みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、明治大付属明治高で出題された「方程式の共通解」に関する応用問題を解説していきます。
この手の問題は、明大明治ではほぼ毎年のように出題されています。
「連立方程式」および「2次方程式」に関する本質的な理解が問われる内容であります。
似たような問題は他の私立校でも出題されているので、
明大明治を目指す方はもちろんのこと、難関校を目指す方は是非チャレンジしてみましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
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問題の概要
まずは自力で以下の問を考えてみましょう。
【1】\(x,y\)に関する2つの連立方程式
\begin{cases}
-bx+5y=4a+3\\
5x-6y=3
\end{cases}
\begin{cases}
-3x+2y=7\\
ax+by=-12\\
\end{cases}
において、前者と後者の連立方程式の解において\(x\)の値が等しく、
前者の解の\(y\)の値に\(x\)の値の2倍を加えたものが後者の連立方程式の解の\(y\)の値と一致する。
このとき、以下の問に答えよ。
(1)前者の連立方程式の解を求めよ。
(2)\(a,b\)の値を求めよ。
【2】\(x\)についての2次方程式\(x^2-(a^2-4a+5)x+5a(a-4)=0\)において、\(a\)が正の整数であるとき、以下の問に答えよ。
(1)この2次方程式の解が1つになるような\(a\)の値を求めよ。
(2)この2次方程式の2つの解の差の絶対値が8となるような\(a\)の値をすべて求めよ。
【3】\(x\)についての2次方程式\(x^2+(a+1)(a+2)x-2a-8=0…①\)と
\(x^2-(a+4)x+2a^2+6a+4=0…②\)は、\(x=p\)を共通の解としてもつ。
このとき、以下の問に答えよ。
(1)\(p\)の値を求めよ。
(2)\(p,q,r\)はすべて異なる数とする。①の解が\(x=p,q\)で、②の解が\(x=p,r\)のとき、\(q\)の値を求めよ。
【1】の解説
(1)の解説
1つ目の連立方程式の解を\((x,y)=(p,q)\)と、2つ目の連立方程式の解を\((x,y)=(p,r)\)とおきます。
一般に、2つの連立方程式が共通の解を持つ場合は、
ことが基本です。
というわけで、文字係数を含まない1元1次方程式を取り出すと以下のようになります。
\begin{cases}
5p-6q=3\\
-3p+2r=7
\end{cases}
ここで、問題文に記載の条件より、\(r=2p+q\)が成り立つため、\(r\)を消去し、
\begin{cases}
5p-6q=3\\
-3p+2r=-3p+2(2p+q)=p+2q=7
\end{cases}
が成り立ちます。
これを解けば、1つ目の連立方程式の解が分かります。
よって、\((p,q)=(3,2)\)を得ます。
また、\(r=2×3+2=8\)となります。
(2)の解説
(1)の結果より、
\((x,y)=(p,q)=(3,2)\)を\(-bx+5y=4a+3\)に代入し整理すると、\(4a+3b=7…③\)を得ます。
また、
\((x,y)=(p,r)=(3,8)\)を\(ax+by=-12\)に代入し整理すると、\(3a+8b=-12…④\)を得ます。
③と④を連立させて解けば、\((a,b)=(4,-3)\)を得ます。
この問題のように、共通解が求まった後は、
ことが定石となっております。
こちらもぜひ覚えておきましょう。
【2】の解説
(1)の解説
2次方程式の解に関する問題ですから、「解と係数の関係」を思い出しましょう。
2次方程式の解が1つとなるというのは、解が重なることを意味します。
そこで、2次方程式の解を\(x=\alpha\)とおけば、解と係数の関係より
\begin{cases}
a^2-4a+5=a(a-4)+5=2\alpha …①\\
5a(a-4)=\alpha^2…②
\end{cases}
が得られます。
②ー①×5より、\(a(a-4)\)を消去し、整理すると、\(\alpha^2-10\alpha+25=0\)が得られます。
これを解くと、\(\alpha=5\)となります。
\(\alpha=5\)を②に代入し整理すると、\(a(a-4)=5\)を得ます。
この2次方程式を解き、\(a\)が正の整数であることに注意すれば、\(a=5\)となります。
(2)の解説
解を\(x=\beta,\gamma(\beta>\gamma)\)とおきます。
解と係数の関係より、
\begin{cases}
a^2-4a+5=a(a-4)+5=\beta+\gamma …③\\
5a(a-4)=\beta\gamma…④
\end{cases}
が成り立ちます。
さて、問題文より、\(\beta-\gamma=8\)であることが分かるため、両辺を2乗して
\begin{eqnarray}
(\beta-\gamma)^2&=&\beta^2-2\beta\gamma+\gamma^2\\
&=&(\beta+\gamma)^2-4\beta\gamma\\
&=&64…⑤
\end{eqnarray}
が得られます。
ここで、\(t=a(a-4)\)とおいて、③・④を⑤に代入すると、
$$(t+5)^2-4×5t=64$$
となります。
これを解いて、\(t=-3,13\)となります。
\(t=a(a-4)=-3\)を解くと、\(a=1,3\)となり、これら2つはともに正の整数となるのでOKです。
\(t=a(a-4)=13\)を解くと、正の整数解が得られません。
以上から、\(a=1,3\)が答えとなります。
2次方程式の解に関する問題では、
という解き方を覚えておきましょう。
【3】の解説
(1)の解説
①に\(x=p\)を代入して、\(p^2+(a+1)(a+2)p-2a-8=0…①’\)を得ます。
②に\(x=p\)を代入して、\(p^2-(a+4)p+2a^2+6a+4=0…②’\)を得ます。
先ほどご紹介した解法の定石に則り、①’ー②’を計算し、\(p^2\)を消去すると、
\begin{gather}
\{(a+1)(a+2)+a+4\}p-2a-8-(2a^2+6a+4)=0\\
(a^2+4a+6)p-(2a^2+8a+12)=0\\
(a^2+4a+6)p-2(a^2+4a+6)=0\\
(a^2+4a+6)(p-2)=0
\end{gather}
\(a^2+4a+6=(a+2)^2+2>0\)となりますから、
\((a^2+4a+6)(p-2)=0\)が成り立つとき、\(p=2\)が成り立つしかありません。
よって、\(p=2\)となります。
(2)の解説
②の2次方程式における「解と係数の関係」より、
\begin{cases}
r+2=a+4\\
2r=2a^2+6a+4\\
\end{cases}
整理すると、
\begin{cases}
r=a+2…③\\
r=a^2+3a+2…④\\
\end{cases}
③に④を代入して整理すると、\(a^2+2a=0\)を得ます。
これを解き、\(a=-2,0\)となります。
そうすると、\((a,r)=(-2,0),(0,2)\)です。
しかし、\((a,r)=(0,2)\)は、\(p=r\)となって不適です。
\(a=-2\)を①に代入すると、\(x^2-4=0\)となり、\(q=-2\)となります。
\(a=-2\)のとき、\(r=0\)であるため、\(p,q,r\)はすべて異なる値になります。
以上から、\(q=-2\)と決まります。
まとめ:[中学数学]明大明治では頻出!明治大付属明治高「方程式の共通解」に関する応用問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、明治大付属明治高で出題された「方程式の共通解」に関する応用問題を解説しました。
連立方程式と2次方程式とでは、共通解に関するアプローチの仕方が異なります。
今回ご紹介した解き方はよく用いられるものなので、覚えておきましょう。
なお、この種の問題は平面図形などの問題よりも取り組みやすいので、ぜひ本番で得点したいところです。
今後も、過去問の解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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