みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2022年度奈良県で出題された「円と相似」の難問を解説していきます。
例年、奈良県の「平面図形」の問題は難しいと私個人は感じています。
今回はそのうちの大問4を解説していきますが、
(1),(2)の正答率は5割を超えていたのに対して、(3),(4)の正答率はそれぞれ2.0%, 0.0%と極めて低いものでした。
とはいえ、これまで解説してきたように考えることができれば、(3),(4)の答えに辿り着けるはずです。
入試への対策としてはよい問題ですから、まずは自分で考えてみてから下の解説を読んでみてください!
問題はこちらから参照できます。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
図に情報を書き込んでみよう
まず問題で与えられている情報を図に書き込んでみましょう。
- △ABDは二等辺三角形より、∠ABD=∠ADB
- 弧ADに対する円周角は等しいので、∠ABD=∠ACD
- 弧ABに対する円周角は等しいので、∠ADB=∠ACB
- BCとAFは平行ゆえ錯角は等しいので、∠ACB=∠GAE
以上より、∠ABD=∠ADB=∠ACD=∠ACB=∠GAE
そうすると、(1)の答えはこの図より、\(2a°\)と分かります。
また、この図より、△AEFと△CEBは次のように証明できます。
(証明)
△AEFと△CEBにおいて、
対頂角は等しいので、∠AEF=∠CEB…①
BCとAFは平行ゆえ錯角は等しいので、∠EAF=∠ECB…②
①と②より、2組の角がそれぞれ等しいので、△AEF∽△CEB
(Q.E.D.)
(1)・(2)は必ず正解してほしい問題でした。
(3)の解説
いよいよ、圧倒的な難易度を誇る(3)・(4)を考えてゆきます。
まずは、(3)です。
(△AEBと△BCEの面積比)=AE:ECとなりますから、以下AE:ECを求めてゆきます。
辺の比を求めるときは、まず「相似な三角形」の活用を思い出しましょう。
そうすると、2組の角がそれぞれ等しいので、△ABCと△AEBが相似であることが分かります。
したがって、AB:AE=AC:ABが成り立つため、\(AE=\displaystyle \frac{9}{2}\)cmとなります。
また、\(EC=AC-AE=8-\displaystyle \frac{9}{2}=\frac{7}{2}\)cmです。
以上から、AE:EC=9:7となり、△ABEの面積は△BCEの面積の\(\displaystyle \frac{9}{7}\)倍となります。
(4)の解説
冒頭で示した図から、△ABDと△GACが相似であることが分かります。
そのため、AB:GA=BD:ACとなります。
いま、AB=6cm, AC=8cmと分かっているので、あとはBDの長さが分かればAGの長さが導けます。
ですので、以下ではBDの長さを求めてゆきましょう。
BD=BE+EDですから、BE, EDそれぞれの長さが分かればよいですね。
BEの長さに関しては、(3)で△ABCと△AEBが相似であることが分かっているので、
BC:EB=AC:ABより、BE=3cmです。
次に、EDの長さを考えましょう。
2組の角がそれぞれ等しいので、△AEDと△BECは相似となります。
よって、ED:EC=AD:BCが成り立ちます。
(3)より\(EC=\displaystyle\frac{7}{2}\)cmであり、AD=AB=6cm, BC=4cmですから、
\(ED=\displaystyle \frac{21}{4}\)cmとなります。
したがって、\(BD=BE+ED=3+\displaystyle \frac{21}{4}=\frac{33}{4}\)cmとなります。
以上より、AB:GA=BD:ACなので、\(AG=\displaystyle \frac{64}{11}\)cmと求まります。
まとめ:[中学数学]相似な三角形を見つけよう!2022年度奈良県「円と相似」の難問を解説!
いかがでしたか。
今回は、2022年度奈良県で出題された「円と相似」の難問を解説しました。
(3)および(4)は非常に難易度が高い問題ですが、
「相似な三角形」に注目できれば、解答への道筋を立てることができるかと思います。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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