みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、立教新座高校で出題された「円錐台と最短距離」に関する問題を解説していきます。
直方体や円錐にひもを巻き付ける問題は多々ありますが、円錐台にそれを巻き付けるのは目新しいと思います。
特に、後半の2つの円錐台を組み合わせた立体にひもを巻き付ける問題は少々厄介です。
これまで解説してきたことを活用しながら、ぜひ考えていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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問題の概要
以下の問題をまずは自分で考えてみましょう。
底面の半径が2cm, 母線の長さが12cmの円錐がある。
この円錐を母線の中点を通り底面と平行な面で切断して、図1のような立体をつくる。
また、ABは底面の円の直径、CDは切断面の直径を表し、ABとCDは平行である。
次の問に答えよ。
(1)図1の立体に点Aから立体の周りにひもを1周巻きつけて再び点Aに戻す。
ひもの長さが最短になるとき、ひもの長さを求めよ。
(2)図1の立体に点Aから点Cまで立体の周りにひもを1周巻きつける。
ひもの長さが最短になるとき、ひもの長さを求めよ。
(3)図2は図1の立体を2個つくり、それらの切断面をはり合わせたものである。
また、EFは底面の円の直径を表し、CDとEFは平行である。
①図2に立体において、点Aから点Eまで立体の周りにひもを2周巻きつける。
ひもの長さが最短になるとき、ひもの長さを求めよ。
②図2に立体において、点Aから点Eまで立体の周りにひもを3周巻きつける。
ひもの長さが最短になるとき、ひもの長さを求めよ。
(1)の解説
まず、(1)です。
この手の問題は、「展開図」をもとに考えてゆくのが定石です。
ですので、図1の側面の展開図を描いてみましょう(AとA’・CとC’は互いに重なります)。
このとき、∠AOA’の大きさについて扇形OAA’の弧の長さとABを直径とする円の周の長さが一致するため、
∠AOA’\(=a°\)とすると、\(2×12\pi×\displaystyle \frac{a}{360}=2×2\pi\)が成立します。
よって、\(a=60°\)です。
最短距離は「直線距離」ですから、AA’の長さを求めればよいこととなります。
△OAA’は正三角形になるので、AA’=OA=12cmと求まります。
(2)の解説
次に、(2)の解説です。
この問題では、AとC’の間の直線距離を求めればよいですね。
△AA’C’は「90°・60°・30°の直角三角形」ですから、AC’\(=6×\sqrt{3}=6\sqrt{3}\)cmとなります。
(3)の解説
①の解説
まず、①の解説です。
図2の立体の側面の展開図を描くと、以下のようになります(EとE’は重なります)。
この状態だと考えづらいので、これら2つの扇形を連結させて考えます。
そうすると、以下のようになります。
この図より、ひもの長さが最短になるとき、(2)で求めた値を2倍すればよいことが分かります。
よって、答えは\(12\sqrt{3}\)cmとなります。
②の解説
続いて、②の解説です。
この問題では、①の結果をもとに考えてゆくと分かりやすいです。
そうすると、①で示したひもの通る軌跡(青線)は以下のように書き換えることができます。
3周巻き付けてひもの長さが最短となるには、上の図で示したCとC’を最短距離で結べばよいこととなります。
ひもは側面に沿って巻き付けるため、ひもの通る軌跡は側面上に現れる必要があり、
両者を直線で結ぶとその軌跡は側面上に現れないこととなってしまいます。
そのため、両者を円弧で結ぶ必要があるのです。
弧CC’の長さは、\(2×6\pi×\displaystyle\frac{60}{360}=2\pi\)cmとなります。
よって、答えはこの値と①で求めた値を足し合わせればよいので、\((2\pi+12\sqrt{3})\)cmです。
まとめ:[中学数学]立教新座高校で出題された「円錐台と最短距離」に関する問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、立教新座高校で出題された「円錐台と最短距離」に関する問題を解説しました。
円錐台を2つ組み合わせた立体にひもを3回巻き付ける問題が特に厄介で、
その前の問で得られたひもの通った軌跡を書き換えられるかがポイントでした。
その他は典型問題なので、立教新座をはじめとした難関校を目指す方は自力で正解できることが望ましいです。
引き続き過去問等の解説を行ってゆくのでお楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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