みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、慶應義塾高校で出題された「階乗に関する整数問題」を解説していきます。
階乗をテーマとした問題は、高校入試においてもたびたび出題されます。
特に、慶應義塾高校では過去2年分で出題されています。
この問題は一度経験しておけば、解き方は同じなので、これに関する様々な問題に対応できます。
まずは自力で取り組んでみてください。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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問題の概要
慶應義塾高校で出題された次の「整数問題」に挑戦してみましょう。
正の整数\(N\)と\(a\)に対して、\(1×2×3×…×(N-1)×N\)を\(a\)で繰り返し割り切ることができる回数を[\(N,a\)]と表す。
例えば、\(N=5,a=2\)のとき、\(1×2×3×4×5=120\)であり、\(120\)は\(2\)で\(3\)回割り切ることができるので、[\(5,2\)]=\(3\)である。以下の問に答えよ。
(1)[\(10,2\)],[\(10,5\)],[\(10,10\)]を求めよ。
(2)[\(2016,10\)]を求めよ。
(3)[\(100,390\)]を求めよ。
(1)の解説
今回の問題のテーマとなっている、1から連続する正の整数の積を「階乗」といいます。
以下、\(1\)から\(n\)までの連続する正の整数の階乗を、\(n!\)と表します。
「階乗」の計算結果が10で何回割り切れるか(末尾に0が何個続くか)という問題はよく出題されます。
「階乗」をテーマとした問題は、他の記事でも解説しておりますのでこちらも是非ご覧ください。
(1)では、(2)および(3)につなげてゆくための考察を行ってゆきます。
1から10までの連続する正の整数において、各整数を素因数分解したとき、\(2\)が何回掛け算されているか(\(2\)で割り切れる回数)を調べます。
そうすると以下の表が得られます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
2で割り切れる回数 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 1 |
そうすれば、\(10!=K×2^{1+2+1+3+1}=K×2^{8}\)と表せますね(\(K\)は正の整数)。
次に、1から10までの連続する正の整数において、各整数を素因数分解したとき、\(5\)が何回掛け算されているか(\(5\)で割り切れる回数)を調べます。
そうすると以下の表が得られます。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
5で割り切れる回数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
そうすれば、\(10!=K’×5^{1+1}=K’×5^{2}\)と表せますね(\(K’\)は正の整数)。
以上を踏まえれば、\(10!=L×2^{8}×5^{2}=L×2^{6}×10^{2}\)(\(L\)は正の整数)となります。
これまでの結果から、
といえます。
よって、答えは、[\(10,2\)]\(=8\),[\(10,5\)]\(=2\),[\(10,10\)]\(=2\)となります。
(2)の解説
(1)と同様に考えていきます。
この問題では、\(2016!\)が\(5\)で何回割り切れるかを考えればOKです。
\(5^4=625, 5^5=3125\)となるので、\(2016\)以下の各正の整数は、\(5\)で最大でも\(4\)回しか割り切れないことに注意します。
\(2016\)以下の正の整数を、1から順に5で割っていきます。
このとき、
- 1巡目において、5で割り切れた整数の個数は、\(2016÷5=403…1\)より403個
- 2巡目において、5で割り切れた整数の個数は、
2016以下の正の整数に含まれる\(5^2\)の倍数の個数に等しいので、
\(2016÷5^2=80…16\)より、80個 - 3巡目において、5で割り切れた整数の個数は、
2016以下の正の整数に含まれる\(5^3\)の倍数の個数に等しいので、
\(2016÷5^3=16…16\)より、16個 - 4巡目において、5で割り切れた整数の個数は、
2016以下の正の整数に含まれる\(5^4\)の倍数の個数に等しいので、
\(2016÷5^4=3…141\)より、3個
以上より、[\(2016,10\)]\(=403+80+16+3=502\)となります。
(4)の解説
これまでと同様に考えていきます。
\(390=2×3×5×13\)と素因数分解ができ、100以下の正の整数の中に含まれる個数において、
\(13\)の倍数の個数<\(5\)の倍数の個数<\(3\)の倍数の個数<\(2\)の倍数の個数
となることは明らかです。
ですから、\(100!\)が\(390\)で何回割り切れるかを考えるときは、それが\(13\)で何回割り切れるかを考えればよいわけです。
\(13^2=169\)ですから、\(100\)以下の各正の整数は、\(13\)で最大でも\(1\)回しか割り切れないことに注意します。
そうすると、ここでは\(100\)以下の正の整数のうち、\(13\)の倍数が何個あるかをカウントすればよいです。
\(100÷13=7…9\)より、その個数が\(7\)であると分かります。
以上より、[\(100,390\)]\(=7\)となります。
まとめ:[中学数学]入試でよく出る!慶應義塾高「階乗に関する整数問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、慶應義塾高校で出題された「階乗に関する整数問題」を解説しました。
階乗を計算し、末尾に何個0が並ぶかを問う問題はよく出題されるので、その解き方を覚えておきましょう。
開成高校で出題された、このテーマの類題も解説しておりますので、合わせてご覧いただけると幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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