みなさんこんにちは、Yutaです。
今回は、2023年度中央大附属高で出題された「整数問題」を解説します。
この問題はいわゆる「階乗」に関する問題ですが、「二重階乗」を扱っているのが目新しいです。
これまで解説してきた「階乗」の問題にひねりが加えられているので、演習し甲斐がある問題となっています。
ぜひ、難関校を受験される方は取り組んでみてほしいと思います。
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今回解説する問題の概要
今回解説する問題の概要は以下の通りです。
自然数\(n\)に対して,\(n!=n×(n-1)×\cdots×2×1\),
また,正の偶数\(m\)に対して,\(m!!=m×(m-2)×\cdots×4×2\)と定める。
(1)\(10!\)は\(3\)で最大何回割り切れるか求めよ。
(2)\(k\)を自然数とするとき,\((2k)!!\)を\(k!\)を用いて表せ。
(3)\(100!!\)は\(3\)で最大何回割り切れるか求めよ。
(1)の解説
この問題は、以前解説した開成高の問題のときとまったく同じやり方で解けます。
そうすると、
\(1\)から\(10\)までの連続する自然数において、
- \(3\)で割り切れる数の個数は、\(10÷3=3\cdots1\)より\(3\)
- \(3^2\)で割り切れる数の個数は、\(10÷9=1\cdots1\)より\(1\)
となるので、答えは\(3+1=4\)となります。
(2)の解説
\begin{eqnarray}
(2k)!!&=&2k×(2k-2)×(2k-4)×\cdots×6×4×2\\
&=&2k×2(k-1)×2(k-2)×\cdots×(2×3)×(2×2)×(2×1)\\
&=&2^{k}×k×(k-1)×(k-2)×\cdots×3×2×1\\
&=&2^k×k!
\end{eqnarray}
と変形できます。
このとき、二重階乗の各因数を\(2×j\)(\(j\):\(1\)以上\(k\)以下の整数)と考えるのがポイントです。
このようにすると、2が\(k\)回現れることとなります。
そのため、答えは\((2k)!!=2^k×k!…(*)\)となります。
(3)の解説
(*)を利用すると、\(100!!=2^{50}×50!…(**)\)となります。
2と3は互いに素(最大公約数が1)なので(**)より、
\(100!\)と\(50!\)は3で割り切れる回数が同じになることが分かります。
ですので、\(50!\)が3で最大何回割り切れるかを調べます。
\(1\)から\(50\)までの連続する自然数において、
- \(3\)で割り切れる数の個数は、\(50÷3=16\cdots2\)より\(16\)
- \(3^2\)で割り切れる数の個数は、\(50÷9=5\cdots5\)より\(5\)
- \(3^3\)で割り切れる数の個数は、\(50÷27=1\cdots23\)より\(1\)
となるので、答えは\(16+5+1=22\)となります。
このように、2と3が互いに素であることを利用して\(50!\)が3で何回割り切れるかを考えることができたかがポイントでした。
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まとめ:[中学数学]「互いに素」を意識しよう!2023年度中央大附属高で出題された「整数問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、2023年度中央大附属高で出題された「整数問題」を解説しました。
「二重階乗」を考える興味深い問題でしたが、互いに素であることを利用して「階乗」が3で何回割り切れるかを考えることができたかがポイントでした。
「階乗」に関する問題はやはり頻出ですので、難関校志望の受験生の方は一度は取り組むようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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