みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、一橋大学で出題された「連立方程式に関する整数問題」を解説していきます。
この問題は大学入試で出題されたものであるものの、中学生でも解くことが可能です。
とはいえ難しい問題ではあるので誘導を付けておきますが、
数学が得意な人は誘導を見ずに自力で解いてみるとよいでしょう。
この手の問題は灘高校等で出題される可能性もあるので、こちらを目指す方はぜひ取り組んでおきたいところです。
それではまずはチャレンジしてみてください!
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
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問題の概要
一橋大学で出題された次の「整数問題」に挑戦してみましょう。
次の問に答えよ。
(1)\(p,q\)を実数とする。このとき、2次方程式\(t^2+pt+q=0\)が実数解を持つ条件を求めよ。
(2)\(x,y,z\)を整数とする。このとき、連立方程式
\begin{cases}
x^2=yz+7…①\\
y^2=zx+7…②\\
z^2=xy+7…③
\end{cases}
を考える。以下の問に答えよ。(一橋大学・改題)
(i)①から②を引いて得られる式を求めよ。
(ii)②から③を引いて得られる式を求めよ。
(iii)この連立方程式を満たす\((x,y,z)\)の組をすべて求めよ。
(1)の解説
2次方程式に関する問題なので、「解の公式」を思い出しましょう。
そうすると、\(t=\displaystyle \frac{-p \pm \sqrt{p^2-4q}}{2}\)となります。
この2次方程式が実数解をもつとき、根号の中は0以上でなければならないので、
\(p^2-4q≧0\)が得られます。
(2)の解説
(i)の解説
問題の指示通り、①ー②を計算すると、
\begin{gather}
x^2-y^2=yz-zx\\
(x+y)(x-y)=-z(x-y)\\
(x-y)(x+y+z)=0
\end{gather}
を得ます。
(ii)の解説
問題の指示通り、②ー③を計算すると、
\begin{gather}
y^2-z^2=zx-xy\\
(y+z)(y-z)=-x(y-z)\\
(y-z)(x+y+z)=0
\end{gather}
を得ます。
(iii)の解説
いよいよ、本題である(iii)を解説していきます。
結局のところ、もとの連立方程式は、(i)および(ii)の結果を用いて、
\begin{cases}
x^2=yz+7…①\\
(x-y)(x+y+z)=0…④\\
(y-z)(x+y+z)=0…⑤\\
\end{cases}
と変形できます。
そうすると、④および⑤から、\((x+y+z)\)の値が0であるかそうでないかで場合分けすることができますね。
以下では、そのように場合分けして考えていきます。
\(x+y+z≠0\)の場合
\(x+y+z≠0\)のとき、④および⑤から、\(x=y=z\)となりますね。
これを①に代入すると、\(x^2=x^2+7\)となり、明らかに等号が成立しないことが分かります。
ですので、\(x+y+z≠0\)は不適です。
\(x+y+z=0\)の場合
\(x+y+z=0\)の場合、これを式変形して、\(x=-y-z\)となります。
これを①に代入して、
\begin{gather}
(-y-z)^2=yz+7\\
y^2+2yz+z^2=yz+7\\
y^2+yz+z^2-7=0…(*)
\end{gather}
(*)を\(y\)に関する2次方程式とみれば、\(y\)は整数(もっといえば、実数)なので、これは実数解を持たなければなりません。
そうすると、(1)の結果を用いて、\(z^2-4(z^2-7)=-3z^2+28≧0\)となります。
この不等式を満たすのは、\(z^2=0,1,4,9\)に限られることが分かります。
\(z^2=0\)のとき、(*)にそれを代入すると、\(y^2-7=0\)となります。
しかし、これを解いても整数解を得られないので、不適です。
\(z^2=1\)つまり、\(z=\pm1\)のとき、それらを(*)に代入して得られる2次方程式を解いて、
\((y,z)=(-3,1),(2,1),(-2,-1),(3,-1)\)となります。
\(x+y+z=0\)を踏まえれば、
\((x,y,z)=(2,-3,1),(-3,2,1),(3,-2,-1),(-2,3,-1)\)を得ます。
\(z^2=4\)のとき、同様にして、
\((x,y,z)=(1,-3,2),(-3,1,2),(3,-1,-2),(-1,3,-2)\)を得ます。
\(z^2=9\)のとき、同様にして、
\((x,y,z)=(-1,-2,3),(-2,-1,3),(2,1,-3),(1,2,-3)\)を得ます。
整数問題では範囲を絞るのが1つの解法の定石ですが、
という手法も覚えておくとよいでしょう。
まとめ:[大学入試]中学生でも解ける!一橋大学「連立方程式に関する整数問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、一橋大学で出題された「連立方程式に関する整数問題」を解説しました。
2次方程式が実数解を持つ条件に注目した絞り込みなど、高校入試でも有用なテクニックかと思います。
ぜひ、覚えておきましょう。
今後も引き続き、過去問の解説を行っていくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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