みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回は、2023年度山梨県公立高校入試「空間図形」の問題を解説していきます。
最後の小問の体積を求める問題がかなり難しかったのではないかと思います。
これまで解説してきた手法を駆使すれば、解答をしっかりと導けます。
学習の参考としてぜひお役立てください。
また、本記事と合わせて以下の記事も是非ご覧ください。
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問題の概要
今回解説する問題はこちらから参照できます。
今回は大問6の(3)を解説していきます。
解答の方針
図3より、注目する立体に関してB,D,H,Fを通る平面が「対称面」であることに気づきましょう。
ですので対称面で立体を切断し、
四角すいA-QLIPと、P・Q・Q’・L・I・P’を頂点とする立体の体積を求めて、それらの合計を2倍する
と求められそうです。
以下、この方針に則って解いていきましょう。
四角すいA-QLIPの体積は?
四角すいA-QLIPの体積を直接求めるのは難しいです。
そこで以下の図のように、
三角すいR-SKLを作り、そこから三角すいR-APQおよび三角すいA-SLKの体積を引く
という方針で解いていきましょう。
この考え方は立方体の切断に関する記事でも説明していますので、こちらもぜひご覧ください。
PQ:DB=2:8であり、中点連結定理からKL:HF=1:2であることが分かります。
DB=HFですので、PQ:LK=2:4=1:2です。
そのため、RP:PL=1:1であり、それに伴い三角すいR-APQと三角すいA-SLKの高さの比は1:1となります。
ですから、点Rから△APQに引いた垂線の長さは8cmです。
また、△AQP∽△SKLですからPQ:LK=1:2なので、両者の面積比は1:4となります。
△APQの面積は\(\displaystyle 8×8×\frac{1}{2}×\frac{2}{8}=8\)cm2となるので、
△SKLの面積は\(8×4=32\)cm2で、
三角すいR-APQの体積は\(\displaystyle 8×8×\frac{1}{3}=\frac{64}{3}\)cm3であり、
三角すいA-SLKの体積は\(\displaystyle 32×8×\frac{1}{3}=\frac{256}{3}\)cm3となります。
三角すいR-APQと三角すいR-SLKは相似であり、相似比はPQ:LK=1:2ですので、
三角すいR-APQの体積は、\(\displaystyle \frac{64}{3}×\frac{2^3}{1^3}=\frac{64×8}{3}\)cm3です。
以上から四角すいA-QLIPの体積は、
\(\displaystyle \frac{64×8}{3}-\frac{64}{3}-\frac{256}{3}=\frac{192}{3}\)cm3となります。
P・Q・Q’・L・I・P’を頂点とする立体の体積は?
続いて、P・Q・Q’・L・I・P’を頂点とする立体の体積を求めましょう。
以下の図のように、
四角すいQ-Q’LT’T・三角柱QTT’-MUU‘・四角すいM-UU’IP’の体積を求め、足し合わせる
と解けます。
ただし、四角すいQ-Q’LT’Tと四角すいM-UU’IP’は合同なので、片方の体積を求めることができればOKです。
なお、T,UはP,QそれぞれからE,F,G,Hを含む平面に垂線を引いたときの足です。
また、T’,U’はT,Uそれぞれを通り、IJと平行になる直線とLIの交点です。
このように、立体を分割して考えることがポイントです。
四角すいM-UU’IP’の体積は?
まず、四角すいM-UU’IP’の体積を求めましょう。
中点連結定理を用いると、四角形LIJKは1辺の長さが\(\displaystyle 8\sqrt{2}×\frac{1}{2}=4\sqrt{2}\)cmの正方形となります。
ですので、P’U=\(\displaystyle 4\sqrt{2}×\frac{1}{4}=\sqrt{2}\)cmであり、
UU’=\(\displaystyle 4\sqrt{2}×\frac{1}{2}=2\sqrt{2}\)cmとなります。
よって、四角すいM-UU’IP’の体積は、
\(\displaystyle 2\sqrt{2}×\sqrt{2}×8×\frac{1}{3}=\frac{32}{3}\)cm3です。
三角柱QTT’-MUU’の体積は?
続いて、三角柱QTT’-MUU’の体積を求めていきます。
TU=\(\displaystyle 4\sqrt{2}×\frac{2}{4}=2\sqrt{2}\)cmですから、
求める体積は、\(\displaystyle 2\sqrt{2}×8×\frac{1}{2}×2\sqrt{2}=32\)cm3です。
以上から、P・Q・Q’・L・I・P’を頂点とする立体の体積は、
\(\displaystyle 2×\frac{32}{3}+32=\frac{160}{3}\)cm3です。
よって答えは、
\(\displaystyle 2×(\frac{192}{3}+\frac{160}{3})=\frac{704}{3}\)cm3と求まります。
まとめ:2023年度山梨県公立高校入試「空間図形」の問題を解説!
いかがでしたか。
今回は、2023年度山梨県公立高校入試「空間図形」の問題を解説しました。
「対称性」・「分割」といったこれまで解説してきた技法をフルに活用すれば解ける問題でした。
しかし、計算結果が汚くなる上、計算も大変なので本番ではこの問題は捨てた方がよかったかもしれません。
日々の学習では思考力を鍛えてゆくことが大切なので、このような問題に対しても考えるようにしていきたいところです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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