みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、国立高校の過去問のうち、「空間図形」の問題を解説していきます。
2022年度の問題を扱いますが、これまで説明してきた「空間図形」に関する知識をフルに活用することが求められています。
総合力が問われる良い問題ですので、ぜひ挑戦してみてもらいたいと思います。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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解説する問題の概要
今回は、2022年度に国立高校で出題された「空間図形」(大問4)を解説していきます。
問題はこちらから参照できます。
問1の解説
(1)の解説
まず、(1)です。
立方体ABCD-EFGHの体積を求めると、\(8^3[cm^3]\)となります。
次に、立体P-BFGの体積を求めると、\(\displaystyle \frac{1}{2}×(8-EP)×8×8×\frac{1}{3}\)となります。
後者の体積は前者の体積の\(\displaystyle \frac{1}{10}\)なので、以下が成立します。
$$\frac{1}{2}×(8-EP)×8×8×\frac{1}{3}=\frac{1}{10}×8^3$$
これを解くと、\(EP=\displaystyle \frac{16}{5}\)[cm]となります。
(2)の解説
続いて、(2)です。
この問題では、
- 展開図を書く
- 「最短距離」は「直線距離」である
の2点がポイントです。
これらを踏まえ、展開図を描くと以下のようになります。
なお、三平方の定理より、\(PB=PQ=\sqrt{(8-4)^2+8^2}=4\sqrt{5}\)[cm]です。
「最短距離」は「直線距離」ですから、点QはCPとBGの交点になります。
△BCGと△PBQは二等辺三角形ですから、QはBGの中点であり、∠CQB=90°です。
そうすると、三平方の定理より、\(PQ=\sqrt{(4\sqrt{5})^2-(4\sqrt{2})^2}=4\sqrt{3}\)[cm]です。
そのため、△PQGの面積は、\(\displaystyle \frac{1}{2}×4\sqrt{2}×4\sqrt{3}=8\sqrt{6}[cm^2]\)となります。
一方で△BQCの面積は、\(\displaystyle \frac{1}{2}×8^2×\frac{1}{2}=16[cm^2]\)です。
以上より、答えは\((16+8\sqrt{6})[cm^2]\)となります。
問2の解説
「等積変形」の考え方を3次元に応用しよう
立体N-LMPと立体I-LMPは、△LMPを共有しています。
以下の図に示すように、△LMPを含む平面とN,Iを含む平面が平行であれば、これら2つの体積は等しくなりますね。
これは、「等積変形」の考え方を3次元に応用したものと言えます。
ここに気づくことができれば、線分NIが△LMPを含む平面と平行になる条件を考えていけば答えは求まります。
△LMPを含む平面で立方体を切断する
解答方針が立ちましたので、それに則って解いていきます。
その際の第1ステップとして、△LMPを含む平面で立方体を切断してみます。
そのように切断したときに、その平面と辺CGの交点をQとし、その平面とBFとの交点をRとします。
PF:PE=2:3ですから、AEとBFは平行なので、RF:ME=2:3となります。
MからBFに垂線をひきその足をSとすれば、これを踏まえると、SR:ME=1:3となります。
よって、\(\displaystyle SR=\frac{4}{3}\)[cm]です。
なお、\(\displaystyle RF=\frac{8}{3}\)[cm]です(この値は後で使います)。
また、立体をある平面で切断するとき、「平行な面同士は平行に切れる」ので、
\(\displaystyle \frac{SR}{MS}=\frac{CQ}{LC}\)が成り立ちます。
この等式から、MS=8[cm], LC=4[cm]を踏まえると、\(CQ=\displaystyle \frac{2}{3}\)[cm]となります。
IGの長さを求める
そして、IGの長さを求めていきます。
点Rから辺CGに垂線を下ろし、その足をTとします。
そうすると、\(QT=\displaystyle 8-\frac{8}{3}-\frac{2}{3}=\frac{14}{3}\)[cm]です。
このとき、NIとRQは平行となるため、\(\displaystyle \frac{QT}{RT}=\frac{IG}{NG}\)が成り立ちます。
以上を踏まえると、NG=4[cm]であるため、\(IG=\displaystyle \frac{7}{3}\)[cm]と求まります。
まとめ:[中学数学]「空間図形」に関する総合力が問われる良問!国立高校の過去問を解説!
いかがでしたか。
今回は、国立高校の過去問のうち、「空間図形」の問題を解説しました。
「立方体の切断」や「底面を共有する立体の体積が等しくなる条件」など、
さまざまな知識を組み合わせ応用する力の問われる非常に良い問題でした。
東京都で自校作成問題を採用している学校の問題は、特別な知識を必要とせず、
中学で学んできた内容を高度に組み合わせて思考させる良問が多いです。
いろいろと問題演習を行いたい受験生の方は、他の自校作成問題を解いてみるとよいかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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