みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2022年度千葉県で出題された「動点」の問題を解説していきます。
「動点」といえば関数の問題のひとつとして知られていますが、今回解説する問題は図形的な考察も問われています。
まずは自力で取り組んでもらいたいですが、
関数的な見方で行き詰ってしまったときは、図形的な観点から考察してみましょう。
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問題の概要
今回解説する問題ははこちらから参照できます。
まずは自力で取り組んでみましょう。
問題の解説
それでは、解説に入っていきます。
(1)の解説
まず(a)についてです。
Qは9cm/秒の速さで動くことから、QがはじめてCに到着するのは90÷9=10秒後と分かります。
ですので、答えはエと決まります。
次に、(b)についてです。
(b)の結果はこれ以降の問でも重要な役割を果たすので、丁寧に解いていきたいところです。
点O,P,Rが一直線に並ぶため、おうぎ形OPAとおうぎ形ORCの中心角の大きさは等しいです。
このとき、次のことを思い出しましょう。
2つのおうぎ形の中心角が等しいとき、2つのおうぎ形の弧の長さの比は半径の比に一致する。
この事実は、おうぎ形の弧の長さを求める公式から明らかです。
そうすると、(弧APの長さ):(弧CRの長さ)=(OAの長さ):(OCの長さ)となります。
弧ABと弧CDの長さの比が6:9であり、両者の中心角は180°であるから、
(OAの長さ):(OCの長さ)=(弧ABの長さ):(弧CDの長さ)=6:9=2:3となります。
よって、(弧APの長さ):(弧CRの長さ)=2:3となります。
以上より、Pは4cm/秒の速さで動くので、Rの速さは6cm/秒と求まります。
答えはイです。
(2)の解説
答えは以下のようになります。
この問題は(1)の(b)が分からなくても解ける問題ですので、落としたくない問題です。
(3)の解説
問題文にも書いてありますが、弧CRと弧DQの長さの和が弧CDの長さと一致するときに点O,P,Qが一直線上に並びます。
各点が運動を開始してから\(t\)秒後にはじめてこの3点が一直線上に並ぶとすると、
弧CRの長さは\(6t\)cmであり、弧DQの長さは\(9t\)cmとなるので、
\(6t+9t=15t=90\)が成立します。
これを解き、\(t=6\)と分かります。
問題文に誘導がありましたが、それがなくとも立式出来て欲しい問題でした。
(4)の解説
この問題は(2)の結果を活用するとよいでしょう。
(2)の結果より、出発してから点Qは20秒後に点Dに到着します。
問題文中のグラフより、点Pは出発してから30秒後に点Aに到着します。
そうすると、20と30の最小公倍数である60秒後に両者が出発した点に戻ってくることが分かります。
ですので、以下\(0≦x≦60\)とします。
この問いでも点Rを用いて、点O,P,Qが一直線に並ぶ時刻を考えていきましょう。
(2)で得られたグラフに、横軸を時間・縦軸を弧CRの長さとしてグラフを描くと以下のようになります。
点O,P,Qが一直線に並ぶとき、点Qと点Rは重なります。
そのため、2つのグラフの交点において、点QとRが重なることが分かります。
そうすると、交点は5つとなるので、答えは5となります。
(5)の解説
最後に(5)です。
この問題でも点Rを用いて考えていきます。
Qは出発してから20秒間隔で点Dに到着するので、
出発してから144(=20×7+4)秒後の弧DQの長さは、出発してから4秒後の弧DQの長さと等しくなります。
よって、その長さは9×4=36cmとなります。
そのため、弧CQの長さは90-36=54cmです。
一方で、点Rは30秒ごとに点Cに戻ってくるので、
出発してから144(=30×4+24)秒後の弧CRの長さは、出発してから24秒後の弧CRの長さと等しくなります。
出発してから24秒後を考えると、出発から15秒後に点Rは点Dに到達しているため、
弧CRの長さは90-6×(24-15)=36cmとなります。
(弧QRの長さ)=|(弧CQの長さ)ー(弧CRの長さ)|ゆえ、弧QRの長さは54-36=18cmです。
ここで、
半径\(r\)で、中心角が\(a°\)のおうぎ形の弧の長さを\(l\)とする。
このとき、\(\displaystyle \frac{l}{2\pi r}=\frac{a}{360}\)が成り立つ。
ことを思い出しましょう。
弧QRは円周の長さが90×2=180cmの円上に位置するので、∠POQ=\(a°\)とすると、
\(\displaystyle \frac{a}{360}=\frac{18}{180}=\frac{1}{10}\)が成り立ちます。
これを解き、\(a=36°\)と分かります。
まとめ:[中学数学]図形的考察が求められる良問!2022年度千葉県「動点」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、2022年度千葉県で出題された「動点」の問題を解説しました。
いわゆる「関数」に分類される問題と言えど、「図形」の知識を総動員して思考することが求められていました。
また、それだけではなく問題文を読み解き、利用できそうな情報を利用することもこの問題を解くためのカギとなっていました。
以上をフルに用いて解く問題ですから、入試への対策として非常に良い問題です。
ですので、できなかったとしてもしっかりと復習し、その解き方を自分自身で再現できるようにしておきましょう。
引き続き過去問等の解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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