みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回のテーマは、「一次関数のグラフと図形の融合問題」についてです。
今回は「一次関数の応用問題」の問題演習として「一次関数のグラフと図形の融合問題」に挑戦していきます。
今回解説する内容は、必ず学校の実力テストや模試等で出題されますし、入試への基礎力を鍛えるには良い問題です。
ですので、しっかりとこの問題の解き方を攻略しましょう!
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
関数のグラフと図形の融合問題攻略におすすめの問題集
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2017年・東京都・大問3
まず、2017年東京都の大問3に挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
問1の解説
\(y=-3x+9\)に\(x=-1\)を代入して、\(y=12\)となり、これが答えとなります。
なお、\(y=-3x+9\)に\(y=0\)を代入して\(x\)について解くと、\(x=3\)を得ます。
よって、B(3,0)となります(この結果はあとの問題で利用します)。
問2の解説
①の解説
「関数のグラフと図形の融合問題」の解法の定石より、
- 三角形の頂点を通る直線がその面積を二等分するとき、その直線は底辺の中点を通過する
- 中点の座標は、2点の座標の平均で求められる
ことがポイントでした。
このとき、PはA,Cの中点となるため、\(x\)座標は以下のようになり、
$$\frac{0+3}{2}=\frac{3}{2}$$
\(y\)座標は以下のようになります。
$$\frac{9+0}{2}=\frac{9}{2}$$
よって、C\((-12,0)\), P\((\frac{3}{2},\frac{9}{2})\)を通る直線の式は以下のようになります。
\begin{eqnarray}
y&=&\frac{\frac{9}{2}-0}{\frac{3}{2}-(-12)}(x+12)\\
&=&\frac{2×(\frac{9}{2}-0)}{2×\{\frac{3}{2}-(-12)\}}(x+12)\\
&=&\frac{9}{3-(-24)}(x+12)\\
&=&\frac{1}{3}x+4
\end{eqnarray}
②の解説
「関数のグラフと図形の融合問題」の鉄則に従い、「図形の知識」を利用して解いていきましょう。
三角形の面積を考えているので、
高さが同じである三角形の面積比は、底辺の長さの比に等しい
ことを利用します。
△ACPの面積を1とすると、△CDPの面積は\(\frac{2}{5}\)となります。
下の図より、
(△CDPの面積):(△BDPの面積)=3:2=\(\frac{2}{5}\):\(\frac{4}{15}\)
となるので、
(△CDPの面積):(△ABCの面積)
=\(\frac{2}{5}\):(\(1+\frac{2}{5}+\frac{4}{15}\))
=6:(15+6+4)
=6:25
を得ます。
△ABCの面積は、
$$\frac{1}{2}×(12+3)×9=\frac{15×9}{2}$$
となり、Pの\(y\)座標は\((-3t+9)\)となるため、△CDPの面積を考えると以下の方程式が成立します。
\begin{gather}
\frac{1}{2}×9×(-3t+9)=\frac{6}{25}×\frac{15×9}{2}
\end{gather}
この方程式を解くと、以下のようになります。
$$t=\frac{9}{5}$$
2021年・東京都・大問3
続いて、2021年の東京都の大問3に挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
問1の解説
\(y=-2x+14\)に\(y=10\)を代入して、\(x\)についての方程式を解くと、
\begin{gather}
-2x+14=10\\
-2x=-4\\
x=7
\end{gather}
となり、これがPの\(x\)座標になります。
問2の解説
\(x=4\)のとき、\(y=-2x+14=6\)となり、P(4,6)です。
直線\(m\)はA(-12,-2)とP(4,6)を通るので、その直線の式は、
\begin{eqnarray}
y&=&\frac{6-(-2)}{4-(-12)}(x-4)+6\\
&=&\frac{1}{2}(x-4)+6\\
&=&\frac{1}{2}x+4\\
\end{eqnarray}
よって、①にはイ、②にはアが入ります。
一次関数の式の決定に関しては、こちらも合わせてご覧ください。
問3の解説
「関数のグラフと図形の融合問題」の解法の定石より、Pの\(x\)座標を\(t\)とおきます。
2つの点が\(x\)軸に関して対称であるとき、
(一方の点の\(y\)座標)=(-1)×(もう片方の点の\(y\)座標)
が成立します。
よって、Q\((t,2t-14)\)となります。
△APBと△APQはともに底辺がAPとなりますね。
また、「関数のグラフと図形の融合問題」では「図形に関する知識を利用する」のが鉄則でした。
このとき、
底辺を共有する三角形の面積が等しくなるとき、「等積変形」を活用する
のがポイントです。
それを利用すれば、「点Bを通り直線\(m\)に平行である直線は、点Qを通過する」ことになります。
直線\(m\)の傾きは、以下のように求まります。
\begin{eqnarray}
\frac{(-2t+14)-(-2)}{t-(-12)}=\frac{-2t+16}{t+12}
\end{eqnarray}
点B,Qを通る直線の傾きは、以下のようになります。
\begin{eqnarray}
\frac{(2t-14)-14}{t-0}=\frac{2t-28}{t}
\end{eqnarray}
よって、両者は一致するため、次の方程式を解き、\(t>7\)であることに注意して
\begin{gather}
\frac{-2t+16}{t+12}=\frac{2t-28}{t}\\
t(-2t+16)=(2t-28)(t+12)\\
t(-t+8)=(t-14)(t+12)\\
2t^2-10t-14×12=0\\
t^2-5t-84=0\\
t=-7,12
\end{gather}
より、\(t=12\)となります。
2010年・市川高・大問3
最後に、2010年市川高校の大問3に挑戦してみましょう。
問題はこちらから参照できます。
(1)の解説
まず、直線OA,ABの式を求めます。
直線OAの方程式は、\(y=\frac{6}{3}x=2x\)です。
直線ABの方程式は、以下のようになります。
\begin{eqnarray}
y&=&\frac{0-6}{9-3}(x-9)\\
&=&-x+9
\end{eqnarray}
\(t\)秒後において、SとRの\(x\)座標はそれぞれ、\(t,(9-3t)\)となります。
よって、Sの\(y\)座標は、\(2t\)となります。
また、Rの\(y\)座標は以下のようになります。
$$-(9-3t)+9=3t$$
以上から、S\((t,2t)\),R\((9-3t,3t)\)を得ます。
(2)の解説
PQ\(=(9-3t)-t=9-4t\)となることから、台形PQRSの面積を考え、以下の方程式が成立します。
$$\frac{1}{2}×(2t+3t)×(9-4t)=\frac{45}{4}$$
これを解き、以下を得ます。
$$t=\frac{3}{4},\frac{3}{2}$$
これらはいずれも2以下となるため、問題の条件に合致します。
よって、これら2つが答えとなります。
まとめ:[中学数学]入試への基礎固めに最適!「一次関数のグラフと図形の融合問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、「一次関数のグラフと図形の融合問題」を学習しました。
「2次関数のグラフと図形の融合問題」を学習する前に、今回扱った問題をスラスラと解けるようになれば、その学習もスムーズに進みます。
「等積変形」や「三角形の面積比」はこの手の問題でよく出題されますから、これらの活用法も今のうちに身につけることが大切です。
引き続き、関数のグラフと図形の融合問題について解説していきますのでお楽しみに。
最後までご一読いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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