みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2023年度千葉県公立高校入試で出題された「平面図形」を解説していきます。
2023年度は全体を通して取り組みやすい問題が多かったですが、
今回解説する平面図形の最後の問題のみ突出して難しかったように感じます。
私も答えを導くのに時間を割いてしまいました。
今回は、その種明かしをしていきたいと思います。
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
「平面図形」攻略におすすめの書籍
「平面図形」攻略におすすめの書籍をご紹介します。
「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
(1)・(2)の解説
(1)・(2)は必ずできて欲しい問題です。
本番ではここまで解いて、他の問題を解いたり、見直しするのがよい戦略であったかと思います。
早速、情報を図に記入して整理していきます。
まず分かるのは弧BCに対する円周角なので、∠BEC=∠BDC=90°です。
(ですので、(1)の答えは(a):イ・(b):エ・(c):90)となります)
弧BEに対する円周角より、∠BDE=∠BCEです。
三角形の内角と外角の関係から、∠ABE=∠BEC+∠BCE=90°+∠BCE
また∠ADC=∠BDC+∠BDE=90°+∠BDE=90°+∠BCEとなるので、∠ABE=∠ADCが成り立ちます。
∠Aが共通であることも踏まえると、2組の角がそれぞれ等しいので、△ABE∽ADCとなります。
よって、証明の解答例は以下のようになります。
(証明)
△ABEと△ADCにおいて、
弧BCに対する円周角より、∠BEC=∠BDC=90°…①
弧BEに対する円周角より、∠BDE=∠BCE…②
三角形の内角と外角の関係より、∠ABE=∠BEC+∠BCE…③
また、∠ADC=∠BDC+∠BDEであり、
①~③より、∠ABE=∠ADC…④
∠Aは共通…⑤
④・⑤より、2組の角がそれぞれ等しいので、△ABE∽△ADC
(Q.E.D.)
(3)の解説
(3)がかなりの難問です。
∠A=30°・∠AEF=90°なので、特別な三角形の比より、AF=6と分かります。
よってABの長さを知るには、BFの長さが分かれば良いということになります。
問題文でEGとGFの長さが与えられていることから、
相似な三角形を見つけ出して求めればよいという方針が思い浮かびます。
以下では相似な三角形を見つけ出していきましょう。
∠AEF=∠AEB+∠BEF=90°および、∠BEC=∠BEF+∠CEF=90°ですから、
∠AEB=∠CEFとなることが分かります。
また、∠DEF=∠CEF+∠CED=90°および、∠BEC=∠BEF+∠CEF=90°ですから、
∠BEF=∠CEFとなることが分かります。
そして、弧CDに対する円周角なので、∠CED=∠CBDが成り立ちます。
∠EFBが共通であることも踏まえると、2組の角がそれぞれ等しいので、△FEB∽△FBGとなります。
したがって、BF:GF=EF:BFつまり、BF:2=(1+2):BFが成立します。
これを解くと、BF\(=\sqrt{6}\)[cm]となるため、AB\(=(6-\sqrt{6})\)[cm]と求まります。
追加問題も考えてみよう
実際に出題されたのは(3)までですが、せっかくなので追加として以下の問題を考えてみましょう。
(3)と同一の状況において、円Oの半径を求めなさい。
円Oの半径を求めるには、「方べきの定理」を活用すればよいことに気づきましょう。
円Oの半径を\(R\)[cm]とすれば、\(AB(AB+2R)=AE(AE+DE)\)…(*)が成り立ちます。
AB\(=(6-\sqrt{6})\)[cm],AE\(=3\sqrt{3}\)[cm]と分かっておりますから、DEの長さが分かればよいですね。
DEの長さを求めていきましょう。
以下の図の紫色の部分で「メネラウスの定理」を用いて、
\(\displaystyle \frac{AE+DE}{DE}×\frac{BF}{AB}×\frac{GE}{FG}=1\)が成り立ちます。
よって、DE=\(\displaystyle \frac{6\sqrt{2}+3\sqrt{3}}{5}\)[cm]が得られます。
これを(*)に代入して解くと、\(R=\displaystyle \frac{7\sqrt{6}+3}{5}\)[cm]となります。
まとめ:[中学数学]解けたらすごい!2023年度千葉県公立高校入試で出題された「平面図形」を解説!
いかがでしたか。
今回は、2023年度千葉県公立高校入試で出題された「平面図形」を解説しました。
(3)において相似な三角形を見つけ出せた受験生はそうそういなかったのではないのでしょうか。
上位校ではその他の問題を正解できている受験生も多いと思うので、数学でそこまで点差が開かないかもしれません。
とはいえ上位校では学校独自検査で「思考力を問う問題」が課されるので、そこでの勝負となると思います。
今年度は個人的にほどよい難易度の問題だったと思うので、来年度もこれくらいの難易度になることを期待したいです。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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