[大学入試]中学生でも解ける!早稲田大学理工3学部数学「2次式の決定」に関する問題を解説!

[大学入試]中学生でも解ける!早稲田大学理工3学部数学「2次式の決定」に関する問題を解説!中学数学

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

今回は、早稲田大学理工3学部の数学「2次式の決定」に関する問題を解説していきます。

類題として、名古屋大学の問題を以前解説しましたが、それと比べればかなり解きやすいかと思います。

ここで求められる考え方もこれまでと一緒ですから、ぜひ挑戦してみてください!

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

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問題の概要

早稲田大学理工3学部の数学で出題された次の問題に挑戦してみましょう。

\(p,q\)を相異なる素数とする。次の3条件を満たす\(x\)の2次式\(f(x)\)を考える。

  • 係数はすべて整数で、\(x^2\)の係数は1である。
  • \(f(1)=pq\)である。
  • 方程式\(f(x)=0\)は整数解をもつ。

以下の問に答えよ。

(1)\(f(x)\)をすべて求めよ。
(2)(1)で求めたものを\(f_1(x),f_2(x),…,f_m(x)\)とする。
\(2m\)次方程式\(f_1(x)×f_2(x)×…×f_m(x)=0\)の相異なる解の総和は\(p,q\)によらないことを示せ。

(1)の解説

\(f(x)\)をどう置く?

この問題は、初手が大切です。

\(f(1)=pq\)であるという条件がありますから、\(f(x)\)を因数分解された形でおくと考えやすくなるかと思います。

\(x^2\)の係数は1ですから、\(f(x)=(x-\alpha)(x-\beta)\)とおくことができます。

そうすると、2次方程式\(f(x)=0\)の解は、\(x=\alpha,\beta\)となります。

ここで2次方程式\(f(x)=0\)が整数解をもつという条件から、\(\alpha\)を整数としましょう。

そうすると、\(\beta\)は整数になるのかそうでないのかのどちらでしょうか。

\(f(x)=(x-\alpha)(x-\beta)=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha \beta\)となりますね。

\(f(x)\)の係数はすべて整数ですから、当然\(x\)の係数も整数となります。

\(\alpha\)は整数ですから、\(x\)の係数が整数になるためには、\(\beta\)も整数である必要があります

以上を踏まえ、\(f(1)=pq\)という条件を考えていきます。

整数問題で「おなじみ」の議論に帰着させる

\(\alpha≧\beta\)そして\(p>q\)としても一般性を失わないので、以下そのように考えることにします。

そうすると、\(f(1)=pq\)より、

\((1-\alpha)(1-\beta)=pq\)という整数問題でおなじみの「因数分解」された形での議論ができることになりますね。

\(p,q\)が相異なる素数であることより、考えられる\((1-\alpha,1-\beta)\)の組は以下の通りです。

なお、\(\alpha≧\beta\)より\(1-\beta≧1-\alpha\),

そして、\(p>q\)より\(-q>-p\)であることに注意します。

$$(1-\alpha,1-\beta)=(1,pq),(q,p),(-pq,-1),(-p,-q)$$

よって、\((\alpha,\beta)\)の組は以下のように求まります。

$$(\alpha,\beta)=(0,1-pq),(1-q,1-p),(1+pq,2),(p+1,q+1)$$

以上から、\(f(x)\)は以下の4つとなります。

\begin{eqnarray}
f(x)=x(x+pq-1),(x+p-1)(x+q-1),\\
(x-2)(x-pq-1),(x-p-1)(x-q-1)
\end{eqnarray}

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(2)の解説

(1)の結果より、\(2m\)次方程式\(f_1(x)×f_2(x)×…×f_m(x)=0\)は、

\begin{eqnarray}
x(x+pq-1)(x+p-1)(x+q-1)(x-2)(x-pq-1)(x-p-1)(x-q-1)=0
\end{eqnarray}

となりますね。

この方程式の解は、左辺が因数分解されており、

2次方程式と同様にそれぞれの因数が0になればよいので、

\(x=0,1-pq,1-p,1-q,2,1+pq,p+1,q+1\)となります。

いま、\(p>q(≧2)\)と考えていますので、

\(1-pq<1-p<1-q<0<2<q+1<p+1<1+pq\)

となって、それぞれが相異なる整数であるといえます。

そして、これらをすべて足し合わせると8となり、解の総和は\(p,q\)によらないことがいえます。

(1)ができれば、(2)はスムーズに解けるかと思います。

[大学入試]中学生でも解ける!早稲田大学理工3学部数学「2次式の決定」に関する問題を解説!

いかがでしたか。

今回は、早稲田大学理工3学部の数学「2次式の決定」に関する問題を解説しました。

初手を間違えると議論が面倒になるものの、先を見据えて適切に2次式をおくことができれば、

あとは整数問題でおなじみの議論に持ち込むだけです。

そうすれば中学生でも正解できる問題であるので、整数問題のトレーニングとして演習価値のある問題かと思います。

引き続き、過去問の解説を行っていくのでお楽しみに。

最後までご覧いただきありがとうございました。

また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。

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