定理」の融合問題の解き方を解説!](https://i0.wp.com/you-can-blog.com/wp-content/uploads/2022/08/東大寺学園数学_1.png?resize=703%2C1024&ssl=1)
これをもとに、各問を考えていきましょう。
(1)の解説
ここで、△BCEに注目しましょう。
線分DEは∠BECの二等分線となっていることが分かります。
よって、角の二等分線の定理より、BE : EC = BD : DC = 3 : 2です。
これを解くと、
BE=\frac{3}{2}EC=\frac{3}{2}×10=15
となります。
(2)の解説
この大問の鬼門となるのは、(2)でしょう。
ここで、これまで解説してきた定理等が複合的に運用できるかがこの問題では問われています。
ひとまず、BCの長さを=5xとおいてみます。
そうすると、△ABCは正三角形ですから、AB=BC=CA=5xとなりますね。
よって、BD=3x, DC=2xと書くことができます。
ところで、AD,DEに関しては、方べきの定理を持ち込めれば解けそうですね。
ですので、AD,DEをxを用いて表し、方べきの定理に持ち込んで、二次方程式を解けばよいです。
以下では、AD,DEをxを用いてどう表せるか考えてみましょう。
AD,DEの長さをどう求める?
「線分比」を求めるとき、以下の事実を利用するとよいことを以前解説しました。
今回の場合、冒頭に示した図より、△AEBと△CEDが相似であることが分かります。
よって、相似を利用し、AD,DEの関係式を求めることができそうです。
そうすると、AE(=AD+DE) : CE = AB : CDゆえ、
DE=\frac{CE×AB}{CD}-AD=\frac{10×5x}{2x}-AD=25-AD…①
となります。
次に、ADをxを用いて表してみましょう。
60°があるときは「垂線」を引くと見通しがよくなるので、ADを含む三角形である△ACDに注目し、
DからCAに向かって垂線を引き、その足をHとします。

そうすると、△CDHは「90°,60°,30°」の直角三角形となるので、CH=x, DH=\sqrt{3}xとなります。
このとき、AH=5x-x=4xとなり、△ADHで三平方の定理を用いて、
AD=\sqrt{AH^2+DH^2}=\sqrt{19}x…②
を得ます。
①および②より、DE=25-AD=25-\sqrt{19}xとなります。
xの値を「方べきの定理」から求める
最後に方べきの定理より、
AD×DE = BD × DCゆえ、\sqrt{19}x(25-\sqrt{19}x)=3x×2xが成り立ちます。
これを解き、x=0, \sqrt{19}を得ます。
x>0より、x=\sqrt{19}です。
よって、BC=5x=5\sqrt{19}, AD=\sqrt{19}x=19となります。
(3)の解説
最後に、(3)です。
「面積比」を問うているので、解法の定石通り、「底辺の長さの比」に注目しましょう。
冒頭の図より、△BFEは正三角形であることが分かります。
EB = EF = 15となりますので、EF : CE = 15 :10 = 3 : 2です。
よって、△BCE=\displaystyle \frac{2}{3}△BFEを得ます。
また、BC : DC = 5 : 2より、△CDE=\displaystyle \frac{2}{5}△BCEです。
以上から、△CDE=\displaystyle \frac{2}{5} × \frac{2}{3}△BFE = \frac{4}{15}△BFEを得ます。
また、(2)の結果を用いれば、AE : DE = 25 : (25-19) = 25 : 6です。
よって、△AEC=\displaystyle \frac{25}{6}△CDE=\frac{25}{6}×\frac{4}{15}△BFE=\frac{10}{9}△BFEを得ます。
答えは、△BFE : △AEC = 9 : 10となります。
まとめ:[中学数学]「円」・「相似」・「三平方の定理」の融合問題の解き方を解説!
いかがでしたか。
今回は、「円」・「相似」・「三平方の定理」の融合問題について解説しました。
それは、これまで解説してきた知識を総動員する必要のある問題です。
しかしながら、これまでと同じように、
「目標から逆算して考えること」と「分かっていることを図に書き込み、そこから新たな情報を獲得すること」の繰り返しです。
図形の問題を解くときはこれらは必ず意識しましょう。
今後も入試問題を題材とした解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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