みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、灘高校で出題された「証明問題」を解説していきます。
灘高校の問題であるがゆえ難しそうな印象がありますが、今回解説する問題は難易度としては公立高校入試より少し難易度が高いレベルです。
そのため、公立高校入試対策としても最適な問題となっています。
ですので、公立高校入試を受ける方もぜひ挑戦してみてください。
また、本記事と合わせて以下の記事もご覧ください。
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問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
問題の解説
早速、解説に入っていきましょう。
(1)の解説
∠CHD=∠CGEを示す問題です。
2つの角の大きさが等しいことを示すには、2つの三角形の合同または相似を示せばよいことをまず想起しましょう。
そうすると、これら2つの角を含む三角形が△CHDと△CGEですから、これら2つが合同または相似であることを証明すればよいこととなります。
では、これら2つの合同・相似どちらで示していけばよいのでしょうか。
図に情報を書き込みながら考えていきましょう。
△CHDと△CGEはどのような関係にある?
図に情報を書き込みながら考えていきましょう。
EはCHの中点であり、CD・CEは円O’の半径となるので、EH=CD=CEが成り立ちます。
また、CGはABに直交します。
ここで、
弦と直径が直交するとき、直径はその弦を垂直に二等分する
ことを利用しましょう。
2つの直角三角形の合同を示すことによってそれが導かれます(答案では念のためこの証明も付記しておきます)。
そうすると、CD=DGも分かります。
以上から、
- CH=CG
- CD=CE
- 共通より、∠DCH=∠ECG
→「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」ので、△CHD≡△CGE
といえます。
以上を証明にまとめましょう。
証明の解答例
今回の証明では、
1.△PCD≡△PGDを示し、CD=GDを導く
2.△CHD≡△CGEを示し、結論が正しいことを導く
という流れで書いていくとよいです。
以下、証明の解答例です。
(証明)
円Oの中心をPとする。
△PCDと△PGDにおいて、
仮定より、∠PDC=∠PDG=90°…①
円Oの半径なので、PC=PG…②
PDは共通…③
①~③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、
△PCD≡△PGD
よって、CD=GD…④
次に、△CHDと△CGEにおいて、
仮定より、EH=CE…⑤
円O’の半径なので、CD=CE…⑥
④~⑥より、EH=CE=CD=GD…⑦
⑦より、
CH=CE+EH=2CD…⑧
CG=CD+GD=2CD…⑨
⑧・⑨より、CH=CG…⑩
共通より、∠DCH=∠ECG…⑪
⑥・⑩・⑪より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△CHD≡△CGE
よって、∠CHD=∠CGE
(Q.E.D.)
(2)の解説
どのようにしてMがCDの中点であることを示す?
MがCDの中点であることを証明する問題ですが、その証明の道筋を逆算的に考えていきましょう。
MがCDの中点であるなら、CE:EH=CM:MD=1:1ゆえ、EFとHDは平行となるはずです。
平行線の同位角は等しいので、∠CHD=∠CEFとなります。
よって、
∠CHD=∠CEFを示して、EFとHDが平行であることを導き、
平行線と線分比の関係からCE:EH=CM:MD=1:1となることを導けばよい
という証明の方針が見えてきます。
つまり、∠CHD=∠CEFが証明できればよいということです。
以下では、∠CHD=∠CEFをどう証明するかを考えていきましょう。
∠CHD=∠CEFをどう示す?
ここでも図に情報を書き込みながら考えていきます。
円周角の定理を用いれば、弧CEに対する円周角は等しいので、∠CGE=∠CFEです。
また、CEとCFは円O’の半径より、△CEFは二等辺三角形となりますね。
ですので、∠CEF=∠CFEであるといえます。
よって∠CGE=∠CFEであり、(1)の結果を踏まえると、∠CHD=∠CEFとなります。
以上を踏まえて、証明を書いていきます。
(証明)
(1)の結果より、∠CHD=∠CGE…①
弧CEに対する円周角は等しいので、∠CGE=∠CFE…②
CEとCFは円O’の半径より、△CEFは二等辺三角形となる。
よって、∠CEF=∠CFE…③
①~③より、∠CHD=∠CEF
よって、EFとHDは平行となり、EはCHの中点であるから、
CE:EH=CM:MD=1:1がいえる。
したがって、MはCDの中点である。
(Q.E.D.)
まとめ:[中学数学]公立対策にも最適な問題!灘高校で出題された「証明問題」を解説!
いかがでしたか。
今回は、灘高校で出題された「証明問題」を解説しました。
「逆算思考」・「積み上げ思考」の行き来がこの問題でも求められていました。
今回の問題は誘導が最小限となっており、これを公立高校の入試レベルに焼き直せばもう少し丁寧な誘導がつくはずです。
とはいえ最低限の誘導で解答を導けるようになっていければ、公立高校の問題も取り組みやすくなります。
ですので、必要以上に誘導に頼らずに自力で証明の道筋を構想する練習が大切です。
今後もこのような問題を解説していきますので、お楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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