みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2021年度に都立戸山高校で出題された「平面図形」の問題を解説していきます。
「証明」・「線分比」・「面積比」が問われる総合的な問題となっています。
「線分比」や「面積比」の問題は比較的取り組みやすいですが、
「証明」問題では意外と忘れがちな盲点を突き、これが思い出せないと頓挫してしまいます。
まずは自分でトライしてみましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
「平面図形」攻略におすすめの書籍
「平面図形」攻略におすすめの書籍をご紹介します。
「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
2021年度戸山高校入試問題の概要
今回は、大問3解説していきます。
問題はこちらから参照できます。
問1の解説
(1)の解説
まずは「結論」を確認し、そこから逆算して方針を立ててゆきましょう。
「結論」は「EMとBCが平行であること」ですね。
この際、次のことを思い出しましょう。
「中点連結定理」とは以下のことをいいます。
この定理は△APQと△ABCが相似であることから、導くことができます。
これらのうちのどれを用いるべきかまだ判然としないので、
図に情報を書き込みながら、どうすべきかを考えていきましょう。
いま、同位角や錯角を利用して命題を示そうとすると、見通しが立たなさそうですね。
そこで、「中点連結定理」が利用できないかを考えましょう。
仮定からBM=CMですので、CE=EFであることがいえれば、EMとABが平行であるといえそうです。
CE=EFを示すには、△AEFと△AECの合同を示せばよく、
図から「1辺とその両端の角がそれぞれ等しい」という合同条件が適用できることがいえます。
以上を証明にすると以下のようになります。
(証明)
△AEFと△AECにおいて、
仮定より、∠FAE=∠CAE…①
仮定より、∠AEF=∠AEC=90°…②
AEは共通…③
①~③より、1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△AEF≡△AEC
よって、CE=EF…④
ここで、仮定より、CM=MB…⑤
④,⑤より、CE:EF=CM:MB=1:1となるので、
中点連結定理より、EMとABは平行
(Q.E.D.)
この問題では、「中点連結定理」に気づけるかがポイントでした。
意外と忘れがちな定理でもあるかと思いますので、
こちらも2直線が平行であることを示すための道具となることを覚えておきましょう。
(2)の解説
(1)の結果より、AE:ED=BM:MDとなるのは明らかですから、BM:MDを求めていきましょう。
ここで、角の二等分線の定理を用いれば、BD:DC=AB:AC=7:4です。
よって、\(BD=\displaystyle \frac{BD}{BD+DC}×BC=\frac{63}{11}\)となります。
また、\(BM=\displaystyle \frac{1}{2}BC=\frac{9}{2}\)ですから、
\(MD=BD-BM=\displaystyle \frac{27}{22}\)となります。
よって、\(BM:MD=\displaystyle \frac{9}{2}:\frac{27}{22}=11:3\)となり、
これが答えとなります。
問2の解説
△BGFの面積と四角形AFGDの面積をそのまま比較しようとするとやりづらいので、
それぞれが△ABDの面積の何倍となるかを求めて、比較する方針で解いていきましょう。
問1(1)で△AFEと△ACEは合同であると分かっているため、
AF=AC=4cmであり、BF=AB-AF=3cmです。
また、BDに関しては、この問題で扱っている三角形は問1(2)で扱った三角形と全く同じなので、
\(BD=\displaystyle \frac{63}{11}\)cmです。
そうすると、BGの長さが分かれば、
△BGFの面積と四角形AFGDの面積それぞれが△ABDの面積の何倍となるかを求めることができますね。
ですので、BGの長さを求めてゆきましょう。
そうすれば、2組の角がそれぞれ等しいので、△ABCと△GBFは相似となることに気づきます。
このことから、AB:BG=BC:BFとなります。
よって、\(BG=\displaystyle \frac{AB×BF}{BC}=\frac{7×3}{9}=\frac{7}{3}\)cmと求まります。
したがって、BG:BD\(=\displaystyle \frac{7}{3}:\frac{63}{11}=11:27\)となります。
以上より、
\begin{eqnarray}
S&=&△ABD×\frac{BG}{BD}×\frac{BF}{AB}\\
&=&△ABD×\frac{11}{27}×\frac{3}{7}\\
&=&△ABD×\frac{11}{63}
\end{eqnarray}
そして、
\begin{eqnarray}
T&=&△ABD-S\\
&=&△ABD×\frac{52}{63}
\end{eqnarray}
となることから、
\(S:T=\displaystyle △ABD×\frac{11}{63}:△ABD×\frac{52}{63}=11:52\)と求まります。
この問題では、BGの長さを求めることそしてそのために三角形の相似に気づけたかがポイントでした。
まとめ:[中学数学]意外と忘れがちな「平行条件」!2021年度戸山高校「平面図形」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、2021年度に都立戸山高校で出題された「平面図形」の問題を解説しました。
2直線が平行になる条件として、中点連結定理は盲点になりやすいかと思います。
同位角や錯角に注目するだけではなく、こちらも利用できないかを考えることが大切です。
今後も引き続き過去問等の解説を行ってゆくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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