みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
前回まで、面積比・線分比に関する問題のアプローチの仕方を解説してきました。
今回のテーマは、「円・相似の融合問題」の解き方についてです。
円を題材とした問題は公立私立問わず出題され、特に難問化しやすいです。
とはいえ、今回の内容をおさえてもらえれば、公立高校入試では十分に対応できるかと思います。
それでは、解説に入っていきましょう。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
2020・千葉(前期)・第4問(2)を考えてみよう
まず、2020年の千葉県(前期選抜)の第4問(2)を考えてみましょう。
問題はこちらから参照できます。
この問題は実は正答率0.8%の超難問でした。
ですが、これまで学習してきたことと以下で説明することを用いれば瞬殺できます。
「円」に関する問題で意識すべきこと
「円」に関する問題問題では以下のことを意識しましょう。
「円周角の定理」は以下のような内容でした。
「同じ弧に対する円周角の大きさは等しい」ことと「円周角の大きさは中心角の半分になる」ことをおさえてもらえればOKです。
意識すべきことの2点目についてですが、直径は中心角が180°ですから、円周角の定理からそれに対する円周角が90°であることが即座に導けます。
これらを意識しながら、先ほどの問題を考えてみましょう。
問題の解説
まず、問題の図に分かっている条件を書き込んでいきます。
∠ABEおよび∠ADEは直径に対する円周角なので、いずれも90°となります。
このとき、(1)より△EAD∽△EFBですから、AD:DE=BF:BE=3:1になることに注意します。
よって、BE=6[cm]なので、BF=2[cm]です。
また、CF:FB=1:8ですから、CF:BF:BE=1:8:24となります。
これまでと同じようにして、まずはゴールを確認します。
△BFGの面積を求めるのがゴールですが、面積を求めるときの発想は以下からスタートするのでした。
- 面積を直接求める
- 合同および相似な三角形
- (同じ高さの三角形の面積比)=(底辺の長さの比)から、線分比の議論に帰着させる
直接それを求めるのは難しそうなので面積比を用いて間接的に求めていきます。
いま、△BEFの面積が求められるので、(△BEFの面積):(△BFGの面積)を求める方針で解いていきます。
これら2つの三角形の底辺をそれぞれEF,GFとみると、高さは等しいので、
(△BEFの面積):(△BFGの面積)=EF:GFであることが分かります。
よって、EF:GFが求まれば、答えが導き出せることになりますので、以下ではこれを求めていきます。
△OACと△OBCは合同となりますから、AC=BCゆえ、
BF:AB=BF:(AB+BC)=8:18=4:9が成り立ちます。
ここで、図中の破線部に注目すると、「メネラウスの定理」が利用できるため、
\begin{gather}
\frac{AB}{BF}×\frac{OE}{AO}×\frac{GF}{EG}=1\\
\frac{9}{4}×\frac{1}{1}×\frac{GF}{EG}=1\\
\frac{GF}{EG}=\frac{4}{9}
\end{gather}
となるため、FG:FE=4:(4+9)=4:13が得られます。
さて、(△BEFの面積)\(=6×2×\frac{1}{2}=6\)[cm2]ですから、△BFGの面積は以下のようになります。
$$6×\frac{4}{13}=\frac{24}{13}$$
このように、これまで学習してきたことと円の性質を組み合わせれば、実はすぐに解ける問題でした。
「平面図形」攻略におすすめの書籍
「平面図形」攻略におすすめの書籍をご紹介します。
「解法のエッセンス」では平面図形で学習する内容をどう実際の問題に活用するかに重点をおいて執筆されています。
いきなり問題集に取り組む前に、これらを通して問題を解く際の方法論を身につけるとよいでしょう。
難関校を目指す方や平面図形を得意になりたい方にはおすすめです。
まとめ:[高校入試]ここに注目すれば解ける!「円・相似の融合問題」の解き方のコツを解説!
いかがでしたか。
今回は、「円・相似の融合問題」の解き方について解説しました。
これまでの平面図形に対するアプローチに加えて、
- 「円周角の定理」を利用し、相似な三角形を作り出す
- 直径に対する円周角は、直角である
ことを意識するようにしましょう。
今後も難関校受験者に必須である円に関する定理や、入試で出題された平面図形の問題の解説を行っていきます。
また、本記事と合わせて以下の記事もぜひご覧ください。
最後までご一読いただきありがとうございました。
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